シタデル、約1,300億円を調達
米電子取引大手シタデル・セキュリティーズは11日、大手VCのセコイア・キャピタルと大手暗号資産(仮想通貨)ベンチャーキャピタルのパラダイムが主導する資金調達ラウンドで、11億5,000万ドル(約1,300億円)を調達したと発表した。仮想通貨事業へ関心を持っていることが示唆されている。
2001年の創業以来、シタデル・セキュリティーズ(以下、シタデル)にとっては、初の外部資金調達ラウンドとなるものだ。セコイア・キャピタルはSequoia Heritage、Sequoia Capital Global Equities、Global Growth Fundという3つのファンドを通じてシタデルに投資した。セコイア・キャピタルは、2021年に仮想通貨取引所FTXなどのブロックチェーン企業にも出資している。
今回の取引の一環として、セコイア・キャピタルのパートナーであるAlfred Lin氏も、シタデルの取締役会に参加する予定である。
シタデルは、世界有数のマーケットメーカーで、米国では株式、債券、その他の資産を含む全取引の30%近くを扱っている。その最大の顧客の一つは、米人気投資アプリのロビンフッドだ。
マーケットメーカーとは
金融市場での取引が円滑に行われるように、流動性を提供する市場参加者。取引が行われる資産を充分な量で保有し、売買価格を提示して、迅速に取引を成立させる役目を持っている。
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仮想通貨事業にも関心か
パラダイムは、仮想通貨やWeb3.0セクターに積極的に投資を行っているクリプトネイティブのベンチャーキャピタルだ。ブロックチェーンデータ企業チェイナリシスや、米大手取引所コインベース、ディエム財団、その他複数のDeFiやNFTプロジェクトなどにも出資。同社の共同設立者Matt Huang氏(Sequoiaの前パートナー)は、シタデルが、仮想通貨などにも関心を持っていることを示唆した。
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Huang氏は、今回の発表で次のように語っている。
シタデル・セキュリティーズは、世界中の機関投資家や個人投資家のために、市場構造を大幅に改善するソフトウェアとアルゴリズムを開発してきた。当社は、シタデルが仮想通貨を含む、さらに多くの市場や資産クラスにその技術や専門知識を拡大しようとする中、提携していけるのを楽しみにしている。
シタデルのPeng Zhao CEOは、「金融市場における技術革新がますます重要になる中で、さらに多くの市場、多くの商品にわたって、顧客のニーズに応えていく大きなチャンスがあると考える」とコメントした。
なお昨年10月時点で、シタデル創業者Ken Griffin氏は、「規制が不明確なため、シタデルは仮想通貨を取り扱っていない」と話していた。
ロイター通信によると、Griffin氏は次のように述べている。
仮想通貨セクターに参入している競合他社もいるが、当社は規制の空白地帯(仮想通貨セクター)で、リスクを引き受けたくはない。
規制が明確になれば、仮想通貨は今よりはるかに競争の激しい市場となる。それは良いことだと思う。
また、「適切に規制が実施された時には、シタデルは仮想通貨を扱うようになるかもしれない」と続けていた。
Web3.0とは
現状の中央集権体制のウェブをWeb2.0と定義し、ブロックチェーン等を用いて非中央集権型のネットワークを実現する試みを指す。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。
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