自然エネルギー活用のマイニングセンター
暗号資産(仮想通貨)マイニング企業のGenesis Digital Assets(以下、Genesis)は1日、米国テキサス州西部に大規模なビットコイン(BTC)マイニングセンターを建設すると発表した。
Genesisによると、この新しい施設は、持続可能なインフラ、高い効率性を持つもので、Electric Reliability Council of Texas(ERCOT)から電力の供給を受けるという。
ERCOTは、テキサス州の大規模な電力会社で、エネルギー源の40%以上を風力や太陽光などの自然エネルギーから生み出している。これにより、Genesisは、炭素排出量を抑えながら、300メガワット規模の電力容量を得る見込みだ。
Genesisの共同設立者Abdumalik Mirakhmedov氏は、次のようにコメントした。
米国で事業拡大の計画を加速させていく中で、当社は持続可能性と社会的責任にこだわり続けている。大規模なビットコインマイニングファームに再生可能エネルギーで電力を供給し、地域社会に雇用機会を創出する方法を模索している。
公式発表によると、2021年10月時点で、Genesisの生成している総ハッシュレートは3.8エクサハッシュ(EH/s)を超えており、世界のビットコインマイニングハッシュレートの2.4%以上に相当するという。
さらに、今後1年間でさらに9.4エクサハッシュが追加される見込みだ。同社は9月だけで、662BTCを採掘したと報告している。なお、1エクサハッシュは1秒間に100京回の計算ができる能力のこと。
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ハッシュレートとは
マイニングの採掘速度のこと。日本語では「採掘速度」と表現される。単位は「hash/s」。「s」は「second=秒」で、「1秒間に何回計算ができるか」を表す。マイニング機器の処理能力を表す際や仮想通貨のマイニングがどれくらいのスピードで行われるかを示す指標として用いる。
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600億円以上を調達済
Genesisは今年に入ってから、事業拡大のために5億5,000万ドル(約627億円)以上の資金を調達している。2023年までに、複数のデータセンターを建設し、1.4ギガワット規模にすることを目指しているという(1ギガワットは1,000メガワット)。
また、マイニングマシンの大量注文も行った。8月に、マイニング用集積回路(ASIC)メーカーのCanaan(カナン)から、2万台のマイニングマシンを購入。同時に、今後18万台のASICマイニングマシンを購入する契約も行っている。
GenesisのMirakhmedov氏は、この購入について「再生可能エネルギーを重視する北米と北欧でのビットコインマイニング事業を拡大するための継続的な取り組みの一環だ」としており、またそれらの地域で再生可能エネルギーに焦点を当てて事業を行っていくとも述べた。
テキサス州は安価な電力と、仮想通貨に前向きな制度により、仮想通貨セクターの企業に注目されている地域だ。仮想通貨マイニングマシンメーカーのビットメイン、マイニング企業アルゴブロックチェーンなど、多くのビットコインマイニング事業者がテキサス州に拠点を設置している。
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