NFTの現状
今回はオントロジーに、「NFTの価値を高める内外部の『ダブルドライブ』とは」をテーマに寄稿いただきました。
現在、Web3は「冬の時代」を迎え、Web3関連の産業が軒並み下降の一途を辿っています。しかし、この「不況の時代」の中で、非代替性トークン(NFT)の開発はいわば「清流」となっています。
例えば、最近資金調達を終えた「Doodles」は、22年6月23日時点で直近7日間の取引高が3,697ETH、下値が15ETHとなっており、Web3の冬の時代の影響を受けていないようにも見えます。
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また、BAYCに代表される「ブルーチップNFT(収益性、成長性にすぐれているNFT)」も独自のサブカルチャーを形成し、多数の投資家が「巡礼」しています。
NFTの代表作であるBAYCは、ユーザーに数億円の価値を持つJPEGの狂気を感じさせていますが、その一方で「NFTのユーティリティはどうなのか」という疑念の声が大きくなってきています。
NFTの内部開発
実を言いますと、こうした疑問は今に始まったことではなく、NFTのユーティリティの探求は既に始まっています。
ERC-1155などの規格は、元々NFTにユーティリティを与えるために開発されたものだとさえ言えます。例えば、GameFiのゲームアイテムは、ERC-1155規格を利用して、同じ種類の武器を複数作成する仕様に設計することが可能です。
それだけでなく、NFT内の開発も止まりません。特にユーティリティタイプのNFTは既に健全な開発が進んでおり、特定のゲームやアクティビティ、ドキュメントにアクセスするためにNFTを保有したり、アートワークNFTを購入して現実でも芸術作品を物理的に所有したりするなど、多くの利用シーンが模索されています。
また、Soulboundトークン(SBT)の概念が徐々に実装されていくにつれ、NFTはSBTの概念を取り入れることで、ユーザーのオンチェーン・アイデンティティをより安全に提示することができるようになります。
例えば、NFT化された参加証明バッジであるPOAPは、ユーザーが特定の活動やコミュニティに参加するための資格として、パブリックチェーン上にユーザーの経験を残すことができます。また、利便性と画像性能に優れたNFT化された分散型ID(DID)もあり、NFT化されたDIDに基づいた多くの場面に活用できるアプリケーションを実現することができます。
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NFTの内部利用は、現在ほとんどの領域を網羅していますが、革新的な技術は小さな輪の中に閉じ込めることはできず、強力なWeb3エコシステムの形成には外部のリソースと協力する必要があることもわかっています。そのため、NFT業界も積極的に外部エコシステムの拡大を推進しています。
NFTの外部拡張
現在NFTの外部拡張は、Twitter BlueのNFTアバター表示対応に続き、MetaがFacebookとInstagramのNFT投稿・表示対応を示唆するなど、ソーシャルメディア内でのNFT表示が中心となっています。
ビジネス面では、高級ブランドが独自のNFTをリリースしたり、宣伝のために有名人やブランドが人気のNFTを購入するなど、ブランドの広報にNFTが活用される形が多くなっています。
NFTの外部拡張は、一般に注目度に焦点が当てられることが多く、技術はあくまで補助的なものであるといえます。つまり、NFTの背後にある技術や意味を一般大衆が理解する必要はなく、写真や音楽などの視覚表現、話題のイベントやブランドの認知度などでアピールすれば良いのです。この形態が現在最もエコシステム外のユーザーに受け入れやすく、実際にNFTエコシステムに参加する新規ユーザーを増やしています。
まとめ
NFTは想像力に富み、かつ拡張性のあるメディアであり、ツールであるといえます。既にNFTは様々な利用場面に適用できることが実証されており、GameFi、メタバース、自律分散型組織(DAO)、その他のWeb3分野で利用が進んでいます。
NFTは強いスケーラビリティと可塑性を有しているので、Web3の発展と共に将来的に確実に利用ケースが広がっていくことが予想されます。NFT内外の発展が一定の水準に達したとき、期待通りの新たな爆発が訪れる時が来るでしょう。
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