FTXや銀行破綻などがDeFiの追い風に
すべてのブロックチェーンにおける分散型金融(DeFi)プロトコルでロックされた資産総額は532億ドル(約7.5兆円)で今年の高値を記録し、2022年11月上旬にFTXが破綻する前の時代以来の水準となった。DefillamaやThe Blockなどのデータで判明した。
昨年5〜6月には、Terra(Luna)やThree Arrows Capital、Celsiusの集権的組織が破綻しDeFiユーザーにも大きな打撃を与えたが、今年の前半で回復基調になった。4月に一旦TVLで高値をつけたが、その後に反落し10月から再び上昇しFTX破綻前の水準に戻った。4月以降、SECによるコインベースやバイナンス提訴(6月)やFRBの継続的な利上げなどが相場環境を再び悪化させたことが原因だったようだ。
一方、FTXやBlockFiの破綻による集権的組織の信用失墜や、Arbitrum(3月)のトークンエアドロップはより多くの仮想通貨ユーザーが分散型取引所やDeFi貸し借りサービスを利用するターニングポイントとなった。それに伴って出来高も取り戻しつつある模様だ。
Arbitrumのエアドロップ後、zkSyncやStarknet、LayerZeroといったプロトコルへのエアドロップ期待が高まり、出来高増加を後押ししている。また、10月以降のソラナエコシステム復活は非EVMやEVM+パラレル処理可能なブロックチェーンへの関心を高め、それらの非EVMチェーンのTVLにも資金流入をもたらしている。
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今年はイーサリアムにおける大型アップグレードもあり、リキッドステーキング分野でのTVLも資金を大きく増やしてきた。イーサリアムは4月中旬、大型アップグレード「Shapella(上海+カペラ=シャペラ)」で、ステーキングされているETHの出金機能を実装した。
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さらに、今年のDeFiシーンではRWA分野がプレセンスを強めており、MakerDAOで25億ドルの現実資産が担保となったことなどが話題となった。
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DeFiのUX・UI向上や、期待される来年のイーサリアム「Dencun」アップグレードやソラナ「Fire Dancer」クライアントの実装による手数料低下・処理速度のさらなる向上は今後、DeFiユーザー基盤をさらに拡大していく見込みだ。
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