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米主要マイニング企業RiotとMarathonのQ3決算報告、軒並み予想を下回る

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

RiotのQ3決算報告

ナスダック上場の米暗号資産(仮想通貨)マイニング企業「Riot Blockchain」(以下、Riot)は8日、2022年第3四半期(7〜9月)の決算報告を発表。

今四半期の総収益は約67億2,700万円(4,630万ドル)で、コンセンサス予想の約83億3,900万円(5,740万ドル)を19%下回る結果となった。1株当たりの純損失は0.24ドルで、予想された0.02ドルを下回った。

収益低下の原因としてRiotは、「電力戦略に伴う電力抑制によってビットコインの生産が減少したことに加え、ビットコインの市場価格が前期比で49%下落したため」と説明している。

アナリストの予想は下回ったが、財政的に苦境に陥るマイニング企業が多い中、Riotの財務状況と業績にはポジティブな要素も見られる。同社は9月30日時点で、約370億円(2億5,500万ドル)の手元現金を含む約537億3,000万円(3億6,980万ドル)の運転資金と、自社採掘の6,766ビットコインを保有しており、「業界最高水準の財務体質を維持している」と報告した。

エネルギー価格の上昇には、電力網全体の急激な需要増加時にマイニングを停止する「電力抑制クレジット」の利用で対応。今四半期で1,310万ドルのクレジット(前年同期は250万ドル)を獲得し、大幅な運営コスト削減につながった。なお、ビットコインの平均終値に基づいて月単位で算出すると、今期のクレジット額は760BTCに相当するという。

事業面では9月30日時点で、5万5,728台のマイニング機器が配備されており、過去最高のハッシュレートである5.6EH/s(エクサハッシュ/秒=100京回/秒の計算能力)を達成したと報告。10月にはS19シリーズのマイニング機器を段階的に増設することで、合計 7万3,428 台が配備され、ハッシュレートは約7.8EH/sとなる予定。

RiotのJason Les最高経営責任者は、同社のQ3の業績を高く評価し、次のように述べている。

多くのビットコインマイナーに大きな影響を与えたエネルギー価格の上昇にもかかわらず、Riotは長期固定料金の電力契約を活用して多額の電力クレジットを生み出し、運営コストを大幅に削減することができた。さらに、強力な流動性ポジションにより、世界有数のビットコインのインフラプラットフォームとなるという目標に向け、成長計画の実行とハッシュレートの新記録達成にフォーカスすることができた。

Riotは2023年第1四半期までには、約11万5,000台のAntminer ASICをフル展開し、セルフマイニングの総ハッシュレート能力は合計約12.5 EH/sになることを見込むとしている。

ハッシュレートとは

マイニングの採掘速度のこと。1秒間の計算力を表し、マイニング機器の処理能力を表す際やマイニングがどれくらいのスピードで行われるかを示す指標として用いられている。

▶️仮想通貨用語集

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MarathonのQ3決算報告

同じくナスダック上場の米仮想通貨マイニング企業「Marathon Digital Holdings」(以下Marathon)も8日、2022年第3四半期(7~9月)の決算報告を発表した。

Q3の総収益は約18億5,000万円(1,270万ドル)で、アナリストの平均予想の約41億3,800万円(2,840万ドル)の半分以下の結果となった。諸経費を差し引くと、同社は108億4,500万円(7,450万ドル)の純損失を計上。Q3の1株当たりの損失は0.65ドルで、予想の0.23ドルを大幅に下回った。前年同期の純損失は32億3,100万円(2,220万ドル)だった。

当期のビットコイン生産高は616BTCで、前四半期(707BTC)から13%減少、前年同期(1,252BTC)からは51%減少した。同社は生産量が減少した原因として、モンタナ州のマイニング施設からの撤退とテキサス州の施設における通電の遅れを挙げた。

一方、新施設での事業規模拡大に伴い、ビットコインの生産量は今期中に改善に向かい、2022年9月30日までの累計では2,582BTCを生産。前年同期比23%増となったと報告した。

9月30日時点における稼働中のマイニング機器は約37,000台で、ハッシュレートは約3.8EH/s。11月1日には、稼働中のマシンは約69,000台に増加し、約7.0EH/sのハッシュレートを達成したという。

Marathonは自社ではマイニングインフラを所有せず、ホスティング会社と連携することで、マイニング事業の運営を行なっている。そのためパートナー企業の状況が事業に大きく影響するが、その中には9月に米連邦破産法の適用を申請したマイニング企業Compute Northが含まれていた。

MarathonのFred Thiel会長兼CEOは決算説明会で、Compute Northに関して、まもなくテキサス州の規制当局から前向きな回答が得られるだろうと発言。また、今四半期に関しては、モンタナ州から撤退しテキサス州で事業拡大するなど、企業としての過渡期にあったが、同社のハッシュレート向上の努力が実ったことを強調した。今後の目標としては、年末までにハッシュレートを9.0EH/sまで高め、2023年半ばには23EH/sの達成を目指すと述べた。

関連:負債総額700億円 仮想通貨マイニングのCompute North社、米破産法の適用申請

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