はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

北朝鮮IT技術者、国籍偽りリモートワーク応募か 米FBIらが雇用リスクを警告

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

北朝鮮政府の兵器開発資金に

米国国務省、財務省と連邦捜査局(FBI)は16日、北朝鮮出身のIT技術者を「不用意に」雇用してしまうリスクについて注意を喚起する共同声明を発表した。

声明によると、北朝鮮は「米国と国連の経済制裁を潜り抜け、大量破壊兵器や弾道ミサイル計画のための収入を得るため、高度な技術を持つIT労働者数千人を世界中に派遣」している。

米政府機関は、このような北朝鮮のIT技術者の雇用及びその活動支援は、「知的財産やデータ、資金の盗難をはじめ、評判の悪化、米国および国連当局による制裁を含む法的影響」など、多くのリスクをもたらすと警告している。

身元を偽る

声明によると、北朝鮮のIT技術者は、ソフトウェアやモバイルアプリの開発など、特定のITスキルに対する需要を利用し、北米、欧州、東アジアを含む世界中のクライアントからフリーランスの契約を獲得しているが、多くの場合、米国もしくは北朝鮮以外の国のリモートワーカーと身元を偽ることで、雇用契約を結んでいる。

さらに北朝鮮出身者以外に仕事の下請けをさせることで、身元やその所在地を曖昧にする場合もあるという。

技術者たちは通常、不正なサイバー活動とは異なるIT関連業務に従事している一方、雇用契約を通して得た「特権的アクセス」を悪用し、北朝鮮によるサイバー侵入が可能になる状況を生み出しているようだ。

仮想通貨領域でも

北朝鮮技術者は、難易度の異なる幅広いIT開発業務に従事し、その分野も多岐にわたっているが、特筆すべき分野として暗号資産(仮想通貨)領域が取り上げられている。技術者らは「しばしば仮想通貨に関わるプロジェクトを担当」。仮想通貨取引所の設計からトレーダー向けの分析ツールやアプリの作成、さらに自らの製品を販売したりする人材もあるという。

北朝鮮では長年に渡り、数学と科学教育に力を入れてきた歴史がある。金正恩体制下では IT関連科目の教育と訓練に重点を置き、トップ教育機関でのITプログラムは政府や軍と連携した統合カリキュラムが組まれ、エリートを育成しているようだ。

活動の方法と疑問視するポイント

北朝鮮IT技術者は多くの場合、韓国人や中国人、日本人または東欧人を自称。仮想プライベートネットワーク(VPN)や仮装専用サーバ(VPS)、第三国のIPアドレス、プロキシアカウント、偽造または盗難された身分証明書を使用して、米国または北朝鮮以外を拠点とするリモートワーカーを装うという。

北朝鮮のIT技術者を示す注意信号としては、以下のような点が挙げられた。

  • 短期間に多様なPアドレスから1つのアカウントに複数回ログイン
  • 特に中国ベースの銀行口座への頻繁な送金
  • 仮想通貨による支払いの要求
  • プロフィールや名前の綴り、国籍や連絡先、学歴などの詳細の不一致
  • 適時に(リアルタイムで)連絡が取れない

共同声明は、民間企業に北朝鮮の技術者の活動に関する詳細な情報を提供し、技術者やその活動を特定するポイントや、デューデリジェンス対策の指針となることを目的としている。

米政府の対応

米国政府は北朝鮮のサイバー攻撃の脅威を真剣に受け止め、対応策に力を入れているようだ。たとえば、国務省の情報提供プログラムでは、北朝鮮のサイバー活動に関する情報提供者に最高6,450万円(500万ドル)の報奨金が支払われるという。

FBIを含む米国政府三機関は4月、2020年以降、ラザルス・グループやAPT38、ブルーノロフなど北朝鮮関係が疑われるハッカー集団がAPT攻撃を行なっていると指摘。仮想通貨企業に注意喚起を呼びかけ、対策の徹底を求めている。

関連:米政府、仮想通貨企業を対象とした北朝鮮のサイバー攻撃を注意喚起

財務省は、北朝鮮ハッカー集団「ラザルス」の仮想通貨アドレス3つを制裁対象に追加。ラザルスは3月23日に発生した、NFTゲームAxie Infinity(アクシーインフィニティ)からの760億円規模の資金流出の背後にいたとされている。

関連:米財務省、北朝鮮ハッカー集団の仮想通貨アドレス3つを制裁対象に追加

北朝鮮関連では司法も厳しい対応を見せた。ニューヨーク連邦地方裁判所は4月、北朝鮮に仮想通貨技術を供与し、米国の制裁法に違反したとして、元イーサリアム財団研究員のヴァージル・グリフィス被告に、63カ月の禁錮刑と約1,300万円(10万ドル)の罰金を下した。

関連:元イーサリアム開発者に5年超の実刑判決、北朝鮮に仮想通貨技術を供与

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/06 土曜日
13:46
仮想通貨市場構造を定める「クラリティ法案」を遅滞させる3つの争点とは? 専門家見解
仮想通貨に詳しい弁護士が、ビットコインなどについて米国の規制を明確化する「クラリティ法案」の年内進捗は期待薄だと見解。3つの争点が議論のハードルだと指摘する、
11:15
メタマスク、予測市場取引機能を導入 ポリマーケットと連携しウォレット内で完結
メタマスクが12月4日、トラストウォレットが12月2日に予測市場機能を相次いで発表した。ユーザーは自己管理型ウォレット内で実世界のイベント結果を予測し仮想通貨で取引できるようになる。
10:45
SBI VCトレードとサッポロビール、黒ラベルTHE BARリニューアル記念でNFT配布キャンペーン開始
仮想通貨取引所SBI VCトレードとサッポロビールがWeb3技術を活用した実証実験を12月5日に開始した。黒ラベルTHE BARのリニューアルを記念し、応募者全員にNFTを配布。保有者は店舗で特別なビール体験が受けられる。
10:10
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」、5週連続で資金流出 4200億円規模に
ブラックロックの仮想通貨ビットコイン現物ETF「IBIT」から5週連続で約4200億円が流出した。上場以来最長の流出超過を記録。同社の事業開発ディレクターは「正常な動き」と述べた。
09:30
米SEC、仮想通貨プライバシー円卓会議を来週開催 ジーキャッシュ創設者も参加
米証券取引委員会が金融監視とプライバシーをテーマにした円卓会議を12月15日に開催予定。ジーキャッシュ創設者ゾーコ・ウィルコックス氏を含む専門家がパネリストとして参加し、仮想通貨の匿名技術と監視措置について議論を行う。
08:35
トム・リーのビットマイン、今週約9.8万ETHを追加購入 総保有額1.8兆円相当
ビットマインは今週もETHの押し目買いを実施し9万7650イーサリアムを追加購入した。アーカムのデータによると、同社の総保有額は1.8兆円に達しETH総供給量の3.16%を占めている。
08:00
KLab、ビットコインと金を組み合わせた財務戦略を発表
KLabは、仮想通貨ビットコインと金を財務資産に組み込むデュアル・ゴールド・トレジャリー戦略を実施すると発表。同日発表した資金調達で得る約51億円のうち36億円を充当する。
07:35
ウィズダムツリー、欧州初の完全ステーキング型イーサリアムETPを上場
ウィズダムツリーが4日、Lidoプロトコル経由でミントされたstETHのみを保有する欧州初の完全ステーキング型イーサリアムETPを上場した。運用資産約5000万ドルでドイツ、スイス、フランス、オランダの取引所で取引が開始された。
06:30
ビットコイン保有企業の指数除外方針に反対、ストライブ社がMSCIに書簡
米ナスダック上場企業ストライブがMSCIに対し、ビットコイン保有企業を株式指数から除外する提案に反対する書簡を送付した。同社は7500BTC以上を保有する企業として、50%基準は不公平で実行不可能だと主張。
05:55
仮想通貨評価損不計上でフィスコとクシムに課徴金勧告 金融庁監視委が虚偽報告を指摘
証券取引等監視委員会が5日、フィスコとクシムに対し、仮想通貨の評価損を適切に計上せず有価証券報告書に虚偽記載を行ったとして、それぞれ1500万円と1200万円の課徴金納付を勧告した。
12/05 金曜日
19:26
テザー投資家が英政党に史上最高額寄付 改革党に18億円相当
ステーブルコイン発行会社テザーの投資家クリストファー・ハーボーン氏が英国改革党に900万ポンド(約18億円)を寄付し、存命個人からの政党寄付として史上最高額を記録。米国でもトランプ大統領が選挙期間中に仮想通貨業界から2600万ドル超を集めるなど、仮想通貨資金が英米両国の政治に影響力を持ち始めている。
18:40
Cloudflare障害でコインベースなど取引所が一時アクセス不能 11月に続き再発
12月5日夕方、Cloudflareの障害により、コインベースやクラーケンなど複数の仮想通貨取引所とDeFiプロトコルのユーザーインターフェースが一時的にアクセス不能に。11月18日に続く障害で、インフラ依存のリスクが再び浮き彫りとなった。
17:24
米上場AlphaTON Capital、約630億円調達へ TONトークン取得とAI投資
ナスダック上場のデジタル資産運用企業AlphaTON Capitalが、米SECに4億2069万ドル(約630億円)の資金調達枠を申請。TONトークンの追加取得とテレグラムのCocoon AIネットワークへの投資を計画。TONエコシステムへの機関投資加速が見込まれる。
14:30
チェーンリンク現物ETF、初日に64億円の流入で好調 ソラナETFからは最大流出
仮想通貨チェーンリンク現物ETFの取引初日に64億円が流入し好調な滑り出しとなった。一方ソラナ現物ETFからは過去最大の資金流出があった。
14:00
国際通貨基金(IMF)、ステーブルコインの規制断片化に警鐘 
国際通貨基金が今週、ステーブルコイン市場の評価報告書を公開し、各国の規制枠組みの断片化が金融安定性を脅かし監視を弱体化させ、国境を越えた決済の発展を遅らせていると警告した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧