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Uniswap創設者が語る、Web3のメリットやDeFiの規制|WebXインタビュー

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Web3のメリットや課題

大手DEX(分散型取引所)Uniswapの創設者アダムズ・ヘイデン氏は、7月のWebXカンファレンスで特別公開取材に応じた。

モデレーターは、マーケティング企業「Amplified Event Strategy」のパートナーであるスワード・ザック氏。ヘイデン氏には、Uniswapを作ろうと思ったきっかけやDeFi(分散型金融)の規制などについて質問した。

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質疑応答の内容

Uniswap開発のきっかけ

最初に質問したのが、Uniswapを開発したきっかけ。ヘイデン氏は「世界最大の取引所を作ろうと思ったのではなく、イーサリアム(ETH)の仕組みなどに興味を持ち、イーサリアム基盤のものを何か作ろうと思ったのがきっかけだ」と話した。透明性が高く、トラストレスな点に関心を持ったという。

Uniswapを開発した目的については、「トラストレスな取引を行うことができるかを実験したかったからだ」と説明。そして、「Uniswapのメリットは誰でも流動性を作れるという点。流動性を作るのは本来なら複雑で時間がかかるが、Uniswapは流動性の構築を簡素化できた」と語った。

市場は弱気相場に

次は「仮想通貨の冬」に関する質問。2022年は貸付企業や中央集権型取引所(CEX)が破綻するなど市場に大きな影響を与えたが、それによってDeFiが発展したと思うかを聞いた。

この質問には「DeFiは取引が過去最高水準に達し成長はしているが、CeFi(中央集権型金融)と明確に区別することは難しい」と指摘。一方で、「FTX破綻のような事例によって、それまではDeFiに興味がなくても、CEXにお金を置いておくよりも自分で管理した方が安全だと考える人が増えたとは思う」と話した。

実際にFTXの破綻後、Ledger社やTrezor社が製造するハードウェアウォレットの週間売上高が大幅に急増。自身で資産を保管する手段への需要が高まっていることが明らかになっていた。

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分散型の普及

この答えを受け、次の質問は「ヴァンパイ攻撃などもあるが、分散型の概念をより普及させていくには、どのようにマーケティングしていくのが良いか」という内容。

ヴァンパイ攻撃とは、オープンソース・プロジェクトをコピーし、オリジナルのプロジェクトよりも高いAPY(金利)や有利なインセンティブを提供することにより、コピー元のユーザー、流動性およびトレード量を奪い取ろうとする試みを指す。

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この質問に対し、ヘイデン氏はWeb2とWeb3の違いをもとに回答。「Web2だとコミュニティの声が届きにくく、ただの消費者と変わらない。しかし、Web3は違う。プラットフォームを使ったら報酬を得られることがWeb3のメリットだ」と語った。

そして「プラットフォームを提供する側と使う側が平等であり、お互いを支え合うのがWeb3。Web2と同じような質の高いプロダクトを開発しつつ、消費者とシェアして、報酬を与えもする。それが理想であり、報酬を得られればユーザーも獲得できる」と答えている。

また、「流動性マイニングやトークン化のような新しいサービスも重要。こういったサービスを献身的に発展させることができれば、他のプロジェクトと差別化できる」とも話した。

Uniswapの課題

ヘイデン氏は「Uniswap V4」や「UniswapX(ベータ)」に触れながら今後の計画について話す中で、Uniswapの課題にも言及した。

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特に「V3」で悩んだというのが、どのタイプのユーザーを優先してプラットフォームを設計すべきかという問題。この点については、「まだ実験段階」と話している。「意味ある機能を提供したいと考えると同時に、流動性提供者に合わせるか、流動性を使うトレーダーに合わせるかのバランスが難しい」と明かしている。

さらに、「ユーザーの間で知識や技術に差がある」とも指摘。「どのユーザーを優先して設計するかは難しいが、他のサービスや外部開発者と協力し、ガス代を下げたり、より多くの利益を得られる仕組みを構築したりしながら、これからも開発を続けていく」とした。

ほかには、UniswapのV4が完全なオープンソースではないと批判があることについて質問。この点についてヘイデン氏は、「Web3で大切だと考えていることはセルフカストディだ」と回答を切り出した。

続けて「自分で自分の資産を真に保有できること。そして、自分で保有しながら検証ができることを大切にしている」と説明。「それを実現するために、どのようなコードをオープンにするのか、あるいはプライバシーやセキュリティを強化するためにどの部分を秘匿化するのかを意思決定して、V4に反映させた」と語っている。

そして、今後について「4年後にはUniswapが、General Public License(GPL)のオープンソースになるのは止められないだろう」と説明。また「現在の批判は、Uniswapエコシステムに直接関連ある内容ではなかったり、長く続く批判ではなかったりする」とも述べた。

規制への見解

最後に、米国、欧州、特にアジアにおけるDeFiの規制をどう思うか質問。ヘイデン氏は、「仮想通貨に否定的な国もあるが、技術は止められないと思っている」との見解を示した。また、「先進的な技術は価値があると認めた方が遅れをとらず、早く動いた国の方が恩恵を受けるだろう」と述べている。

そして、「米国は仮想通貨業界に否定的な措置を講じているが、仮想通貨のネットワークはグローバルに広がっており、実際にUniswapのユーザーは75%が米国以外にいるので気にしていない」と説明。「特定の国が規制を厳しくしたからといって、心配しすぎることはない」とした。

欧州、日本、アジアについては、DeFiの規制に不確実性はあるが、「良い未来に向かっている」との見解を示している。

日本では現在、Web3を政府が推進。これまでも、日本は仮想通貨規制の整備が進んでいるとされており、世界からの注目度は高まってきている。

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