はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米議員、CFTCの仮想通貨監督権を拡大する法案提出

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨はコモディティとして規制

米国上院農業委員会の議員らは3日、商品(コモディティ)に相当する暗号資産(仮想通貨)について米商品先物取引委員会(CFTC)に監督権限を与える法案を提出した。農業委員会はCFTCを管轄する委員会だ。

デビー・スタベナウ委員長ら4人の議員が超党派で提案したのは、デジタル資産について消費者と市場を保護するための「2022年デジタル商品消費者保護法」である。

法案を提出した一人であるジョン・ブーズマン議員は「デジタル資産やブロックチェーンはグローバル市場の機能を変えていくだろう」としつつ、次のように説明した。

この急成長中の業界は、現在、州レベルでのパッチワークのような規制によって大部分が管理されている。これは、消費者を詐欺から守るための効果的な方法とは言えない。

さらに、州の規制だけに頼っていては、すべての利害関係者のために規則や規制が機能することは保証されない。

ブーズマン議員は、今回の法案は「CFTCにデジタル商品現物市場の独占的管轄権を与える」ものであり、その分野での消費者保護、市場の健全性、イノベーションを促進するものだと続けている。他の議員も、規制を明確化する必要性を訴えた。

米商品先物取引委員会(CFTC)とは

商品取引所に上場する商品や金利、デリバティブ全般など、米国の先物取引市場を監督する政府機関。市場参加者を保護し、市場の健全性を確保するため、不正の防止・摘発を行う。

▶️仮想通貨用語集

法案は、証券にあてはまるものなど特定の仮想通貨を除外した「デジタル商品」というカテゴリーを設け、商品取引所法における「商品」の定義を、「デジタル商品」を組み込めるように修正する。「デジタル商品」にはビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)なども含まれるという。

その上で、商品・サービスの売買のみに仮想通貨を使用する取引以外は、デジタル商品取引に対する「排他的管轄権」をCFTCに付与するとしている。

仮想通貨については、証券を規制する米証券取引委員会(SEC)とコモディティを規制するCFTCとの間で管轄権が曖昧である状況がたびたび指摘されている。法案にはこうした状況を改善する内容も盛り込まれている形だ。

米国では仮想通貨などのデジタルアセットを有価証券と定義して、既存の証券法の下で取り締まりを図るSEC(証券取引委員会)と、商品(コモディティ)として監督を試みるCFTCの監督争いが水面化で続いている。特に、SECのゲリー・ゲンスラー長官は大半の仮想通貨が有価証券に該当すると発言した他、歴史的にはCFTCの方が友好的な政策を見せてきた経緯がある

関連:「米SECの仮想通貨取引所規制、更なる権限必要」ゲンスラー委員長、議員からの質問状に回答

関連:米SECゲンスラー委員長「有価証券を裏付け資産に持つ仮想通貨は証券法を遵守すべき

消費者保護の規定

法案は、消費者保護の側面で様々な事項を提示している。「デジタル商品」を扱うブローカー、カストディアン、取引所、ディーラーなどはCFTCに登録する必要があるとする。

また、全てのデジタル商品取引所は、利益相反対策、十分な資金力の維持、サイバーセキュリティなどのリスク最小化、顧客資産取扱いに関する規則遵守などを行う必要があるという。デジタル商品についての情報開示も義務付ける。

さらに、CFTCがデジタル商品市場におけるエネルギー消費状況の調査を行い、それをウェブサイトで公表・随時更新することも要請している。

その他にも、倒産法の関連規定をデジタル商品取引に拡大し、倒産時に他の商品契約と同様の保護を確保すること、どんな人々がデジタル商品市場に参加しているかを調査することなどが盛り込まれた。

公聴会にCFTCディレクター出席

米国下院の農業委員会が6月にデジタル資産規制についての公聴会を開いた際には、CFTCのヴィンセント・マゴナグル市場監視部門ディレクターも出席。

マゴナグル氏は、CFTCに現物市場を規制する法的権限はないものの、仮想通貨を含むコモディティの現物市場に対し、不正防止や虚偽報告などに関する権限を持つと主張。今後も顧客保護を行っていくと発言していた。

また、同じ公聴会で、ジョージタウン大学法学部のクリストファー・ブラマー教授は、CFTCがビットコイン先物を2017年から監督してきた実績から、「現物市場への監督権限拡大」は可能だとコメント。その際には、予算や人員の面での課題もあると指摘した。

関連米CFTCの規制権限拡大の機運高まる──仮想通貨関連の公聴会

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
17:40
Web3インフラの進化はグローバル取引を変える|WebX2025
大型Web3カンファレンス「WebX」で「グローバル取引の絶対基盤: 世界を繋ぐインフラ戦略」をテーマとしたパネルセッションが開催され、Web3インフラの重要性と発展に向けた課題、そして10年後のグローバル取引の展望について活発な議論が交わされた。
15:00
人工知能と人間の創造性、消費者アプリの活用事例|WebX2025トークセッション
WebX2025で専門家が人工知能エージェントの可能性について徹底議論。創造性や、人間の仕事を消滅させる可能性、安全性や開発上の課題などを多角的に話し合った。
12:25
イーサリアム財団がプライバシー強化ロードマップ発表 3つの重点分野で取り組みへ
イーサリアム財団が包括的プライバシー構築のロードマップを発表。仮想通貨イーサリアムのネットワークが世界的な決済レイヤーになることを前提に3つの重点分野に取り組む。
10:00
アジア仮想通貨規制の現状と課題:香港・台湾の最新動向と地域連携の必要性|WebX2025
大型Web3カンファレンス「WebX」で、「アジアにおける規制フレームワークと今後の見通し」をテーマとしたパネルセッションが開催された。このセッションでは、香港と台湾の最新の規制動向から、仮想通貨規制におけるアジア諸国の国際協力まで、活発な議論が展開された。
09:55
「ビットコインは毎日最高値更新する必要はない」アーサー・ヘイズが語るBTC長期投資の真価
仮想通貨アナリストのアーサー・ヘイズ氏が、各国の金融緩和政策を背景にビットコインの長期的上昇を予想した。4年サイクルよりもマクロ見通しが要因になるとしている。
09/14 日曜日
16:00
DeFiが抱える最大の課題は? トークン化時代見据えソラナ財団らが議論|WebX2025
WebX2025でソラナ財団やBNBチェーンからDeFiの専門家が集いパネルセッションを行った。現在の課題やトークン化などの潮流、今後の各プロジェクトの展望を議論した。
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、トム・リーのBTC年内20万ドル到達予測やDOGEのETF上場計画など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
来週FOMCの焦点は? テクニカル的な買いがビットコイン相場を押し上げる可能性|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリスト長谷川氏による今週のビットコイン週次レポート。米雇用統計の大幅下振れとインフレ鈍化を受けFRB利下げ期待が高まり、BTC円は8月23日ぶりに1700万円を回復した。来週のFOMCでは年内3回の利下げ織り込みと政策金利見通し下方修正が焦点。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|新経連の仮想通貨税制改正提言に高い関心
今週は、トークン化されたポケモンカードのブーム、ナスダックのトークン化株式の取引承認申請、一般社団法人新経済連盟の仮想通貨税制改正提言に関する記事が最も関心を集めた。
09/13 土曜日
15:00
日本のRWAトークン化の最前線、市場の特徴や展望は?|WebX2025
日本のRWAトークン化市場についてWebXでディスカッションが行われた。最前線にいるプレイヤーを招き、市場の特徴や展望、制度上の課題などについて話してもらった。
10:35
ビットコイン上昇鈍化、株との相関崩れる:トレジャリー企業動向と利下げ観測が焦点|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは上値の重い推移を続けている。米株価指数や金(ゴールド)が最高値圏に位置している一方で、ビットコインは上昇に伸び悩んでいる。その背景は?
10:00
コインベース、SECの文書破棄を問題視 裁判所に制裁求める 
仮想通貨取引所コインベースが米証券取引委員会の公文書破棄を問題視し、連邦裁判所に制裁措置を求めた。ゲンスラー前委員長のメッセージが破棄されていたことが監査で判明した。
09:45
Blockstreamら3社、東京で非公開のイベント開催
仮想通貨ビットコインのインフラ開発企業Blockstreamらは東京で非公開のイベントを開催。テーマは「ビットコインとRWAでアジアの金融変革を推進する」である。
08:40
イーサリアム、機関投資家需要拡大でオンチェーン活動が過去最高水準到達
Cryptoquantの最新レポートによると、イーサリアムは機関投資家の需要拡大により強固な上昇サイクルを示している。
07:10
ポリマーケット、90億ドル評価で資金調達検討 チェーンリンク提携も
予測市場プラットフォームのポリマーケットが90億ドル評価での資金調達を検討している。競合のカルシも50億ドル評価での調達を進めており、両社の成長が加速している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧