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ゴールドマン・サックスが12年ぶりに新CEOの誕生へ|仮想通貨事業に好意的な発言も

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世界的金融機関のトップ交代
ゴールドマンサックスを牽引してきたLloyd Blankfein氏の後任となるDavid Solomon氏は、仮想通貨に対して肯定的な発言を示すなど、新しい資産クラスに対する可能性を示唆している。

ゴールドマン・サックスの後継者

仮想通貨に対し、未だ懐疑的な意見も根強いウォール・ストリートにあって、いち早くビットコイントレードデスクを開設し、今年5月に「ビットコイン先物取引」の開始を宣言した米金融大手ゴールドマン・サックス。

その決定を指揮したのが、7月17日に9月末での退任を発表した最高経営責任者(CEO)のLloyd Blankfein氏です。

後任には、投資銀行部門を率いてきた最高執行責任者(COO)のDavid Solomon氏が指名されています。

ウォール・ストリートの重鎮の一人で、2008年の金融危機で赤字に陥った同社の立て直しの指揮を執ったBlankfein氏は、「個人的にはビットコインを好んでおらず、所有するつもりもない」と発言。仮想通貨が持つ可能性を否定することはありませんでした。

同じく2008年の金融危機を乗り越え、経営の先頭に立ち続けているJPモルガンCEOのJamie Dimon氏が、ビットコインを「詐欺」と呼んだのとは対照的に、Blankfein氏は、自分の感情から切り離して、投資に中立的な態度で顧客からの要望に答える方針を示してきました。

仮想通貨に対する姿勢

一方、新たにCEOに就任するSolomon氏の仮想通貨に対する姿勢は、より肯定的なようです。

先月、Bloombergとのインタビューの中でSolomon氏は、「ゴールドマン・サックスは、ビットコインに関する将来の見通しをつけている段階で、他の関連業務も慎重に検討を進めている段階だ。」と言及。「すでに顧客の声に耳を傾け、仮想通貨の先物取引をサポートしている。」と付け加えました。 

また仮想通貨に関する質問には、「ゴールドマンサックスは、常にビジネスを進化させ、環境に適応していかなくてはならない。」と、世界を牽引する金融機関として、新しい資産クラスに対する可能性を示唆しています。

 

ゴールドマン・サックスが、仮想通貨に参入する背景には、金融機関の競争環境の激しさも大きく影響しているようです。

同社は金融規制強化などの影響で、主力だったトレーディング部門で大きく収益力を落としており、年次報告書によると、2006年に純収益の68%を占めていた同部門は、2017年には37%まで落ち込んでいると報道されています。 

そのような中でゴールドマン・サックスは、業務の多角化を図っており、大手投資銀行としては、従来なら考えられなかった、フィンテックを活用した個人向け金融などの新分野への参入を推進しています。 

現CEOのBlankfein氏が経営多角化へ舵を切り、構築してきた新たな収益基盤を、新CEOのSolomon氏が引き継ぎ、これからも発展させていくことと思われます。

新CEOは異色の存在

出典:Shutterstock

David Solomon氏は、プライベートではクラブDJ『D-Sol』としての顔も持ち、ただ仕事だけに没頭するのではなく、趣味を持つことの重要性を社員にも薦めており、ウォール・ストリートでは異色の存在としても知られています。

もちろん、その投資の才と経営手腕は折り紙付きであり、投資銀行ベアスターンズで投資部門のトップに上り詰め、ゴールドマン・サックス移籍後も、投資銀行部門で大型案件を支え、多くの事業を構築してきた実績を持つ実力者です。

新しいCEOとその企業戦略の下、ゴールドマン・サックスの仮想通貨の未来図がこれからどのように描かれていくのかはまだ定かではありませんが、時代の潮流は常に動いており、その潮流にどのように乗っていけるかが、激しい競争を生き抜く鍵となることだけは確かでしょう。

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