メタバース部門を解体
米ウォルト・ディズニーは、メタバース(仮想空間)構想を進める部門を解体したことがわかった。複数の情報筋の話として「The Wall Street Journal(WSJ)」が28日に報じた。
広範な事業再編の一環としてメタバース部門を解体。同社は今後2カ月の間に全体で約7,000人の従業員を削減する計画で、メタバース部門は約50人で構成されていたという。ディズニー社は豊富な知的財産(IP)を活用し、メタバースという新技術を導入して、ストーリーテリングの新たな手段を探っていた。
メタバースとは
インターネット上に構築された多人数参加型の3次元仮想現実世界のこと。アバター(分身)を介してゲームで遊んだり、音楽ライブに参加したり、会社の会議に出席したりするなど、様々な利用方法がある。
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ディズニー社では2021年11月、当時のCEOが独自のメタバース構築に意欲を見せた。決算説明会で、ディズニー社は創業当初から革新的な技術を取り入れてきたとし、「これまでの取り組みは、現実世界とデジタルな世界をより密接に結びつけ、独自のディズニー・メタバースを通じて境界のないストーリーテリングができるようになる時代への序章に過ぎない」と話している。
また、昨年1月にはメタバース関連の特許を取得したこともわかっていた。一方で今回のWSJの報道によれば、メタバース部門を作って1年経過しても、メタバースの計画はまとまっていなかったという。
ディズニー社は今年2月に、従業員の3%にあたる約7,000人の従業員を削除する方針を明らかにしていた。動画配信サービスの不調などが影響していると伝えられている。
ディズニー社とWeb3
メタバースの計画がまとまっていなかったため、ブロックチェーン技術が活用される予定だったのかもわからないが、ディズニー社はWeb3技術に関心を示している。
昨年7月には、世界の革新的な企業の成長を加速させるために作られた事業開発プログラム「Disney Accelerator」に、暗号資産(仮想通貨)ポリゴン(MATIC)のプロジェクトが選出された。この時、メタバース関連の企業も複数選ばれている。
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また、昨年11月にはポリゴンとディズニー社が協業し、デジタルコレクタブル分野で概念実証を行うことが発表された。詳細は明かされなかったものの、共同で行うのは「ディズニー社の従業員を特別な機会で表彰するためのデジタルコレクタブルに関する概念実証」だとしている。