はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

金融庁、DeFi(分散型金融)などフィンテック関連の活動報告書を公開

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

FinTech Innovation Hubの活動報告

日本の金融庁は7日、「FinTech Innovation Hub活動報告 第2版」レポートを公開。暗号資産(仮想通貨)やDeFi(分散型金融)を含めたブロックチェーンに関する取り組みについても紹介した。

FinTech Innovation Hubは、ブロックチェーンなどフィンテックに関する最新のビジネスやトレンドを把握し、今後の金融行政に役立てていくことを目的として、2018年に金融庁が設立した組織。日本経済新聞社とのフィンテックの国際シンポジウム「FIN/SUM」の共催やBlockchain Governance Initiative Network(BGIN)への貢献などの活動実績がある。

DeFi

DeFi(分散型金融)とは、ブロックチェーンを活用し中央管理者不在の状態で行われる金融サービス、またはそのシステムを指す。

▶️仮想通貨用語集

DeFiなどに対する取り組み

20年夏ごろから急速に拡大し大量の資金が流入しているDeFiについて、金融庁は以下のように見解を記した。

ブロックチェーン技術に基づく分散型金融システムでは、仲介者がいない完全にP2P(Peer to Peer)の金融取引を実現する可能性があります。

そうした分散型金融システムは、様々な機会や便益をもたらし得る一方、既存の規制の執行能力が失われる恐れもあります。

また、FinTech Innovation Hubでは、DeFiにおける複数のガバナンス上の課題に取り組んできたと説明。DeFiを含むブロックチェーン関連の取り組みについては、以下のようなものが挙げられている。

  • 国際カンファレンスBG2Cで、DeFiのガバナンスの重要性を議論し、その他ブロックチェーンに関わる幅広いテーマを議論
  • BGINに、ステークホルダーの一員として関与し、DeFiの重要論点についてドキュメント策定などを行う
  • FATFガイダンス改訂に係るアウトリーチ会合において、BGINでの議論の成果を踏まえ、ガイダンス策定の議論への貢献

2020年8月24日、25日に開催された国際カンファレンスBG2C(Blockchain Global Governance Conference)では、ブロックチェーンやDeFiのガバナンスのあり方について、幅広いステークホルダーが参加し議論。その他ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)のコミュニティや、中央銀行デジタル通貨(CBDC)についても話し合われた。

2020年3月にブロックチェーンコミュニティの持続的な発展のために設立されたBlockchain Governance Initiative Network(BGIN)。その設立に貢献しており、「Blockchain Global Governance Conference (BG2C)」や「BGIN第1・2回全体会合」において、世界中から集まったステークホルダーとDeFiにおける諸課題について議論も行った。

BG2Cでは、遠藤金融庁元長官が講演し、DeFiの可能性や規制の必要性について語っている。

ブロックチェーンに基づく分散型金融システムにおいては、高いプライバシー性と耐改竄性を有した、仲介者がいない完全にP2Pの金融取引を実現する可能性がある。その中では、既存の規制の執行能力が失われる恐れもある。

こうした分散型システムにおいても、金融の安定、消費者保護、AML/CFTといった規制目標を達成し、イノベーションがもたらす社会的な便益を享受するために、我々規制当局は、今まで出会ったことの無いステークホルダーとも調整をする必要があるかもしれない。2019年のG20では様々なステークホルダーとの対話の重要性について合意が得られた。

また、21年4月にBGINにより行われた、FATF(金融活動作業部会)ガイダンス改訂に関する会合では、規制目的を達成するために必要な論点(規制範囲の明確化、P2P/M2M取引の拡大による規制執行能力の低下リスクなど)が提示されたが、そのガイダンス策定の議論に貢献している。

FATFは3月に仮想通貨ガイダンスの最新更新案を公開しているが、これまでの世界的なコンセンサスを覆す問題点が多く含まれると、米ワシントンDCに拠点を置く仮想通貨業界団体、コインセンター(Coin Center)が警鐘を鳴らしている。また、日本暗号資産ビジネス協会(JBCA)も、ガイダンス内容に対して関係者の意見を取りまとめた意見書をFATFに提出するなど各方面から批判が出ていた。

関連:日本暗号資産ビジネス協会、仮想通貨の新ガイダンスに対する意見書をFATFに提出

FIN/SUM開催

金融庁およびFinTech Innovation Hubは、2016年から日本経済新聞社と複数回にわたり、国際フィンテックカンファレンス「FIN/SUM」を共催している。

直近の3月に開催された「FIN/SUM 2021」は、ブロックチェーンやDeFi、デジタルアイデンティティなどの先進的なテーマについて、50人を超える有識者登壇し議論。日銀黒田東彦総裁が、日銀が主導して開発を進めるCBDCについて、「この春からは、いよいよ実験を開始する予定です」と言及するなど注目を集めるイベントなった。

関連:日銀黒田総裁「この春からデジタル通貨(CBDC)の実験を開始する」FIN/SUM2021で言及

日銀もDeFiをレビュー

DeFiなどの分散型金融技術については、前述の通り、金融庁およびFinTech Innovation Hubは、その可能性とともに規制の必要性やリスクを指摘しているが、日銀もDeFiについて言及している。

4月、日銀の決済機構局に所属する北條真史氏および鳩貝淳一郎氏が仮想通貨に関する「自律的な金融サービスの登場とガバナンスの模索」のレポートを公開。

同レポートは、DeFiの仕組みを紹介するもので、暗号資産のスワップや貸し借り、イールドファーミング、デリバティブ、カストディ、保険、ガバナンストークンなどに幅広く触れている。

また、金融安定理事会(FSA)の報告書を引用し、DeFiなどの「分散型金融技術」がもたらしうる潜在的メリットのほか、規制による利用者保護の欠如やスマートコントラクトの不具合といったリスクも伴うと説明。「規制で禁止しようとしても、自律的に稼働し停止不能であるうえ、改竄耐性が高く不正があっても後から修正するという方法を取ることが難しい」とし、規制の難しさについても指摘した。

関連:日銀決済機構局がDeFi(分散型金融)レビュー、潜在的メリットとリスクにも言及

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/30 火曜日
14:00
米カリフォルニア州の超富裕層への「5%資産税」に業界猛反発 仮想通貨起業家流出の懸念も
米カリフォルニア州で純資産10億ドル超の富裕層に5%課税する提案が行われ、Kraken創業者やBitwise CEOをはじめとする仮想通貨・テック業界リーダーが強く反発し、警告を発した。株式、不動産、仮想通貨などを対象とし、未実現の含み益にも課税される点が問題視されている。
14:00
コインベース・ベンチャーズが注目する2026年の仮想通貨4大トレンドとは
米最大手コインベースの投資部門コインベース・ベンチャーズが2026年に積極投資する4分野を発表した。RWA永久先物、専門取引所、次世代DeFi、AIとロボット技術など、次のブレイクアウトが期待される仮想通貨領域について紹介。
12:32
ビットマイン、イーサリアム買い増し 独自のステーキング・インフラも準備中 
ビットマインの仮想通貨イーサリアム保有量が411万枚に到達した。年末の価格下落を好機と捉え買い増しを行っている。2026年には独自ステーキング基盤も公開予定だ。
10:00
2025年の仮想通貨市場を重要ニュースから振り返る
2025年は仮想通貨を支持するドナルド・トランプ氏が米大統領に就任し、相場は米国の動向から大きな影響を受けた。本記事では、ビットコインの最高値更新など1年間の重要ニュースを振り返る。
09:50
仮想通貨投資商品、先週700億円超の純流出 XRP・ソラナは好調維持=CoinShares
仮想通貨投資商品から先週700億円超が流出した。CoinSharesは投資家心理がまだ完全に回復していないと分析した。一方で資産別ではXRPとソラナへの流入は好調だった。
12/29 月曜日
14:23
ビットコインは持続的上昇局面に?4年サイクル論争と機関投資家の影響力
Bitwise CIOマット・ホーガン氏が「ビットコインの4年サイクルは終焉し、持続的上昇局面に入った」と主張した。ハーバード大学など大手機関がBTCを保有し、個人投資家から機関への資産移転が進行。ボラティリティ低下の理由と、「階段を上りエレベーターで降りる」値動きパターンを専門家2人が詳しく解説。
13:35
AIや仮想通貨のショッピング活用進む Z世代が牽引か=Visaレポート
決済大手ビザの調査で、ショッピングにAIツールや仮想通貨を利用する消費者が増加していることが判明。特にZ世代が牽引していた。ステーブルコイン送金への関心も高まっている。
09:44
スベルバンク銀、ロシア初の仮想通貨担保ローン発行
ロシア最大の銀行スベルバンクが同国初の仮想通貨担保ローンを発行した。ビットコインマイニング企業に融資し、デジタル資産担保の仕組みを検証している。
12/28 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、MTGOXハッキング容疑者関連のBTC送金やearnXRPローンチなど
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン年末相場、値頃感から買い戻し期待も|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコインは方向感に欠け1400万円周辺で推移。26日のオプションカット通過後の動向が注目される。底入れには12月高値9.4万ドルの回復が条件だが、割安感から買い戻されやすいとbitbankアナリストが分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|Bybitの日本居住者向けサービス終了発表に高い関心
今週は、大手仮想通貨取引所Bybitの日本居住者向けサービス終了の発表、仮想通貨市場の調整局面、日銀の植田和男総裁の講演に関する記事が関心を集めた。
12/27 土曜日
14:00
ジーキャッシュのシールドプール供給シェアが23%で安定、プライバシー採用が定着
仮想通貨ジーキャッシュのシールドプール供給の市場シェアが2025年初頭の約8%から23%前後で安定している。プライバシー採用指標は依然として安定しておりプライバシー保護取引への持続的な関心を示している。
13:25
金融庁、仮想通貨ETFの導入に向けた税制改正──暗号資産取引の課税見直しと新たな可能性
金融庁が2026年度税制改正の資料を公開した。暗号資産取引を総合課税55%から申告分離課税20%へ変更することに加えて、ETF解禁や繰越控除などについても挙げられた。
11:10
KLab、ビットコインとゴールドを購入開始 「岐路に立つBTC」と分析
東証プライム上場のKLabが25日にビットコインとゴールドの購入を開始。AIを活用した市場分析レポートの不定期発刊も開始した。
10:05
ミームコイン市場は2025年に60%下落、「TRUMP」発行から始まった一年を振り返る
ミームコイン市場は2025年に60%下落した。トランプ氏による独自仮想通貨「TRUMP」発行や、ドージコインETF誕生など変化の激しかった一年を解説する。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧