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ビットコイン識者は「クジラ間戦争」を指摘、反転の予兆を示唆する5ヶ月ぶりのシグナルも

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株式市場は大きく反騰

米国債金利(10年物国債利回り)の急騰を受け、大幅下落を余儀なくされた先週の株式市場。

新型コロナウイルスのワクチン接種が各国で進んだことや米国における1.9兆ドル規模の追加経済対策が期待されるなか、コロナ禍の株高を下支えしてきた金融緩和(過剰流動性)相場の思惑が後退。テーパリングへの議論が進むとの懸念が強まった。

経済正常化が望まれる一方、年金基金による株と債権比率リバランスへの警戒感が台頭するなど、複雑な情勢が絡み合ったとされる。

一方で、米国の追加経済対策などで米ドルの価値が毀損し、アフター・コロナに向けた物価上昇が織り込まれるようであれば、インフレヘッジを目的とした企業によるビットコイン保有における大義名分が説得力を増してゆく可能性も考えられる。

なお、週明けの東京株式市場は、米長期金利が1.5%を下回る水準まで下落したことで反発。市場心理改善を受け、ビットコインなどリスク資産も落ち着きを取り戻した。

第2週の12日(金)には、先物やオプションの清算値(損益確定)を決める3月限のメジャーSQ(特別清算指数)が迫る。メジャーSQは4半期に1度(3月、6月、9月、12月)の大型イベントであり、3〜4月には確定申告も控えることから、相場全体の調整局面と相まって様子見貴重となりやすいか。

ビットコイン市場

月が変わって1日の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコイン(BTC)価格は、前日比+1.87%の500万円(46,770ドル)に。

一時43,000ドル(460万円)まで下落して底割れも懸念されたが、足元で売られすぎ水準にあることから、明け方にかけて盛り返した。目先トレンドは下優勢にあり、米株など金融市場が再びリスクオフに傾けば、4万ドル割れも現実味を帯びるなど予断を許さない水準にある。

個別銘柄の動向

新チェーン「Symbol」のローンチを15日頃に控えるネム(XEM)が前週比+7.2%、2日頃に大型アップデート「Mary」を控えるカルダノ(ADA)は前週比+16.4%、と相対的な強さを見せる。

資金抜けが目立つビットコインは前週比-19.6%、イーサリアムは前週比-25.5%、XRPは前週比-23.2%といずれも暴落していることを踏まえると、明暗がくっきり別れていることがわかる。

仮想通貨市場の材料感度は、依然として高いと言えるだろう。

関連:カルダノ(ADA)時価総額3位に浮上、その3つの背景は

関連:ネムの新チェーンSymbol、ローンチ日と権利確定日時を発表

オンチェーンデータから探る反転シグナル

著名アナリストのWilly Woo(@woonomic)氏は、ビットコインの未使用トランザクション出力を示す「Unspent Transaction Output(UTXO)」から、VPOC(一定期間内の価格帯別出来高における最大ボリューム)を算出。

45,000ドル付近は強力なサポートであり、39,000ドルまで下落するようなことがあれば、「BTFD:Buy the ○ucking dip(強力な押し目買い)」が起こり得るとした。

Wu Blockchain(@WuBlockchain)が示したGlassnodeのデータによると、10BTC以上の保有アドレス数は、ビットコインが5万ドルを超えた今年2月以降に激減。2月27日時点で、過去2年間で最も少ない15万アドレスを割り込んだ。

その一方で、Spent Output Profit Ratio(SOPR)が5ヶ月ぶりのマイナス圏に転じたことを指摘した。

これは、購入価格と売却価格の変動によって測定されるオンチェーン上の利益率を示したもの。「1」以上で利益確定を、「1」未満の場合は損切りを意味しており、SOPRのマイナス圏への転落は、大口の利食いによる売り圧力が衰えたことを意味している。

過去の強気相場では、いずれも目先トレンドの転換点を示唆するものとなっていた。

出典:Glassnode

米機関投資家は強気

CryptoQuantのKi Young Ju CEOは、米機関投資家の動向について、米大手取引所コインベースの資金移動は、「強力な買い圧力」だと主張した。コインベース・プレミアムやステーブルコインのインフローも買い圧力を示唆。その反面で、一部マイナーの売り圧力を指摘する。

この点についてCryptoQuantは、F2poolなど大手マイニングプールではなく、プールと提携するマイナーによるものとの見解を示している。

マイナーは通常、ハードウエア・サイクルに則り、最新鋭のマイニングマシンなど機材調達や稼働コスト捻出のため、採掘したBTCを定期売却する必要がある。

マイナー・ポジション・インデックス(Miner Position Index:MPI)における観測では、今年1月の暴落時のピーク時よりも大幅に減少していることが確認されており、BTC高値圏でマイナーが在庫を捌くことによる売り圧は、一巡すれば次第に落ち着くものと考えられる。

関連:ビットコイン急落で全面安、仮想通貨相場に影響する複数要因を解説|CoinPost週次レポート

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