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仮想通貨下落を後押しか|2017年のビットコイン暴騰が価格操作であると研究者が指摘

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研究者が2017年のビットコイン暴騰は価格操作であると論文で指摘
仮想通貨の下げ相場が続く中で、ビットコインと仮想通貨に、6月13日、更に追い打ちをかけるような研究論文が、米国テキサス大学より発表されました。
Tetherとは
その性質上、仮想通貨売買における基軸通貨の一つとして扱われている。 米ドル(USD)や日本円(JPY)等の法定通貨と連動した価値を持っており、基本的に「1USDT≒1USD」の図式が崩れることはない。同額のUSDが担保されていない可能性も浮上している。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

「泣きっ面に蜂」とはまさにこの状況を描写するためにあるようです。

ビットコイン価格は2018年最低値目前となる70万円まで下落しています。

ビットコイン先物の価格操作疑惑やハッキングなど、多くのネガティブ要因に影響され、下げ相場が続くビットコインと仮想通貨に、6月13日、更に追い打ちをかけるような研究論文が、米国テキサス大学より発表されました。

価格操作に関する論文

「ビットコインは本当に繋がれていないのか」(原題 ”Is Bitcoin Really Un-Thethered”)と題した論文で、テキサス大学金融学教授のJohn Griffin氏と同大学院Amin Shams氏によって執筆されました。

米ドルと連動した仮想通貨テザー(Tether =USDT)の元来の意味である「(鎖や綱などで)つなぐ」を掛けた表現で、昨年12月のビットコインや他の仮想通貨の価格急騰にテザーが影響を及ぼしたかどうかを検証するという内容を巧みに言い表しています。

66ページにわたる論文の要約で、次のように説明しています。

「アルゴリズムを使い、ブロックチェーン上の取引記録を分析したところ、市場が低迷しているタイミングで、テザーによるビットコイン購入を合わせたことにより、ビットコイン価格の大幅な上昇を招く結果になったということが判明した。 ビットコインにおいては50%、上位仮想通貨では64%の、急激な価格上昇が関連づけられる。」

「このようなパターンは、投資家からの需要の表れとしては、説明がつかず、テザーが価格を下支えし、仮想通貨価格を操作するために使用されている、という、供給に基づく仮説により、最も整合性を持って説明できる。」

USDTの疑惑続く

昨年末のビットコインと仮想通貨の驚異的な急騰とその後の下落の要因については、数多くの議論がなされていますが、下落の原因の一つに、USDT・テザー疑惑があることは、仮想通貨業界の多くが認めるところです。

Tether社と Bitfinex社は、昨年12月にアメリカの規制当局、米国商品先物取引委員会(CFTC)より、テザー(USTD)の米ドルによる裏付けに関連して情報提供の要請を受けていますが、 その後も、監査法人との関係解消が報道されたり、匿名の価格操作の疑いに関するレポートが発表されるなど、不透明な部分が大きいのが現状です。

なお、今までのところ、不正行為の告発はなされていません。

Bitfinex社CEOのJan Ludovicus van der Velde氏は、6月13日、声明の中で次のように述べています。

「BitfinexとTetherのいずれも、いかなる市場、相場操作に関わっていないし、これまでにも関わったことはない。 テザーの発行が ビットコインやBitfinexに上場している他の仮想通貨の価格を下支えするために使われることはない。」

今回発表された論文には、Bitfinex社による価格操作の証拠となるEメールや文書が含まれているわけではなく、単に、一般公開されているブロックチェーン上の取引記録のパターン分析と仮説により、価格操作との関連付けを行っています。

著者によると、特に2017年3月から1年間のテザーによる87のビットコイン大量購入に焦点を当て分析したところ、データが示した最も注目すべき傾向は、500ドル単位で表示される特定の価格域で取引されているということでした。

「テザーによるビットコイン購入は、500の倍数の少し下あたりで大幅に上昇していた。 このパターンは、テザー発行の時期のみに見られ、他の取引所では、観察されなかった。」

この傾向は投資家にとっては、買いシグナルとなる「価格の底」であるという印象を与えます。

「もし、無作為な行動であれば、閾値付近に集中することはなく、これは価格を支えるための恣意的な戦略を意味していると考えられる。」

Griffin氏は、インタビューの中でこのように答えていますが、論文は、結論として次のように結んでいます。

「我々の研究結果は、仮想通貨市場が、正当な価値の保存のため、また、公平な金融取引のための信頼性の高い仲介者であるために、適切な規制の枠組みの中で、市場を監視することが必要であることを示唆している。これらの市場の理解を深めるためには、さらなる研究が必要である。」

ビットコインをはじめ、仮想通貨は、まだその黎明期にあり、一般に広く受け入れられるまでの長い道程の中で、これからも、さらに多くの問題に遭遇することが予想されます。

しかし、逆境こそ、改善のための機会と捉え、健全な発展を遂げるために、仮想通貨コミュニティには、更なる研究と開発を続けて行って欲しいと切望します。

 同時に、規制当局からの、その特性を理解した、バランスの取れた規制環境の整備が待たれるところです。

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