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フィットネスアプリSTEPN、第3のレルム『APE Realm』とは イーサリアムチェーンの新経済圏を解説

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「Move to Earn(動いて稼ぐ)」という画期的な仕組みで注目を集めるSTEPN(ステップン)が、2022年7月18日に第3のレルム『APEレルム』を実装しました。APEレルムの追加は、STEPNが掲げる「非クリプトユーザーをWeb3の世界に導く」という使命を大きく後押しすることが期待されます。

新たなレルムの追加は、新規参入を検討する方だけでなく、既存ユーザーやGMTホルダーにとっても影響の大きなアップデートです。

そこで本記事では、ローンチ直後で環境の変動しやすいAPEレルムに関する情報を整理します。

目次
  1. 第3のレルム『APE Realm』をローンチ
  2. マルチチェーン化によるメリット
  3. APE Realmが経済圏に与える影響
  4. 第3レルムのシンボル『BAYC(Bored Ape Yacht Club)』とは
  5. STEPNの将来性|独自DEXがローンチ・第4のレルムも募集中
  6. 『APE Realm』ローンチは転換点となるか

1. STEPN 第3のレルム『APE Realm』をローンチ

初めに、第3のレルム『APE Realm』についての概要をご紹介します。

1-1. 「レルム」は領域や王国を意味する言葉

そもそも「レルム」とは、英語で「領域」「王国」といった意味を持つ言葉で、STEPNにおいてはゲーム内に存在する独立した経済圏のことを指します。同じく頻出する単語の「チェーン」はレルムの基盤となる技術のことを指し、厳密にはレルムと区別されている点には注意しましょう。

第3レルム実装前の時点で、STEPNにはソラナチェーンを基盤にするレルム(第1レルム)とBNBチェーンを基盤にするレルム(第2レルム)の2つがあります。レルムの本来の意味になぞらえ、SOLのレルムは「S国」、BNBのレルムは「B国」と呼ばれることも。

各レルムのゲーム内通貨「GST(Green Satoshi Token)」とNFTスニーカーは、各レルムが使用するチェーン上で発行されるため、他のレルムとは互換性がありません。ただし、STEPN全体の独自トークン「GMT(Green Metaverse Token)」は、全てのレルムで共通して使用されています。

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1-2. 第3のレルム「APE Realm」はイーサリアムチェーン基盤

2022年7月18日、そんなSTEPNの経済圏へ新たに追加されたのが、イーサリアムチェーン上に構築される第3のレルム「APE(エイプ)レルム」です。

「APE」という名前の由来は、サルのイラストをNFT化した高級コレクティブシリーズ「BAYC(Bored Ape Yacht Club)」。NFT市場の人気拡大に大きく貢献したNFTアートで、世界中のセレブリティや有名人が保有している事でも有名です。

そのため、APEレルムのスニーカー(APE靴)には、バナナをモチーフにしたデザインが施されています。

「ETHレルム」ではなくAPEレルムという名前にした理由には、ビジュアル的な変化をつけることで少なからずコレクティブルな価値を付加したいという思惑がありそうです。アシックス靴スキンや今後実装予定のパンダスキンは、よりその傾向が強いと言えます。BAYCホルダーには有名アスリートも多いため、将来的にアスリート向けのサービス展開するための布石にする狙いもあるかも知れません。

前回のアシックスコラボとは異なり、BAYCの運営「Yuga Labs」と契約を結んだ公式コラボではありませんが、新たな可能性を模索する興味深いアプローチと言えるでしょう。

1-3. APE Realmのエアドロップへの参加条件

参考までに、APEレルムで実行されたのエアドロップへの参加条件について整理しましょう。

参加条件 獲得できるもの
BYACの保有 OG APE SHOEBOXを無料でミントする権利を獲得
Genesisスニーカーの保有 OG APE SHOEBOXを貰える
靴5足の合成によって2段階アップ靴を獲得 APEシューボックスを貰える
BNBレルムのOGスニーカー保有者が当該靴を1回バーン OG APEシューボックスを1つ貰える
靴5足の合成 抽選で2,000名にOG APEシューボックスが配布
SNSの抽選会に参加 抽選で12名にCommonのAPEシューボックスが配布

条件は厳しく、誰でも参加できるものではありませんが、第2レルム実装時に行われた「ASICS」コラボのエアドロップと比較すると、規模を引き上げ対象者を増やした内容でした。

まずBAYCホルダーであれば、公式サイトからウォレットを接続し、Twitterで参加表明を行うことでOG APE SHOEBOXを無料ミントする権利を獲得できます。NFT業界に大きな影響力を持つBYACホルダーを通じてNFT市場へのリーチを広げ、STEPNの認知度向上を狙っているものと考えられます。

BAYCホルダーではないユーザーが参加する方法としては、Genesisスニーカー(SOLレルムで#1~#10,000までのナンバーの靴・BNBレルムでは#10,001~#20,000までのナンバーの靴)のホルダーの他、スニーカー5足をバーン(焼却)して基準を満たしたユーザーもエアドロップ対象に。

他にも、通常の靴バーンやTwitterやInstagramの抽選会への参加を通じてAPE靴の獲得も可能です。

開設時のエアドロップに参加できなかった場合は、第3レルムの実装後にシューズをマーケットプレイスで購入して参加することができます。

また、TwitterやInstagramの抽選会に関しては、レルムの開設後も継続して行われるとのこと。レルム開設時の抽選に参加できなかった方は、STEPNの公式SNSアカウントを確認して今後のアナウンスを待ちましょう。

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2. マルチチェーン化のメリット

STEPNは今後の方向性として、完全なクロスチェーンを実現するのではなく、各チェーンごとに独立した経済圏を構築していく方向性であることが明らかにしています。

そこで次に、マルチチェーン化の施策が経済圏に与える影響についてご紹介します。

2-1. 経済圏の多角化による安定

まず、マルチチェーン化することにより、経済圏全体の安定化が図れるでしょう。 それぞれのレルムを異なるチェーンを利用して構築することで、1つのゲーム内に複数の独立した経済圏が存在する状態になります。

この場合、各経済圏でユーザー確保が必要であり、新レルム実装のたびに投機過熱によるバブルや過度のインフレが起きるリスクを抱えるのがデメリットです。

運営はその点について前回の反省を活かし、第3レルムに備えた度重なるアップデートでさまざまなインフレ抑制策を導入して来ました。これにより、安定した価値をより長い期間提供できるように工夫しています。

一方で、1つのレルムで問題が発生しても別のレルムに影響が及びにくく、リスクを分散し、STEPN VERSE全体の経済圏を安定させられるメリットがあります。

2-2. イーサリアムチェーンを選んだ理由

続いて、STEPNが第3レルムに「イーサリアムチェーン」を選んだ理由について掘り下げていきましょう。

まず、イーサリアムチェーンはスマートコントラクトの普及に貢献する等、ビットコインと並んで仮想通貨市場全体の普及に極めて大きく貢献したネットワーク。過去に幾度の弱気相場を乗り越えてきたこともあり、大多数のチェーンよりもユーザー・開発者から信頼されています。

また、BAYCを含め膨大なNFTプロジェクトがイーサリアム上に構築されており、NFT領域において最もブランド力のあるチェーンと言えるでしょう。実際、2022年7月時点でイーサリアムチェーン上には約3000のdApps(分散型アプリ)がローンチされており、非常に多様かつ規模の大きいエコシステムを持っている点が特徴です。

STEPNは、歴史と信頼のあるイーサリアムチェーン上にレルムを構築することで、同ネットワークの膨大な既存プロジェクトと相乗効果が狙えるほか、多くのイーサリアムユーザーへSTEPN利用の機会を与えることになるでしょう。

2022年9月にはThe Merge(ザ・マージ)という大型アップデートを控え、PoS(プルーフ・オブ・ステーク)に移行することから、イーサリアム(ETH)チェーンには今まで以上に高い注目が集まることが想定されます。

関連:待望のPoSへ、イーサリアム大型アップグレード第一弾「The Merge」を詳細に解説

一方で、現状のイーサリアムチェーンは、トランザクション処理の混雑・ガス代の高騰に関して大きな課題を抱えていることで知られています。 しかしSTEPNに限っては、大多数の機能をオフチェーンで完結できるため、これらデメリットの影響が非常に限定的です。 デメリットの影響が少なく、メリットを全面的に享受できるという点は、STEPNがイーサリアムを選んだ理由の一つでしょう。

3. APE Realmが経済圏に与える影響

APEレルムが追加されることで、中長期的にエコシステム内に好影響が波及する効果も期待できます。

APEレルムへの注目はSTEPN全体の認知度を高め、既存のレルムが改めて注目を浴びる機会となります。GMTは全てのレルムで共通のため、APEレルムの活性化はGMTの価格上昇要因となり得るでしょう。

さらに、APEレルムを通じて得た収益は「既存の経済圏(旧レルム)に還元されることが公式によって明言されました。収益の一部を既存の第1・第2レルムにおけるスニーカーのバーン促進に使用し、NFTの希少性を引き上げる方法などが考えられます。

4. 第3レルムのシンボル『BAYC』とは

第3レルムのシンボルとなった高級NFTシリーズ『BAYC(Bored Ape Yacht Club)』について簡単にご紹介します。

BAYCは米国の「Yuga Labs」社が発行する、サルをモチーフにしたNFTアートで、2021年4月にイーサリアム上で10,000点のみ発行されました。BAYCのアートは「ジェネラティブ」と呼ばれ、パーツを自動で組み合わせて生成されています。

BAYCの最大の特徴は、NFTの保有がクローズドなDiscordのコミュニティへ参加する「会員権」としての役割を持つことでしょう。

BAYCのホルダーには、マドンナやエミネム、パリス・ヒルトンなど日本でも有名な世界のセレブリティや著名人が多数名を連ねています。BAYCは、彼らと同じコミュニティに所属するためのチケットであり、それゆえに高額で取引されてきました。

BAYCの価格は、発行当初は0.08ETH(発行時レートで約176米ドル)でしたが、有名人と同じコミュニティに属せるという付加価値から価格が急騰し、最も高額で取引されたものでは300万ドル(2022年7月時点のレートで約4億1700万円)にも上ります。

高額NFTコレクティブルシリーズの代表格として、NFT市場の普及をけん引してきたシリーズといえるでしょう。

こういったBAYCコミュニティをSTEPNVERSEに呼び込むことは、前述したような潜在的な売り圧力の低いユーザー層を増やすだけではありません。一般社会でも多大な影響力を持つBNAYCホルダーへの参加を促すことで、非クリプト層への知名度拡大が期待できる取り組みなのです。

5. STEPNの将来性|独自DEXがローンチ・第4のレルムも募集中

最後に、STEPNが現在直面する課題とそれに対する運営の対応、ひいてはサービス全体の将来性についてです。

本記事執筆時点(2022年7月)で、SOLやBSCのGST価格は厳しい相場が続いています。背景には仮想通貨市場全体の落ち込みと、中国本土でSTEPNが規制され、スニーカーが一斉に売りに出されたことで強い売り圧がかかった経緯もありました。

そのため、既存レルムでは収益性の面で魅力が下がり、新規流入が減るという悪循環に陥りました。

トークンやスニーカーの価格を上昇させるためには、安定した新規流入数増加のほか、靴やトークンの希少性を高め、需要と供給のバランスを逆転させることが不可欠だと思われます。

STEPN運営は、リセットされた第3レルム展開によって新規の流入増加を狙いつつ、全体エコシステムの需要と供給の逆転を狙っていることが考えられます。

靴の希少性と買い圧力を高めることが出来れば、再びミント利益が出るようになり、ユーザーにとっては靴をmint(ミント)をするインセンティブが高まります。ミントはGSTやGMTなどトークンを大量消費するので、トークンの価格上昇にも追い風となるでしょう。

M2EゲームSTEPN、ゲーム内経済の改善プランを公開
「Move to Earn」分散型ゲームアプリSTEPN(ステップン)は、ゲーム内経済が直面している課題解決に向けて4つのアクションプランを発表した。ソラナ、BNBチェーンに次いで第3のチェーン展開を控える中で、安定化のためのルール作りに取り組みたい。

またSTEPNは経済圏を多角化して安定させるため、NFTの購入以外の収益源や外貨獲得を増やす施策にも力を入れています。

例えば、2022年6月には独自DEX(分散型取引所)の『DOOAR』をローンチし、トランザクションの手数料として十分な収益を得る仕組みを構築する取り組みの真っ最中。

手数料からの収益を用いてGMTや靴のバーンを行えれば、新規ユーザーの流入が滞り、トークンやNFTの取引が減っても安定して経済圏を回せるようになり、経済の安定化に大きく貢献します。

「STEPN」のDEX、ソラナ上で利用者数1位に
「Move to Earn」NFTゲームSTEPNが展開する独自DEXのデイリーユーザー数が約77,000人に達した。ソラナを基盤とするDEXとしては、最大(第1位)の日間利用者数となる。

また、外貨獲得の試みとしては、暗号資産を用いて米ドルなど法定通貨での支払いができる決済プラットフォーム『Alchemy Pay(アルケミーペイ)』と提携してGMT決済を可能にしたほか、ユーザーの歩行データを利用した広告等によるマネタイズも検討されています。

BNBチェーンのレルムではバブルを起こし、外的要因も相まってトークン価格の急落も経験したSTEPNですが、ローンチ初期から掲げられてきた信念や、エコシステムの基盤は揺らいでいません。

すでに「第4のレルム」も募集開始しており、今後さらに多くのレルムが実装されていく予定です。

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6. 『APE Realm』ローンチはSTEPN経済圏の転換点となるか

本記事では、STEPNに新たに実装された第3のレルム『APE Realm』について公開されている情報をまとめました。

画期的な魅力で非クリプトユーザーをWeb3の世界に導き、投機対象ではなくコミュニティとして定着させるという考えをローンチ初期から貫いているSTEPN。

APEレルムの追加によって、今後STEPNの経済圏を好転させることが出来るのか注目が集まっています。

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