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知られざるセルシウスの内情とは、Arkhamの報告書

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

企業資産の管理を委託か

米暗号資産(仮想通貨)分析会社Arkham Intelligence(以下、Arkham)は8日、仮想通貨融資プラットフォーム「Celsius Network」(セルシウスネットワーク)の活動に関する包括的な調査報告書を発表。分散型金融(DeFi)の伝説的投資家が、アセットマネージャーとして多額の企業資産の管理を任され、損失を出したことがわかった。

報告書によると、セルシウスは720億円(5億3,000万ドル)相当の企業資金を「高リスクなレバレッジをかけた取引戦略に従事する」アセットマネージャーに預けたが、資本を返却する際には、結果的に3億5,000万ドルの損失が発生していたという。

Arkham社は、DeFiで成功を収めたクジラとして知られるTwitterアカウント「0xb1」がこのアセットマネージャーであり、セルシウスに買収されたKeyFiの共同創設者Jayson Stone氏であることを明らかにした。

Arkham社は0xB1のウォレットの活動を分析し、2020年後半にはセルシウスの全運用資産の10%超を保有していたと見ている。0xb1は一部の資金をCompoundで運営していたが、イーサリアムの価格の下落で、合計6万1,000ドルのポジションが清算されることになったようだ。

0xB1は、2020年9月から2021年9月の間に、合計11億4000万ドルの資金の大部分をセルシウスに返却し、113%のリターンを達成している。一方、Arkham社はこの時期のビットコインやイーサリアムの大幅な価格上昇を考慮すると、セルシウスが0xB1に管理を任せずに保有していた場合は、その価値が14億9000万ドルになっていたと主張した。

KeyFiは現在、セルシウスがリスクヘッジを怠り、サービスの対価を支払わなかったとして米ニューヨーク州最高裁判所に提訴している。

関連:元従業員がセルシウスを提訴、「ポンジスキーム」と主張

トークン購入と売却

報告書は、すでに数十億ドル相当のCELを保有していたにもかかわらず、セルシウスは3億5000万ドル以上のセルシウスのネイティブトークンCELを、取引所から購入したと指摘。セルシウスのCEOであるAlex Mashinsky氏は自身がCELを購入していると公表し、保有量を増やしている印象を与えていたようだ。

一方、Arkham社は、Mashinsky氏に属すると見られる8つのイーサリアムアドレスを特定し分析した結果、分散型取引所で定期的に大量のCEL(セルシウスのネイティブトークン)が売却されていたと指摘している。

同氏は昨年10月に、CELを「HODLする(保有し続ける)ことが得策だ」とツイートする一方で、その9時間後には、同氏が所有すると見られるウォレットが、1万2,000CELをAirswapで6万9,000USDCに売却したという。

また、Mashinsky氏は同年12月に「セルシウスネットワークの創設者は全員CELの購入を行っており、トークンを売却していない」とツイートしていたが、その5日前には同氏のアドレスと見られるウォレットが、1万1,000CELをAirswapで4万3,000ドル相当のWBTCに売却していたと、報告書は指摘している。

2021年6月9日からの6ヶ月間で、Mashinsky氏のものと見られるウォレットからは、1,600万ドルに相当する280万CELが売却されたようだ。

三つのプロトコルにロックされた資金

Arkham社は、セルシウスの資金は、DeFiの三大融資プロトコル、Aave、Compound、MakerDAOの総預け入れ額(TVL)の9%を占めていると指摘している。

厳しい財政状況の中、顧客の出勤停止措置を続けているセルシウスだが、5日までに160億円相当の「DAI」をMakerに返済し、さらに55億円相当のDAIを追加返済したことがわかった。

関連:セルシウス、55億円相当のDAIをMakerにさらに返済

最終的に1週間弱で、セルシウスはMakerに対する合計2億2,300万ドルの債務を全て返済完了し、WBTC建で4億5000万ドル相当の担保を取り戻した。

Makerに次ぎ、セルシウスはAaveとCompoundへの返済も開始しているようだ。DeFiデータZapperによると、セルシウスに紐づけられたウォレットで8日、AaveとCompoundに対する債務が2億5800万ドルから2億3500万ドルに減っていることが明らかになった。

セルシウスが債務を完済した場合、負債の担保としてDeFiプロトコル上でロックされている約9億5000万ドルの資産を取り戻すことができるという。

同社は1日、「流動性や運営の安定に注力しており、情報を共有できるように努めている」と説明。「資産を守るため、利用できる選択肢を今も探っている」とした。現在、戦略的に債務の再構築を行なっている可能性があると見られる。

関連:セルシウスに3つの再建案、2016年ビットフィネクス救済案を応用

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