ビットコイン購入を継続
暗号資産(仮想通貨)の米ドルステーブルコイン「USDT」などを発行するテザー社は現在、4,030億円相当のビットコイン(BTC)を保有している可能性がある。
同社のアドレスは公式に発表されているわけではないが、昨年8月に「21.co」のリサーチアナリストがテザー社のものと思われるアドレスを特定。そのアドレスは本記事執筆時点で6万6,465BTCを保有している。
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ビットコインを保有していること自体は、テザー社自身が四半期ごとの準備資産報告書に記載してきた。2023年3Q(7月から9月)の報告書では17億ドル(当時のレートで2,600億円)相当を保有していると記載。4Q(10月から12月)の報告書はこれから発表される予定だ。
上述したアドレスの大きな動きとしては、日本時間1月1日に8,888BTCが入金されている。「Buy Bitcoin Worldwide」のデータでは、まだテザー社のビットコイン保有量は5万5,000BTC。エクスプローラーと合わせて照合し、昨年4Qに8,888BTC超を追加購入したとみられている。
テザー社は昨年5月、正味実現営業利益の最大15%を、規則的にビットコインの購入に使用すると説明。今後はビットコインを保有していることが、準備資産の強化や多様化につながると考えていると述べていた。
今回「The Block」がコメントを求めたところ、テザー社のパオロ・アルドイノCEOは昨年5月の説明を繰り返しており、現在は利益の最大15%を四半期ベースでビットコインの購入に充てているとみられる。
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「Dune」のデータによると、同社のものとみられるアドレスのビットコイン保有量は以前と同じ世界11位。一方で、このアドレスがテザー社のものであるとはラベル付けしていない。
エコシステムを支援
テザー社はビットコインを保有するだけでなく、ビットコインのマイニングを支援している。
昨年11月には独マイニング関連企業Northern Data Groupに、5億7,500万ユーロ(当時のレートで約918億円)のデットファイナンス(借入金融)枠を提供したことが発表された。
同社はビットコインマイニング、生成人工知能(AI)クラウドサービス、データセンターインフラの3つの中核となる事業を運営。この時の融資はこれらの事業分野への投資を推進することを目的にしている。
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マイニングとは
コンセンサスの仕組みに「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」を採用するビットコインなどの仮想通貨において、取引を検証・承認する「採掘」行動のこと。マイニングに成功すれば報酬を得ることができる。
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