はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ブロックチェーン分析企業Elliptic、ロシア制裁対象者らの仮想通貨ウォレット特定へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ロシアの制裁回避を監視へ

ブロックチェーン分析企業のElliptic社は14日、制裁回避手段としての暗号資産(仮想通貨)利用に関する声明を発表した。ロシアの制裁逃れを警戒して、対策と分析を強化する姿勢を示した。

Elliptic社のSimone Maini CEOはロシアのウクライナ侵攻は仮想通貨が良くも悪くも力強い技術であることを示しているとコメント。ウクライナ政府が仮想通貨寄付の受付開始を2月末に表明してからすでに5,000万ドル(64億円)相当の支援を募った点や、ロシア市民がルーブルの急落を受け、仮想通貨取引量が急増した点は前向きな例として言及した。

関連:ルーブル建てのビットコイン取引量急増、小規模のウクライナ・プレミアムも発生

一方で、過去にはロシア政府の後援を受ける勢力が仮想通貨を利用した資金調達を実施した経緯があると指摘。ロシア政府が仮想通貨やマイニングを利用した政府公認のサイバー犯罪を実施するリスクは現存すると述べた。

過去にはイランや北朝鮮が経済制裁の影響を削減する手段として仮想通貨を利用した実績もあるため、ロシアの制裁逃れを防止するためにデータ収集や分析・調査体制を強化する方針を明らかにした。

  • ルーブル建の仮想通貨取引を提供する400超の仮想通貨サービスプロバイダ(VASP)を特定
  • 犯罪利用に用いたロシア関連の1500万の仮想通貨アドレスを特定
  • ロシアの制裁対象者に関連する数百の仮想通貨アドレスの特定に成功

また、政府機関などと連携して、SDN(経済制裁措置対象者)に含まれているロシア政府の官僚やオリガルヒの仮想通貨ウォレットも現在調査中であると説明。ウクライナ侵攻を決断した政府機関やその他の団体に協力する人物の制裁回避を全力で阻止していく姿勢を強調した。

仮想通貨利用の制裁回避に対する懸念

ロシアのウクライナ侵攻を受け、米国やEU(欧州連合)主要国は相次いでロシアに対する経済制裁を発令。国際送金ネットワークのSWIFTから露銀行を排除するなど、国際経済からの疎外を図る施策を強めている。

このような中、米国政府内でもロシアの仮想通貨を利用した制裁回避を懸念する声もある。民主党のエリザベス・ウォーレン議員はジャネット・イエレン財務長官にロシアの仮想通貨利用を追跡する手段が十分か開示を求める書簡を提出。

ロシアの仮想通貨利用を阻止する法案も起草しており、懸念を示している。同議員は仮想通貨反対派として定評がある一面もある。

関連: 米議員、対ロシア制裁の仮想通貨法案を提出へ

また、欧州でも欧州中央銀行(ECB)のクリスティーヌ・ラガルド総裁がロシアの仮想通貨利用リスクを警戒した。

関連: 米議員、対ロシア制裁の仮想通貨法案を提出へ

このような警戒が強まる背景には、北朝鮮やロシアが仮想通貨を利用した犯罪を行なってきた経歴などがある。また、ロシアがウクライナへの「特別軍事作戦」を表明した2月24日前後から両国の法定通貨建のビットコイン(BTC)取引量が急増した。

出典:CoinShares

ウクライナ政府は主要な仮想通貨取引所に全ロシア人ユーザーの口座凍結を要求。ただ、バイナンスやクラーケンなどはサービス停止は制裁対象者に留める方針を示した。

コインベースのブライアン・アームストロングCEOは仮想通貨を利用した大規模な資産移動はブロックチェーン上に取引履歴が残るため、「現金やアート、金など他の資産より追跡しやすい」と述べた。

反対派とは対照的に、一部の政府関係者もこのような見解を示している。

米連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ長官は国際社会は「仮想通貨を利用して制裁を回避するロシアの能力は過大評価されている」と指摘。FBIや国際機関は仮想通貨犯罪を追跡・阻止する能力と戦略、そして専門知識を有していると公聴会で発言した。

関連:米FBI長官「ロシアの仮想通貨を利用した制裁回避の可能性は低い」

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/17 水曜日
14:58
パンプ・ファンとソラナへの55億ドル訴訟、5000件の内部チャット提出へ
パンプ・ファンとソラナを相手取った集団訴訟で、裁判所が第二次修正訴状を許可。内部告発者から入手した5000件のチャット記録を新証拠として提出へ。40億~55億ドルの不正搾取疑惑でRICO法違反を主張。
13:45
ロシア下院委員長が仮想通貨の国内決済利用を否定、投資手段に限定
ロシア下院金融市場委員会のアクサコフ委員長が仮想通貨の国内決済利用を否定し、投資手段としてのみ認めると表明した。
11:50
JPYC EX、累計口座開設1万件・発行額5億円を突破
JPYC株式会社は、日本円建てステーブルコイン「JPYC」の発行・償還プラットフォーム「JPYC EX」において、累計口座開設数1万件、累計発行額5億円を突破したと発表。10月のリリースから約2か月での達成となった。
11:45
「ビットコインは最高値更新へ」Bitwise、2026年の3つの予測を公開
Bitwiseは仮想通貨投資家にとって特に重要な2026年の3つの予測を公開。その1つとしてビットコインは最高値を更新すると予測し、根拠を説明している。
11:40
セキュリタイズが来年トークン化株式取引開始、24時間オンチェーン取引を実現
証券トークン化プラットフォームのセキュリタイズが2026年第1四半期にトークン化された上場株式の取引を開始する。合成商品ではなく実際の規制された株式をオンチェーンで発行・取引し、24時間365日の流動性を提供へ。
09:45
ソラナに大規模なDDoS攻撃、ネットワークは現時点で影響受けず
仮想通貨ソラナが過去最大級の6TbpsのDDoS攻撃を受けたが、現在トランザクション処理は正常に稼働している。市場の下落を受けビットワイズのソラナETFは初の純流出を記録した。
09:40
マーシャル諸島、ステラでベーシックインカム支給
マーシャル諸島共和国がブロックチェーンを利用した世界初のベーシックインカムのオンチェーン支給を完了した。ステラーブロックチェーン上の主権債USDM1を使い、四半期ごとの現金配送をデジタル送金に置き換えた。
09:00
ビットコイン、2026年に過去最高値更新は可能か=グレースケールの最新予測
グレースケールは最新レポートで、ビットコイン価格の30%下落について歴史的には平均的な調整範囲内で、強気相場中の典型的な変動に過ぎないとの見解を示した。また、2026年には最高値を更新する可能性があると主張している。
08:51
金融庁、ステーブルコイン・暗号資産の「仲介業」を規制対象に パブコメ募集
金融庁は12月16日、ステーブルコインや暗号資産の「サービス仲介業」を新たに規制対象とする政令・内閣府令案を公表し、パブリックコメントの募集を開始した。取引所以外も監督下に置く方針だ。
08:40
ウォーレン米議員がDEXの安全保障リスクを警告、パンケーキスワップを名指し
米国のウォーレン上院議員が分散型取引所パンケーキスワップの国家安全保障リスクについて財務長官と司法長官に書簡を送った。北朝鮮による資金洗浄とトランプ関連ステーブルコインとの関係を指摘。
08:05
ビットコイン保有企業カインドリーMD、株価低迷でナスダック上場廃止リスク
医療・ビットコイン保有企業のカインドリーMDがナスダックから上場廃止警告を受けた。株価が30営業日連続で1ドルを下回り、2026年6月8日までに基準への適合回復が求められている。
07:10
Visa、米国でステーブルコインUSDCによる機関向け決済を開始
Visaは、米ドルステーブルコインUSDCでの機関向け決済を米国で開始したことを発表。銀行の初期の参加者が仮想通貨ソラナのブロックチェーン上でUSDCを使った決済を開始したと説明した。
06:35
米国XRP現物ETFの累計流入額、開始1ヶ月で10億ドルの大台突破
米国のXRP現物上場投資信託の累計資金流入額が月曜日に10億ドルを突破した。11月13日の取引開始以降の節目となり、アルトコイン系ETFへの機関投資家の関心の高まりを示している。
06:02
米FDICがステーブルコイン発行規則案を承認、銀行子会社の申請手続きを整備
米連邦預金保険公社が銀行によるステーブルコイン発行の規則案を承認した。今夏成立したジーニアス法に基づき金融機関が子会社を通じて決済用ステーブルコインを発行する申請プロセスを定める。
05:45
ロシア最大手銀スベルバンク、分散型金融商品をテスト
ロシア最大の銀行スベルバンクが分散型金融商品のテストを開始した。顧客の仮想通貨取引への関心増加に対応し、5月にはビットコイン仕組債の発行も開始している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧