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データからみる前週末の大幅下落、イーサリアムの取引所残高は減少続く CoinPost週次データレポート Vol.38

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12月の仮想通貨動向

12月第1週の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコイン(BTC)は前週末にかけての急落でデリバティブ市場で大量清算が発生。相場のセンチメントは今年5月以来となる極度の恐怖状態まで悪化した。

関連:ビットコイン市場「極度の恐怖(総悲観)」状態に、今年5月の暴落時と同水準

出典:Tradingview

時価総額2位のイーサリアム(ETH)は一時4800ドルまで上昇するも、3日時点で一時3600ドルを下回る水準まで下落した。

出典:Tradingview

時価総額TOP20の騰落率

時価総額上位銘柄の週間騰落率は以下の通り。(5日時点:ステーブルコイン除く)

  • テラ(LUNA)+35.95%
  • ポリゴン(MATIC)+23.84%
  • アルゴランド(ALGO)+2.73%
  • イーサリアム(ETH)-2.24%
  • ソラナ(SOL)-2.25%

参照:CoinMarketCap

仮想通貨分析企業Santimentによれば、21年4Q(10月から12月)にかけてテラ(LUNA)は好調を維持しており、11月24日以降はBTC価格と比較すると76%上昇を記録。同時にGithub上の開発アクティビティも増加しているという。

関連:2015〜2020年、仮想通貨「時価総額TOP20」の顔ぶれと変化

ビットコインのオンチェーン・データ

ビットコイン(BTC)関連の注目のオンチェーンデータは以下の通り。

急落の背景

著名オンチェーン・アナリストのAlex Kyüger氏は、増加する売り圧が大量清算に繋がったとコメント。さらに週末である点や、仮想通貨イベントが米マイアミ市で開催されるなど、流動性の低い状況が重なったと分析。

伝統金融市場でもリスクオフムードが強まっていたことも一因していると考察した。

また、著名仮想通貨アナリストのAlex Moskovski氏は、伝統金融市場が金曜日に下落で終えた場合すると翌月曜日に暗号資産(仮想通貨)相場が急落する傾向があると指摘。ここ最近はこのような相関が先回りして発生したという。

オンチェーン分析企業Glassnodeによれば、週末にかけて発生した仮想通貨市場の急落は、先物取引の大量清算が原因だと指摘。3日から4日にかけてOI(未決済建玉)の24.5%相当にあたる54億ドルが減少したという。

仮想通貨が高騰していたこともあり、実現損失(Realized Loss)ベースで見ると、過去の大量清算と比べても歴代3番目の量を記録。約2,500億円(21.8億ドル)の実損となった。先週末の数値を含めた大量清算のデータは以下の通り。

  • 2020年3月:約1,600億円(13.8億ドル)
  • 2021年5月:約3,000億円(26.5億ドル)
  • 2021年6月:約3,900億円(34.5億ドル)
  • 2021年12月:約2,500億円(21.8億ドル)

しかし、オンチェーンデータ上からは今回の大量売却はビットコインの短期保有者が大半だったことが確認された。短期ホルダーのSOPR(Spent Output Profit Ratio)は7月以来最も損失が出た。

SOPRとは

Spent Output Profit Ratioの略称。ビットコイン保有者の利益率を測るオンチェーンデータ独自の指標となっている。

購入した時の値段と売った時の値段から算出していて、「1」を超えると平均して投資家が利益が出ている状態、1を下回ると損失が出ている状態で投資家が売却していることを指す。

▶️仮想通貨用語集

対照的に、長期保有者層の保有するBTC供給量は、先週にかけて増減が確認されなかった。

出典:glassnode

BTCの取引所残高

On-Chain Collegeによれば、ビットコインの取引所預入額は54,000BTCを記録。2020年3月や21年5月の急落時と比較すると依然として低い水準にあるとした。

イーサリアムのオンチェーン・データ

イーサリアム(ETH)関連の注目のオンチェーンデータは以下の通り。

ETH2.0 ステーキング額

ステーキング額:850万ETH(前週比+10万ETH)

CrytoQuant

関連:仮想通貨ステーキングとは|初心者でもわかる「報酬」の仕組み

ETHの取引所残高

急落相場の反面、取引所預入残高は引き続き低下した。

取引所預入残高とは

取引所に預入(デポジット)されている仮想通貨の総量を示す指標。取引所に入金されていない仮想通貨は即座に取引(≒売却)し難いため、同指標の低下は、売り圧力の低下を示唆する。

▶️仮想通貨用語集

ETHクジラ

また、Santiment社によれば、10万ETH〜1,000万ETHを保有する超大口ウォレットは、過去2週間ほどにわたり67万ETHを買い増したと指摘。過去45日では128万を買い増しており、直近12日間の購入量はETH供給量の0.59%に相当する。

DeFi(分散型金融)

DeFiプラットフォームのTVLは6日時点で約28兆円2,000億円(2,497億ドル)だった。

出典:DeFi Llama

TVL(Total Value Locked)は、DeFiプロトコルへ預入れされた仮想通貨資産の総ロック額を指す。

クリプト指標

           
日程 指標

12/6

米CME マイクロイーサリアム先物取引のローンチ予定

12/8

Ethereum「Arrow Glacier」アップグレード予定

12/9〜12/16

Polkadot パラチェーンオークション 5回目

マイクロイーサリアム先物

米国の大手デリバティブ取引所であるCME(シカゴマーカンタイル取引所)は米時間6日、従来のイーサリアムより最小ロットが1/10のマイクロイーサリアム先物のローンチを予定している。

従来のイーサリアム先物は最小ロットが50ETHだが、新商品を通してより個人投資家もアクセスしやすくする狙いがある。

関連:米CME、個人投資家向けのイーサリアム先物取引をローンチへ

関連:CMEイーサリアム先物とは|主な特徴や市場参加者について元プロトレーダーが解説

前回の週次レポートはこちら:ビットコイン難易度4ヶ月ぶりマイナス調整、NFT出来高は3ヶ月連続減少

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関連:クリプト指標導入「CoinPostアプリ」の使い方をトレーダー目線で解説|寄稿:Bit仙人

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