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XRP(リップル)を「有価証券」ではないとする3つの理由

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

XRP(リップル)が有価証券ではない3つの理由
先日、アメリカ証券取引委員会(SEC)によって、ビットコインやイーサリアムが「有価証券には該当しない」と発表された。そんな中、Ethereum World Newsでは、XRPが証券に該当しない3つの理由について記述された。
有価証券とは

株式・債券・手形・小切手などを指す。 有価証券はそれ自体に財産的価値を有する。

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XRPを有価証券でないとする理由

先日6月14日に、Yahoo Financeによって開催されたAll Markets Summitにて、アメリカ証券取引委員会(以下、SEC)の企業金融部門の代表を務めるWilliam Hinman氏は、主にその非中央集権的側面からイーサリアム(ETH)が証券でないと発表し、注目を集めました。

さらに、6月6日にはSECの代表を務めるJay Clayton氏も、古くから使用されてきた”証券”の定義を変えるつもりはないと主張する一方で、ビットコインは、通貨を代替する可能性を持つことから、証券には当てはまらないと語りました。

このように、仮想通貨業界の時価総額において1位、2位を誇るビットコイン、イーサリアムが続けて、”非証券認定”を受けたことから、時価総額第3位のXRPが証券になるのか否かについても、コミュニティ内で活発に議論されています。

そんな中、「Ethereum World News」で、リップル(XRP)が証券でない3つの理由について言及されました。

理由1:リップル社は仮想通貨XRPを発行していない

オバマ政権下で商品先物取引委員会(CFTC)の代表を務め、現在MITにてブロックチェーン技術の研究を行うGary Gensler氏は、リップル社が未だ大半のXRPトークンを所持しており、同社がその価値の創造の大半を担っていることからも、XRPが証券と見なされるのは避けられないのではないかと考えを述べました。

これに対し、リップル社の広報担当を務めるTom Channick氏は、以下のように主張しています。

XRP保有者に対し利子や利害関係や配当の支払いはなく、「仮想通貨XRP」は、リップル社の設立以前から存在するなど、独立している。

リップル社のCEOであるBrad Garlinghouse氏もこれに同調。以下のように述べました。

XRPが証券でないのは明白だ。

仮想通貨XRPは独立して存在しており、仮に明日会社を畳んだとしても、変わらずXRPは存在し続けていくだろう。

リップル社で暗号化責任者を務めるDavid Schwartz氏も、「XRPはあくまでもリップル社に贈与されたものであり、リップル社が発行したものではない。」と言及しています。

理由2:連邦準備制度理事会の過去の発言

証券取引委員会(SEC)の法律および規制に関するいくつかの専門家は、「既存の枠組みが、XRPを規制するためのガイドラインを提示できない」と主張しています。

以前、連邦準備制度理事会(以下、The Fed)の代表を務めたJanet Yellen氏(以下、Yallen氏)も、2017年12月に仮想通貨について投機、規制、政府発行通貨の3つの側面から言及しました。

The Fedは、あくまでも、現時点で監視下にあるような金融機関においてのみ干渉することができる一方で、仮想通貨を規制する権限はないことについて、以下のように主張しています。

「The Fedは、すでに監視している金融機関が市場参加者と適切な関係を築き、銀行秘密法やアンチ資金洗浄を遵守していることを保証すること以外に、ビットコインに関係する規制の役割を担うことはないと考えている。」

よって、Yallen氏が語るようにXRPのような仮想通貨の規制を行うことができる枠組み、権限がないとされています。

理由3:FinCENによるXRPの定義

1990年4月に資金洗浄の検知を目的として財務省によって設立された法執行機関「The Financial Crimes Enforcement Network(以下、FinCEN)」は、2015年にすでにリップル社のXRPを使用した活動を認めています。

FinCENは、米国財務省の一部である金融犯罪執行ネットワークです。

その際にリップル社は、FinCEによって定義されたマネーに関するビジネス(Money Services Business、MSB)に該当するため、以前までの活動が銀行秘密法および、アンチ資金洗浄を遵守していなかったとして、総計70万ドル(約7700万円)の罰金を命じました。

さらに、その合意事実記載書には、「”XRP”として知られるリップルネットワークの通貨」と記載されており、MSBの定義にも通貨取引業、交換業を営む企業という名目が含まれていることから、XRPが通貨として認知されていた事実が伺えます。

有価証券認定された場合の影響

このような反論が寄せられた背景には、現行の米金融商品取引法でこれらが有価証券として認められた場合、投資家が利用しているアメリカの取引所では、対象通貨の取り扱いができなくなるという問題が存在しています。

取引所が有価証券の取り扱いを出来るようにするためには、別途「SECの認可登録」を受ける必要があるのです。

そして、現時点でアメリカ国内では認可を受けている仮想通貨取引所は存在しません。

米金融商品取引法でXRPが有価証券として認められた場合、ほとんどの仮想通貨取引所は、規定により証券を取り扱うことができないため、流動性が著しく損なわれ、価格急落を招きかねないと予想されています。

したがって、投資家にとって「現時点での証券認定」は、避けたい状況であると言えるでしょう。

リップル社の役員が語るように、仮想通貨XRPは独立した仮想通貨であり、以前にも、FinCEのような政府公認機関によって「通貨である」と認められていることから、SECが証券であると認定する可能性は低いと考えられていますが、議論の余地は十分残っており、予断を許さない状況だと言えます。

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