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複数のメガバンクがデジタル通貨の決済システムに55億円投資|激化する大手銀のブロックチェーン「開発戦争」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ブロックチェーン決済システムに、メガバンクが55億円投資
ロイター通信によると、UBSやHSBCなど約12の大手銀行はデジタル通貨決済システムに55億円を出資。2020年のローンチが予定されている。

ブロックチェーン決済システムに、メガバンクが55億円投資

「ブロックチェーン技術を使った新たなデジタルキャッシュ決済システム開発に、スイスのUBSを含む世界のメガバンクが総額約5000万ドル(約55億円)を投資する」と、ロイター通信 が報じた。内部の事情に詳しい情報提供者によると、2020年のローンチが予定されている。

「ユーティリティ決済コイン(USC)」という名称のこのプロジェクトは、2015年、金融市場における清算および決済の効率化を図るためのシステム開発を目的に、UBSがロンドンを拠点とするテクノロジースタートアップ、Clearmatics社と共同で立ち上げたものだ

Clearmatics社の創設者Robert Sams氏は当時、「USCは中央銀行の現金資産に完全に裏付けられたデジタル現金の一種である」と米大手仮想通貨メディアCoinDeskに語った。同社が2018年6月、「Finality」という単語の商標出願を提出したことが、商標サービスJustia Trademarksのデータから明らかになっている。

情報提供者によると、最終的な契約等は確定していないものの、2020年のローンチを目途に、多数の大手銀行が新システムの開発に携わっている。

2016年8月にBNYメロン、ICAP、ドイツ銀行、サンタンデール銀行という4つの銀行がプロジェクトに参加したのを機に、現在は公表されているだけでもクレディ・スイスやHSBCホールディングス、バークレイズなど、そうそうたるメンバーだ。

」

バークレイズの代表者はロイター通信の問いかけに対し、同行がUSCプロジェクトのメンバーであり、研究・開発が最終段階に入ったことを認めた。 これらの銀行は既に中央銀行や規制当局と協議をもち、「プロジェクトの構造が規制を遵守するものであることを確認済みだ」と報じられた。

「JPMコイン」「Corda」など、加速するメガバンクの参入

メガバンクによるデジタル通貨研究・開発は、ここにきて急速に加速している。

今年2月には米最大手のJPモルガン・チェースが、独自のデジタルコイン「JPMコイン」の開発を明らかにした。これは大手顧客が利用できる即時決済用デジタルコインで、同社の企業向けブロックチェーン「Quorum」上で発行される。

将来的には他のブロックチェーン・プラットフォームにも対応可能にし、米ドル以外の主要法定通貨にも拡大する予定だ。また、365日24時間国際送金サービスや商業向け・一般向けのサービス開始も視野に入れていることが、開示された資料やCEOであるJamie Dimon氏の発言からうかがわれる。

一方、UBSやHSBC、バークレイズといったUSCプロジェクト参加銀行は、世界200以上の企業や規制団体が参加する金融機関向けブロックチェーン・ソリューション開発プロジェクト「R3コンソーシアム」のメンバーとして、「Corda」を含む様々なプロジェクトにも取り組んでいる。

「Corda」は広範囲にわたる金融取引システムの効率化やコスト・労力の削減を目的とする分散型元帳オープンソース・プラットフォームで、強力なセキュリティーとスマートコントラクトベースのダイレクトな取引を特徴とする。オープンソースであるにも関わらず、送金データなど機密情報を非公開にすることで高い匿名性を確保できるという点で、顧客のプライバシー保護を重視する金融機関の需要を満たしてるとされている。

「ブロックチェーン技術が金融システムの基盤を変える」という過去の予言は、確実に現実のものとなりつつある。UBSの戦略的投資およびフィンテック・イノベーション担当ディレクター、Hyder Jaffrey氏は2017年、デジタルキャッシュが「次世代金融市場のコア要素になる」と発言した。民間の銀行だけではなく、各国の中央銀行も独自のデジタル通貨開発に高い関心をみせている現在、予言の到来は秒読み段階に入ったと言えるだろう。

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