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メッサリ社アバランチ分析「サブネット・バリデーターのAVAX需要に期待」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

アバランチの成長

分析機関Messariは1月末、「アバランチ(AVAX)」ブロックチェーンの過去1年間の動向をまとめたレポートを発表した。

ゲームなどのプロジェクト毎に独自チェーンを構築する「サブネット(Subnet)」の普及により、アバランチ上のトランザクション数が急増。23年にかけてAVAXの経済モデルに重要な変化が生じる可能性が指摘された。

出典:Messari(以下全て同じ)

22年12月末時点に、アバランチ全体で1日当たりの平均トランザクション数は前年比514.8%増加して約290万件となっている。この規模はポリゴンに匹敵し、主要なL1ブロックチェーンの中ではBNBチェーンの340万件に次ぐ規模である。

1日の平均アクティブアドレスについても、アバランチは前年同期比で34.7%増となり、48,023件に達している。他のチェーンに比べ、アバランチはユニークユーザー数当たりの取引件数が多い傾向があるが、これは主にDFK(DeFiKingdom)やSTPT(StepNetwork)といったサブネットのユーザーが特にアクティブに活動している傾向を示している。

関連:初心者でもわかるAvalanche(アバランチ)とは|注目すべき点や将来性を解説

アバランチの経済モデルの変遷

Messariの統計データにおいて、アバランチの平均トランザクション数(290万件)は、アバランチを構成するプライマリネットワーク(P、X、およびCチェーンを含む)と7つのサブネットの合算値である。

細かく見ると、アバランチではEVM(イーサリアム仮想マシン)との互換性を特徴とする「Contract(C)Chain」のトランザクションは前年比67%減少しているが、それを補って余りある程にサブネット(Custom Chain)の利用が増加した格好だ。

アバランチのDFKとStepNetworkのサブネットは、それぞれ2022年第1四半期と2022年第3四半期に開始されたが、瞬く間に日別トランザクションの大部分を占めるようになった。

これに伴い、アバランチのネイティブトークン(AVAX)経済メカニズムも変化することとなる。アバランチではCチェーンで発生する取引手数料の100%をバーンすることで、プロトコル収益をステークホルダーに還元している。

参考までに、22年末時点で200万以上のAVAX(執筆時点で52億円)がバーン(焼却)された。しかし、Cチェーンの取引数が低下しているため、今後のアバランチ(AVAX)のバーン率も低下したままとなることが予想される。

代わりに、AVAXの価値を下支えするのは、「サブネットのバリデーター(検証者)によるステーキング需要になる」とMessariは指摘。アバランチにおいて、サブネットのバリデーターになるには、2,000 AVAX(520万円*執筆時点換算レート)のステーキングが必要となる。

テストネット(Fuji Testnet)には、数百のプロジェクトが稼働しており、その多くが23年中にメインネットへの移行を控えているとされる。Mesasriは、新たなサブネットがAVAXの需要にどのように影響を及ぼすか、以下のように試算している。

2023年に100のサブネットが稼働したとする。各サブネットが(DFKの現状を参考に)〜8個のバリデータを確保すると仮定して、バリデーター需要は少なくとも800は生じることになる。

関連:アマゾンAWS、アバランチ(AVAX)に対応

AVAXのステーキング需要

実際に、AVAXの流通量は日々増加しているにもかかわらず、ステーキング率は年間を通して約62%の高水準を維持した。仮想通貨市場の弱気相場が長期化する中、前年同期比でステーキング率は2%増加している。

12月には米大手カストディ企業BitgoとAva Labsの提携により、機関投資家向けにアバランチ・ステーキング・ソリューションを開始。さらなるステーキング参加者の増加はバリデーターの増加につながり、「ネットワークのさらなる分散化及び健全化を後押しする可能性がある」と、Messariは指摘。

また、アバランチは22年第4四半期にサブネットの重要なアップグレードを2つ実装している。10月にリリースした「Elastic Validation」により、サブネットの独自トークンを使ったバリデーター運用をオプションとして追加利用可能にした。これにより、サブネット制作者のインセンティブ設計をより柔軟にした。

関連:アリババクラウド、アバランチ(AVAX)開発インフラをサポート

12月22日にはサブネット間の相互運用を可能にする「Avalanche Warp Messaging (AWM)」 をリリース。これによりサブネット間で、資産やデータのブリッジなしの転送が可能になった。

関連:アバランチ「Banff5」アップグレード、サブネット間の相互運用可能に

開発者にとって、より使いやすい形となったアバランチは、クリエイターやGameFiの採用が拡大。国内のソーシャルゲーム大手グリー株式会社は22年10月、Ava Labsとの戦略的パートナーシップの締結を発表した。アバランチのノード運用とともにWeb3ゲームの開発を行なっていく方針だ。

アバランチのサブネット上に構築されているAAA級FPSブロックチェーンゲーム「SHRAPNEL」は、12月にPolkastarter Gamingが主催した「GAM3 Awards」で、「Most Anticipated Game(最も期待されるゲーム)」を受賞。アバランチGameFiのポテンシャルをアピールした。

国際チェス連盟(FIDE)は、全世界で5億人以上のチェスプレイヤーを対象としたWeb3プロダクトをアバランチ上で開発している。公式プレイヤースコアを利用したシミュレーションゲームのリリースなどを計画している。

関連:国内ソシャゲ大手グリー、アバランチ(AVAX)基盤のWeb3ゲーム開発へ

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