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イーサリアム財団が「ETH1.0」と「ETH2.0」に新名称を命名

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ETH1、ETH2の名称廃止へ

イーサリアム財団ブログは25日、「ETH1」と「ETH2」の名称廃止を発表した。以下は今回の変更の要約となる。

  • 「ETH1」と「ETH2」という呼称を段階的に廃止
  • 「実行レイヤー(Execution Layer)」と「合意レイヤー(Consensus Layer)」を新しい用語とする
  • ロードマップには変更なし

これまで「ETH1」や「ETH2」といった用語が使われてきたが、イーサリアムのコアデベロッパー(開発者)達はそれらの言葉を使うことを止め、ETH1を「実行レイヤー」、ETH2を「合意レイヤー」と呼ぶことにした。また、呼称を更新するにあたって、ロードマップ自体の変更はないようだ。

イーサリアム

スマートコントラクトプラットフォームの代表格であるイーサリアムは、暗号資産(仮想通貨)でも特に重要なプロトコルだ。セキュリティと分散性を改善しながら、グローバルな需要を満たすことを目的として、大型アップグレードを推進している。

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「イーサリアム2.0」の由来

イーサリアムは、分散的な方法でのネットワークの拡大と、合意形成アルゴリズムのPoW(プルーフ・オブ・ワーク)からPoS(プルーフ・オブ・ステーク)への移行を計画していた。

PoSとは

PoSとは、保有(ステーク)する仮想通貨の割合に応じて、ブロックを新たに承認・生成する権利が得られるコンセンサスアルゴリズムのこと。

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当初、研究者はこれらの取り組みに個別で取り組んでいたが、2018年頃に「イーサリアム2.0」の傘下で1つのロードマップ(計画書)にまとめられた。そのロードマップの一部として、既存のPoWチェーン(ETH1)は最終的に非推奨となり、ユーザーとアプリケーションはETH2で知られるPoSチェーンにマージ(統合)する形となった。

なぜ「ETH2」呼称をやめるのか

主な理由は以下の通り。イーサリアム(ETH)のエコシステム(生態系)全体で、一貫性と明確さを生み出すことを掲げている。

思い込み(Mental models)対策

ETH2ブランディングの大きな問題の1つは、新規ユーザーに誤ったメッセージを送りかねないことだ。新しいユーザーは、直感的にETH1が最初で、ETH2が後からくるものだと考える。

また、ETH2が現れるとETH1は存在しなくなると考えるユーザーが出てもおかしくない。しかし、ETH1.0も実行レイヤーとして必要不可欠なチェーンであり続けるため、「ETH2」という言葉を削除することでこういった紛らわしいメンタルモデルをなくしていくことを目的としている。

包括性(Inclusivity)

イーサリアムのロードマップが進化するにつれて、「イーサリアム2.0」という表現は不正確になった。そのため、言葉を正しく選ぶことで、イーサリアムの正しい内容が、可能な限り幅広く理解されることを目指す

スキャム防止(Scam prevention)

「ETH2」というトークンが存在しないにも関わらず、「ETH2」という名の偽トークン交換を持ちかけるなどして、ETHを騙し取るといった詐欺行為が確認されている。用語を更新することで、この手の詐欺を排除し、エコシステムをより安全なものにする狙いがある。

ステーキングの明確さ(Staking clarity)

一部のステーキングオペレーターは、ビーコンチェーンにステーキングされたETHを「ETH2」というティッカーで表現している。しかし、実際にETH2というトークンは存在しないため、ステーキングをした委任者達は混乱することになる。用語の更新によって、こういった問題も解決する。

ロードマップにおけるアップデート

今回の呼称変更に伴ったロードマップの変更はなし。現在のロードマップの機能(マージ、シャーディング)と将来の機能は引き続き同じ日程で実行される予定だ。

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