マネックスグループのコインチェック株式会社は18日、ブロックチェーン上のデジタルアイテムであるNFTを取引するマーケットプレイス「Coincheck NFT(β版)」を24日より提供開始することを発表した。
暗号資産(仮想通貨)取引サービスと一体となったNFTマーケットプレイスは日本初であり、サービス開始時点では、2つのゲームタイトルで利用できるNFTを、コインチェックで取扱う13種類の暗号資産(仮想通貨)と交換することができるようになる。
対応する仮想通貨は以下の通り。
NFTとは
NFTは、Non Fungible Token(ノンファンジブルトークン)の略称で、固有の価値を証明できるデジタルアイテムのこと。
最近では、ブロックチェーンゲームのアイテムの交換などに用いられるのみならず、アート作品の所有権の証明や、スポーツクラブのファンコミュニティ形成の手段などとして注目を集めている。
NFTの市場規模は、デジタル資産が高額売買されるなど急拡大している。
17日には国内最大手のゲーム企業であるスクウェア・エニックスが、自社IPなどを利用したNFTデジタルシールの販売・システム開発で、ブロックチェーン技術を用いたアプリケーション開発を行うdouble jump.tokyo株式会社と協業することを発表したばかり。
スクエニの事業担当者は、「今回、当社のIPを活用したNFTデジタルアセットの開発に着手することができ、デジタルアセットの新しい価値の創造と未来に貢献できれば」などと抱負を述べた。
関連:スクウェア・エニックスがNFT市場進出 国内ブロックチェーンゲームを先導するdouble jump.tokyoと協業へ
Coincheck NFTの強み
「Coincheck NFT(β版)」は、従来のNFT取引において課題とされていた、仮想通貨イーサリアム(ETH)のネットワーク手数料(Gas代)の高騰や複数のサービスを介す取引方法などの課題を解決したオフチェーンのNFTマーケットプレイスだ。
コインチェック口座を持っているユーザーは、誰でも簡単に「NFTの出品・購入・保管」が可能となるほか、「出品・購入」にかかるネットワーク手数料(Gas代)が無料となる。
コインチェックは21年2月17日にNFTマーケットプレイス「Miime(ミーム)」を買収したほか、全世界で4,000万ダウンロードを達成したブロックチェーンゲーム「The Sandbox(サンドボックス)」のバーチャル土地NFTを取得したことを発表した。
関連:コインチェック、ブロックチェーンゲーム「The Sandbox」の仮想土地(NFT)を取得
21年1月にコインチェックに上場したNFTゲーム関連のエンジンコイン(ENJ)は、0.13ドル(約14円)から2.72ドル(約300円)と、年初来20倍まで高騰している。
コインチェックが、事業説明会で「NFTマーケットプレイス」の立ち上げを表明したのは、20年8月。
以降、国内外で人気のある6つのNFT発行体と連携しながら「Coincheck NFT(β版)」の提供開始に向け準備を進めてきたという。今後は、ゲーム分野のみならず、アートやアニメ、マンガ、音楽などの分野のNFTの取扱いにも注力し、NFT市場の拡大およびNFTによる新たなエコシステムの創出を目指す。