バンカメがDeFiを評価
米大手銀行「バンク・オブ・アメリカ(以下、バンカメ)」が、DeFi(分散型金融)の可能性を評価していることが分かった。
DeFiはメインストリームの資本市場を大きく変革する可能性を秘めていると述べ、その基盤となる暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のブロックチェーンの方が、ビットコイン(BTC)のブロックチェーンよりも優れていると主張した。
今回の見解は、バンカメが17日に公開した「Bitcoin’s Dirty Little Secrets」というレポートの内容から明らかになった。タイトル通り主にビットコインについて書かれたレポートだが、その中でDeFiに言及している。
バンカメは多くのDeFiの基盤であることなどを理由に、イーサリアムのブロックチェーンは柔軟性があり、ビットコインのブロックチェーンよりも多くの機能を備えていると評価。DeFiについて、現在急速に成長している分野だと述べている。
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一方でビットコインよりもイーサリアムの方が機能面のスケーラビリティは高いかもしれないが、スピードやブロックサイズ、イーサリアムの価格(時価総額)という課題もあると指摘。現在の規模から判断すると、DeFiがメインストリームの金融システムになるにはまだ時間がかかるとしている。
DeFiが銀行やウォールストリートの企業、保険会社などと競合する可能性については、「可能性はあるが、今ではない」と指摘し、現代の金融を動かす重要な要素の1つは「信用創造(Credit Creation)」だが、DeFiにはそのような機能が欠けているとした。
信用創造とは、銀行が受け入れた預金が貸し出しを通じて、さらなる預金を生み出し、これによって預金通貨が創造される仕組みのこと。
ビットコインの評価
バンカメはビットコインに対しては、厳しい評価をしている。
まずは価格が上がらないと、保有していてもあまり意味がないというのが主な理由だ。そして、その価格上昇はテスラやスクエア、PayPal、グレースケールのビットコイン投資信託(GBTC)などの大口の購入者に大きく影響を受けているとして、発行されたビットコインの95%が、残高数量が多い上位2.4%のアドレスによってコントロールされている点が、従来の金融資産と比較して、資産比率が集権化していると指摘した。
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またリスク資産と相関性があり、価格変動が非常に大きいことなども欠点として挙げ、価値の保存手段としても決済手段としても実用的ではないとの見方を示した格好だ。
さらにマイニングが大量の電力を消費し、環境に悪影響を与えている点にも触れ、「仮にビットコインの価格が100万ドル(約1億円)まで上昇することがあれば取引量が増加し、二酸化炭素(CO2)の排出量は、日本を抜いて世界第5位の水準になる可能性がある」として、問題視される可能性が懸念事項にあるとしている。
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