はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

パウエル講演後に米株指数リスクオン、MONAやXYMは思惑先行の急騰

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マクロ経済と金融市場

11月30日の米NY株式市場では、ダウは前日比737ドル(2.1%)高。ハイテク株中心のナスダック指数は4.4%高で取引を終えた。

関連:1日朝の金融市場短観|NYダウ・仮想通貨全面高

FRB(米連邦準備制度)のパウエル議長は11月30日、米ワシントンのブルッキングス研究所で講演した。

「高止まりする物価高(インフレ率)の鈍化を示す根拠が明確でない」とし、「金融政策の効果が実体経済や物価に影響するのはタイムラグがある」と主張。当面の利上げ継続の必要性を訴え、市場を牽制した。

その一方、早ければ12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ減速を示唆するなど、パウエル議長のレトリックは軟化の兆しを見せている。事前に警戒されていた金融引き締めに関するタカ派発言も織り込み済みであったことから、リスク資産の大幅上昇につながった。

FOMCでは、過去4会合連続で政策金利を異例の水準となる75bpずつ引き上げてきた。金利先物市場の示すCME FedWatch Toolによれば、50bp予想が前日までの66.3%から75.8%まで上昇している。

CME FedWatch Tool

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比0.95%高の17,126ドル。

BTC/USD日足

FTXショックの余波によるセンチメント毀損もあり、米株指数の反発とはあまり連動せず反応は限定的だった。暗号資産関連企業の連鎖的な破綻リスクなど懸念が燻る。

そのような状況にある中、暗号資産運用会社QCP Digitalが最新の市況分析レポートを公開。

FTXの破産申請後、市場の懸念がビットコイン投資信託「GBTC」を運用するグレースケールの親会社Digital Currency Group(DCG)の財務状況に移ったのは当然だと指摘。

その上で、DCGがこの危機を乗り越えグループを存続させることができる根拠について解説した。

DCGに懸念が及ぶ背景には、10億ドルの緊急融資を求める子会社のジェネシス・グローバル・キャピタルおよびジェネシス・グローバル・トレーディングの破綻リスクが生じている点にある。ブルームバーグが報じたところによれば、DGCはThree Arrows Capital(3AC)破綻の影響で、ジェネシスに対して5億7500万ドルの負債を引き受けた。

ただしQCP Digitalは、DCGの流動性資産の多くは、アラメダの貸借対照表に記載されていた大量のシットコインではなく、「GBTCなどの価値のある非流動資産にとどまっている」と指摘。関連会社のトークンで人為的にバランスシートを膨らませたり、再担保を繰り返すような運用上の過剰リスクは低いとした。

信頼性の側面では、保有資産残高を検証した米国規制対象のエンティティであるコインベースカストディが厳格に管理している点を挙げた。オンチェーンのフォレンジック企業OXT Researchの調査によれば、GBTC関連のウォレットには推定634,639BTCが保有されている。

関連:グレースケール投信GBTC、関連会社の流動性危機の影響は?

総括としてQCP Digitalは、すでに恐怖心理に満ちた市場ではこれ以上の大規模なショックは起こらないとの見方を示しつつ、現状だと大手マイナーなど多くのエンティティが流動性を高めるための資産売却を余儀なくされており、デフレ局面は2023年まで続く公算が高いとした。

また、FTXの破綻に関する米国下院金融サービス委員会の公聴会も、(規制強化の流れを生む)潜在リスクの1つとして挙げている。

オンチェーン分析

オンチェーン分析会社Santimentによると、クジラ(大口投資家)がビットコインの蓄積を再び試みはじめた可能性がある。

100〜10,000BTCを大量保有するウォレット群(コホート)は、過去13ヶ月に渡る下落トレンドで保有資産を売り抜けたが、FTXおよびアラメダ・リサーチ破綻後の相場の急落局面では一転。わずか5日間で47,888BTCを買い増した。

同コホートはFTXグループの崩壊リスクが高まった11月頭の3週間で全供給量の約1.36%に及ぶ量を売り抜き、その後の安値で0.24%を買い戻したことが示された。

アルトコイン相場

個別銘柄では、シンボル(XYM)やモナコイン(MONA)が急騰した。

最大手取引所バイナンスの日本進出発表において、認可登録のため買収された国内取引所サクラエクスチェンジの取り扱い銘柄にXYMやMONAが含まれていたことで、本家バイナンスにも上場するとの思惑が台頭した。

思惑先行で乱高下しており、疑問を呈するなど慎重な見立ても少なくない。

関連:バイナンスが日本進出へ、サクラエクスチェンジを買収

そのほか、エイプコイン(APE)が前週比19.2%高に。

ホルダーで構成されるコミュニティ主導のApeCoin DAO(自律分散型組織)は24日、APE開発のYuga Labsエコシステムから公式NFTマーケットプレイスをローンチした。システムを開発したスタートアップ企業Snag SolutionsのCEOが明かした。

高級PFP(profile picture)の代表格Bored Ape Yacht Club(BAYC)をはじめ、Mutant Ape Yacht Club(MAYC)、Bored Ape Kennel Clubのほか、メタバース(仮想空間)の土地Otherdeed NFTを取り扱う。

また、ブロックチェーンインフラ企業Horizen Labsは23日、APEのステーキング報酬機能の導入を発表。

これに伴い、最大手NFTマーケットプレイスOpenSeaなどでBored Apes と Mutant ApesのNFTフロアプライスが一時前週比30%以上上昇した。

ステーキング公式サイト「ApeStake」は12月5日にローンチ予定。ただし、規制上の問題から米国やカナダなどジオブロック(地域制限)の対象国もあり、DeFi(分散型金融)上のインターフェースなど代替案も検討されている。

関連:エイプコイン(APE)、待望のステーキング機能リリースへ

関連:初心者でもわかる「エイプコイン(APE)」とは|特徴や将来性を解説

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/10 水曜日
18:00
JPYC株式会社、次世代金融カンファレンスMoneyX 2026の企画・運営として参画決定
JPYC株式会社が、2026年2月27日に東京都内で開催される次世代金融カンファレンス「MoneyX」に共催企業として参画。ステーブルコインやデジタル証券など「通貨の進化と社会実装」をテーマに、産官学のリーダーが議論を行う。
17:48
仮想通貨のインサイダー規制導入、市場成熟へ IEO投資上限も提案|金融審議会
2025年12月10日公表の最新の金融審議会報告書で暗号資産(仮想通貨)が金商法の規制対象になることが明記された。IEO投資上限のほか、コード監査義務化、インサイダー取引規制など投資家保護を抜本強化する。交換業者への影響と今後の展望を詳解
17:11
シルクロード関連ウォレット、10年ぶりに突如活動 4.7億円相当のビットコイン送金
10年以上休眠していたシルクロード関連の仮想通貨ウォレット約312個が突如活動を再開し、約4.7億円相当のビットコインを送金。今年は5月にも大規模な移動が確認されている。米政府は押収資産を戦略準備金として保有する方針を示すも、売却疑惑も浮上。
14:59
SEC委員長、2026年に仮想通貨規制の大幅進展を予告 トークン分類制度など導入加速
SEC委員長が2026年の仮想通貨規制大幅進展を予告。トークン分類制度で3カテゴリーを非証券化、1月にイノベーション免除導入へ。前政権の法執行重視から明確なルール制定へ転換。
14:10
著名投資家レイ・ダリオ「中東は資本家のシリコンバレー」:国家によるAI・デジタル資産戦略を絶賛
著名投資家レイ・ダリオ氏がAIのハブとして急速に成長する中東を高く評価し、「資本家のためのシリコンバレーになりつつある」と述べた。一方、マイケル・セイラー氏は中東がビットコイン担保型デジタル銀行システムによって「21世紀のスイス」になる可能性を指摘した。
11:05
「ビットコイン・アフターダークETF」申請 夜間取引時間の高パフォーマンスに着目
ニコラス・ウェルスが米国夜間取引時間のみ仮想通貨ビットコインを保有する新たなETFを申請した。夜間の高リターン傾向に注目したものだ。ヘッジ型ETFも同時申請した。
09:50
プライバシー重視のステーブルコイン「USDCx」、Aleoのテストネットでローンチ
仮想通貨のステーブルコインUSDCを発行するサークルは、プライバシー機能を持つL1ブロックチェーンAleoのテストネットでUSDCxがローンチされたことを発表。ユースケースなどを説明した。
09:48
仮想通貨市場は政策待ち姿勢 ビットコインとイーサリアムに資金集中=Wintermute分析
Wintermuteの最新市場分析によると、仮想通貨市場は米FRBや日銀の政策決定を前に様子見姿勢を強めている。資金はビットコインとイーサリアムに集中し、レバレッジ水平は低位。先週金曜の急落後も市場は底堅さを保ち、質への選別が進む。レンジ相場継続の見通し。
09:05
プライバシー重視ブロックチェーン「Octra」、30億円規模のICO実施へ
完全準同型暗号技術を採用する仮想通貨プロジェクト「Octra」が2000万ドル規模のトークンセールを実施する。これまでも分散化重視で資金調達を行ってきた。
08:40
コインチェック、NACの新規取扱いを検討 NOT A HOTELとRWA領域で協業強化へ
コインチェックがNOT A HOTEL DAOの暗号資産NACの取扱い検討とRWA領域の協業強化を発表。NACの活用や共同サービスの開発方針について解説します。
08:20
「仮想通貨市場は次の10年間で最大20倍成長する可能性」Bitwise幹部
Bitwiseの最高投資責任者は、仮想通貨市場は次の10年間で10倍から20倍まで容易に成長する可能性があるとの見方を示した。ビットコインなどを例に挙げ、根拠を説明している。
06:00
仮想通貨トランプ(TRUMP)は「どこで買える?」買い方を初心者向けに解説
ソラナで発行されたトランプ大統領公式ミームコイン『TRUMP』について初心者向けに詳しく解説。Phantomウォレットやソラナ系DEXでの買い方、投資リスク、今後の見通しまで説明しています。
12/09 火曜日
17:40
リミックスポイント、エネルギー事業の中期経営計画を発表 3年で営業利益3.7倍目指す
リミックスポイントが2027-2029年度の中期経営計画を発表。エネルギー・蓄電事業で売上高692億円、営業利益91億円を目指す。日本蓄電池と提携し系統用蓄電所7カ所を共同運営。同社は242億円超の仮想通貨も保有し、多角的な事業展開を推進。
15:52
補正予算の国会質疑で仮想通貨税制が議題に 国民民主党が質問、高市首相は「与党税調で検討中」と答弁
補正予算の国会質疑で暗号資産(仮想通貨)税制が議題に。国民民主党は雑所得として最高税率55%が適用される現行制度を見直し、分離課税化を要求。高市首相は税制改正大綱に基づき与党税調で検討を進めていると答弁した。
13:35
米XRP現物ETF、全期間で純流入を記録 約1459億円に到達
米XRP現物ETFが上場以来全期間で純流入を記録し、約1,459億円に到達。仮想通貨ETF史上2番目の速さで8億ドルを突破し、機関投資家の継続的な買いが続いている
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧