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冷え込んだNFT市場に"好転"の兆し、取引増と相場回復に対する専門家の展望は?

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

NFT市場Blurの影響も

暗号資産(仮想通貨)相場の強気トレンド転換に伴い、ここ最近はイーサリアム(ETH)基盤のマーケットプレイスを中心に、NFT(非代替性トークン)市場が再び注目されつつある。

そこで本記事では、市場の活性化に関するデータと専門家の見解に焦点を当て、背景と影響を探る。

ブロックチェーン分析サイトDUNEによると、2023年10月9日から11月6日にかけてイーサリアムNFT市場の1日の取引量は4200万ドルから1億2900万ドル(200億円)に急増し、4カ月ぶりの高水準に到達した。

最大手資産運用会社ブラックロックが米SEC(証券取引委員会)に申請した「イーサリアム現物ETF(上場投資信託)」を発端にしてETH価格が急進するなど、過去30日間で前月比27.1%高と大きく上昇しており、市場活性化に貢献したと推測される。

出典:@hildobby
/ NFT Market Overview

しかし、一方で新規参入者の増加はほぼ確認されず。過去2年間で3番目に低い週を記録した。特に、ユニーク・バイヤー・ウォレット数は、14日に今年の最低レベルに近づいたと報告されている。

出典:NFTstats.eth

出来高の拡大は、短期的なインセンティブを追求する一部のトレーダーによるものと見られている。

たとえば、「Blur」のユーザーベース(顧客基盤)は11月7日時点で3,500から8,000件まで増加し、BLURトークンの価格も過去1か月で前月比107.5%高と増加した。同マーケットプレイスでは報酬プログラム「シーズン2」が11月20日に終了予定で、エアドロップのためのファーミング活動が活況だ。

出典:@hildobby
/ NFT Market Overview

関連:新興NFT市場「Blur」の週間取引高がOpenSeaを上回った背景は

市場健全性に関する専門家分析

一方、PROOF CollectiveのNFTstats.ethリサーチディレクターは、0.3ETH以上でNFTを直接購入するバイヤーの行動に注目することを提唱している。

出典:NFTstats.eth

入札ではない「直接購入」は、バイヤーが価格に納得し、価値を認識していることを示し、市場の健全さを裏付ける。また、リサーチディレクターは、高額取引やバイヤーが選ぶ特定のNFTに注目することの重要性を指摘し、「価格は上昇傾向を維持している」として、市場が健全で価値あるNFTが適正価格で取引されていることを強調した。

出典:NFTPriceFloor

実際に、時価総額900億円で市場トップのBAYCを初め、Doodles、Moonbirds、Punks、Clonesなどの人気コレクションの価格も1カ月前から2桁パーセント上昇している。

市場感情の現状と関連イベント

長らく弱気相場で冷え込んでいた投資家の感情を示す市場心理(センチメント)は、2023年11月現在大幅に改善した。

例えば、歴史的価値を持つCryptopunksの稀少なNFTがYuga Labsの共同創設者によって600ETH(約1.8億円)で落札されたことが話題を呼んだ。

また、「ザ・シンプソンズ」の特別エピソード「ホラーのツリーハウス」でNFTと暗号の世界が取り上げられたことも注目を集めた。この放送に合わせて公開されたRino Russoの「Springfield Punk」コレクションは3,405個が即座に完売し、一部は3.5 ETHで落札されるなど、市場の関心の高さを示している。

NFTとは、「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。デジタルオブジェクトに追跡可能な所有権を付与するもので、インターネットにおける重要な進歩と位置づけられる。Web2(従来のインターネット)よりも大規模な、オンラインクリエイターエコノミーが形成されると期待される。

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