BitMEXの今後
暗号資産(仮想通貨)デリバティブ取引所BitMEXの幹部は、米規制当局に告発された後でも、今後の運営について前向きな姿勢でいることが分かった。
仮想通貨メディアTheBlockに対し、コンプライアンスに対する取り組みを含め、BitMEXの今後について語っている。
BitMEXは今週、本人認証手続き(ID認証プログラム)を強化するため、本人確認(KYC)を行う期限を大幅に早めるなどの措置を講じたが、取引所の運営は継続する方針を改めて示した。
新しい規定では、日本時間11月5日の9時までに本人認証確認を完了しなければ、新たなポジション(建玉)をとることもできなくなるほか、12月4日の9時までに手続きを完了しないユーザーは、BitMEXからの出金も制限されるなど、KYCレベルの引き上げは行う。
しかし、BitMEXの最高商務責任者とコンプライアンス部門のトップは、「KYCにおいて当社は他の企業の先を行っている」と主張した。すでにユーザーの50%がKYCを行っているとのデータを示した格好である。
コンプライアンスの担当は今月12日にBitMEXに入社した新任の責任者。以前は香港の仮想通貨取引所Diginexでもコンプライアンスの責任者を務めており、「グローバルデジタルファイナンス」というベストプラクティスを推進する業界団体で顧問理事長も務めている。マネーロンダリング対策(AML)に関して30年の経験を持つベテランだ。
金融活動作業部会(FATF)のガイドラインに沿った運営についても、先頭に立って規制機関と対話を行ってきたと話す。
最高商務責任者によれば、BitMEXは本人確認の期限を早めて、社内のリソースをプロダクトの開発に回したい意向がある。12月末までには新たな先物をローンチし、モバイルアプリや流動性、リスク管理に関するプロダクトについても行わなくてはならない作業があるとした。
そして「どんなに大変な時でも、我々は日々の業務に集中する。ユーザーを幸福にし、取引所の流動性を保ち、サービスプロバイダーとしてトップの地位を維持する」と意欲を示した。
BitMEXの告発を巡る動き
BitMEXやアーサー・ヘイズ元CEOらは今月、「米国法逃れ」を指摘され、米司法省(DOJ)と米商品先物取引委員会(CFTC)に告発された。AMLやKYCなどに関するCFTCのルールを守らず、ヘイズ元CEOを含む4名は銀行秘密法(BSA)にも違反したとDOJから訴えられた。
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この告発の後、BitMEXではヘイズ氏らが退任し、CEOに元COOのVivien Khoo氏を任命して、新体制下での事業をスタート。先週には、仮想通貨チェーンリンク(LINK)の無期限スワップ契約の取扱いを発表した。
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一方で罰金や取引の禁止、不正利得の返金、賠償など、裁判所が必要かつ適切と判断する対応が今後は求められていくこととなる。
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