はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

アニモカブランズ幹部が語る、Web3ゲームの成功条件とは|WebXインタビュー

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Web3のインセンティブと課題

大手Web3企業アニモカブランズ(Animoca Brands)のエヴァン・オーヤン(Evan Auyang)グループ・プレジデントが、国際カンファレンスWebXでCoinPostのインタビューに応じ、「Web3ゲームが成功するための要素」について語った。

全てのゲームには多様なインセンティブ・メカニズムがあるが、Web3ゲームの特徴は「NFT(非代替性トークン)などのデジタル資産の所有を可能にすること」にあるとオーヤン氏は指摘する。

デジタル資産の所有権を取得することにより、ユーザーは自身の所有資産だけでなく、その資産を支えるエコシステムの健全性や発展に関心を持つというインセンティブが形成されるという。

これが「Web3が生み出す自然なインセンティブ」であり、車など価値ある収集品を所有することと同様だとオーヤン氏は述べた。

所有するというインセンティブ(モノの保有欲)は、デジタル資産への投資で利益を得るという考え方につながると同氏。エコシステムの発展によって長期的な価格上昇が見込める一方で、短期的な利益を求める投機的行動が集団化すると、デジタル資産価格の乱高下を招くこともあると指摘した。

また、誇大広告による期待値と実際に配信されたゲームの落差から、資産価格が下落することも起こり得る。初期のP2E(Play-to-Earn:遊んで稼ぐ)ゲームでは、持続可能な仕組みが欠如していたとオーヤン氏は批判。このような経験から、Web3ゲーム開発者は、より適切な需給の仕組みに細心の注意を払ったトークノミクス設計を行なうようになったという。

オーヤン氏は、Web3ゲームにおける所有の概念は、徐々に参加するエコシステムの不動産の所有に例えられるようになるだろうと予測している。

不動産自体が収益を生む可能性もあるが、プレイヤーは純粋に収入や金銭的な利益を得るために参加するのではなく、ただその場にいることが楽しくて充実しているから参加するのだ。

Web3ゲーム成功の要素

オーヤン氏は、Game-FiやWeb3ゲームを成功させるための要素について以下の3つを挙げた。

  • 長い時間を費やして熱中できるような奥深いゲーム
  • 強力なトークノミクス/経済力学
  • ユーザーが発言権を持つ参加型のガバナンス。例=ザ・サンドボックス:ユーザーツールの開発とユーザー体験の発信に重点をおく

現在、1プレイヤーとして注目しているWeb3ゲームについて尋ねられると、同氏は以下の4つに言及した。

  • ザ・サンドボックス:年末に向けてスペース全体が徐々にフルオープンに
  • Phantom Galaxies:宇宙を舞台とするARPG。「ガンダム」「マクロス」のようなメカ格闘ゲーム。NFTの所有が可能。ベータ版で9月頃に一般公開予定。
  • Life Beyond: AAA級のMMORPG。「Assassin’s Creed」の元開発チームが担当。ベータ版。
  • Anichess: Chess.comと提携で開発された無料のチェスゲーム。戦略の追加レイヤーで伝統的ゲームを刷新。アルファ版が2024年第1四半期公開予定。

関連:アニモカ傘下のゲーム制作企業Darewiseとは|Life Beyondのエコシステムも紹介

日本企業と提携

アニモカブランズは、ブロックチェーンゲーム、メタバース、分散型金融(DeFi)、暗号資産(仮想通貨)ウォレットなど様々な分野への投資を行ない、独自のWeb3エコシステムを構築している。

同社は今年6月、日本の大手商社三井物産と資本業務提携及び戦略的パートナーシップを締結。また、同社の日本法人Animoca Brands株式会社(ABKK)の株主、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)とも資本業務提携を結んでいる。

関連:三井物産、Web3大手アニモカブランズと資本業務提携 を発表

オーヤン氏は、三井物産との協力により、その広域な事業領域にまたがる、さまざまな産業や分野に適用可能なWeb3ソリューションの開発を行なっていると述べた。また、MUFGのサポートは、日本におけるビジネス関係構築に重要な役割を果たしており、幅広い応用が可能なWeb3ソリューションの開発に結びついているという。

ABKKは、日本の知財やコンテンツ(IP)ホルダーが世界に直接コミュニティを作り、グローバルでファンを獲得し、トラフィックを創生することを支援する目的として設立された背景を持つ。講談社や西日本鉄道、三井住友信託銀行など、国内大手企業が2022年1月のシードラウンドの資金調達に参画し、約11億円を調達した。

オーヤン氏によると、日本のアニメや漫画をアニモカブランズのゲーム及びエコシステムに導入する計画があり、世界の視聴者に向け、日本の著名なコンテンツを提供する予定だという。

また、サウジアラビアの漫画プロダクションとも協力しており、ABKKの戦略との相乗効果が見込まれると、同氏は付け加えた。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/25 木曜日
18:01
Komlock labと東証上場TDSE、AIエージェントによる自律決済の実証実験開始
TDSEとKomlock labがAIエージェントによる自律決済の実証実験を開始。日本円ステーブルコイン「JPYC」を活用し、AIが人間を介さず決済する「Agentic Commerce」の実現を目指す。
17:38
日銀総裁、利上げ継続示す 30年ぶり高水準更新へ
日銀の植田和男総裁が25日の講演で利上げ継続方針を表明。政策金利は既に30年ぶりの0.75%水準に達しており、今後の追加利上げによる円キャリートレード巻き戻しが仮想通貨市場に与える影響が注目されている。
16:21
SBI VCトレードとアプラス、USDCによる店舗決済の実証実験を来春開始
SBI VCトレードとアプラスが米ドル建てステーブルコインUSDCを活用した店舗決済の実証実験を2026年春に開始。大阪・関西万博のデジタルウォレット成果を発展させ、QRコード決済でインバウンド顧客向けに新たな決済モデルを創出する。国内唯一の電子決済手段等取引業者であるSBI VCトレードと、豊富な加盟店ネットワークを持つアプラスが協力し、ステーブルコイン決済の社会実装を加速。
14:55
量子コンピュータは仮想通貨の脅威か 専門家が語る「共存」の可能性
量子コンピューティングが仮想通貨業界に与える影響について、楽観論と懸念論が交錯する中、専門家は「共存」の可能性を指摘。ビットコインベテラン投資家やマイクロストラテジー会長は量子が仮想通貨を強化すると主張する一方、開発者は5~10年の移行期間が必要と警告。ソラナやイーサリアムなど主要ブロックチェーンは既に量子耐性技術の実装を開始している。
13:50
アステリア、JPYC企業利用支援の「JPYCゲートウェイ」発表
アステリアは企業向けJPYC入出金管理サービス「JPYCゲートウェイ」を発表。ウォレット管理やガス代負担など企業利用の課題を解消し、100以上の既存システムと連携可能。2026年1月よりβ版提供開始。
13:30
2025年世界仮想通貨浸透率ランキング、日本は47位
Bybitは2025年世界仮想通貨ランキングで、79カ国をユーザー浸透度、取引利用度、制度整備度、文化的浸透度の観点から相対的に評価。シンガポールと米国が上位にランクインし、日本は47位となった。また国別の一人当たりGDPから分析したところ、投資主導型と実用主導型の二つの採用パターンが明確となった。
12:13
ビットコイン価格予想が二極化 来年の37000ドル悲観論と最高値更新説の根拠は
仮想通貨市況 暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比+%の1BTC=87,850ドルに。 ビットコインが一時的に88,000ドルを上回ったことは、米国上場…
11:44
仮想通貨投資大手が大規模取引か、ワールドコインに3000万ドル投入の可能性
マルチコイン・キャピタルと関連するウォレットが24日、ワールドコイン(WLD)6000万トークンを約46億円で購入した疑いが浮上。オンチェーンデータ分析サービスが報告。WLD価格は史上最高値から95%下落中。
10:30
個人投資家が計22億円の詐欺被害に、米SECが仮想通貨企業などを起訴
米SECは、複数の個人投資家から最低でも計約22億円をだまし取ったとして仮想通貨企業などを起訴。詐欺の手口を説明し、投資家に注意喚起を行っている。
10:22
Aave、所有権紛争でDeFiガバナンスの課題が表面化
大手DeFiプロトコルAaveで深刻なガバナンス対立が発生。年15億円超の収益配分とブランド資産の所有権をめぐり、DAOとAave Labsが対立。Snapshot投票では反対が過半数を占め、DeFi業界のガバナンス課題を浮き彫りに。
10:05
2026年の仮想通貨市場に期待できることは? Presto Researchがビットコイン16万ドル予想
Presto Researchが2026年の仮想通貨市場を展望。ビットコイン16万ドル到達の可能性、量子耐性議論、アルトコイン投機時代の終焉など様々なトレンドを予想している。
08:30
EUの仮想通貨税務透明性法「DAC8」、2026年1月1日に発効
EUの新たな税務透明性法DAC8が2026年1月1日に発効する。仮想通貨資産サービスプロバイダーは同日からEU居住ユーザーの取引データ収集を開始し、2027年9月までに最初の報告が必要となる。
07:35
ビットコイン現物ETF、4日連続で資金が純流出
仮想通貨ビットコインの米国の現物ETFは、23日の資金フローが約294億円の純流出で、これで4日連続の純流出となった。有識者が要因を分析している。
07:12
サークルを騙る偽の金・銀トークン化サイトが出現、同社が注意喚起
USDCステーブルコイン発行企業サークルを名乗る偽のプラットフォームが12月24日に登場し、トークン化された金と銀の取引を提供すると宣伝していた。サークルの広報担当者は偽物だと否定。
06:15
アーサー・ヘイズがイーサリアム売却継続、DeFiトークンに資金移動か
アーサー・ヘイズ氏が過去1週間で1800ETH以上のイーサリアムを売却し、仮想通貨ENA、PENDLE、ETHFIなどのDeFi銘柄に資金を振り向けている。ポートフォリオのリバランス計画の一環とみられる。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧