仮想通貨投資商品の状況
暗号資産(仮想通貨)投資企業CoinSharesは19日、週次レポートを公開し、先週の仮想通貨投資商品への資金の純流入額は、合計で3,000万ドル(約40億円)だったと報告した。
この金額は小さかったとCoinSharesは説明。そして、資金流入が少なかったことの要因の1つに、米連邦準備理事会(FRB)が9月に0.5ポイントを一気に利下げすることへの期待が、最近の経済データによって後退したことを挙げている。
他にも、新しい金融商品がマーケットシェアを伸ばしているなど様々なトレンドが背景にはあるが、CoinSharesは9月の0.5ポイントの利下げ期待が後退したことで、出来高が減ったとも指摘。先週の出来高は76億ドル(約1.1兆円)で、前週の約半分に減少したとしている。
先週は金融市場に影響を与える指標として、米国の生産者物価指数(PPI)と消費者物価指数(CPI)に注目が集まっていた。どちらも9月の利下げを後押しする結果だったとの見方が多いが、CPIのコア指数の前年比が3.2%と市場予想通りだったことなどから、0.5ポイントの利下げ期待は後退したとされている。
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CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)のFedWatchツールによると、本記事執筆時点では9月に0.25ポイント利下げする可能性が76%、0.5ポイント利下げする可能性が24%。
8月5日時点では0.5ポイント利下げする可能性が85%あったことから、今月2日発表の米雇用統計の結果などを受け、以前は仮想通貨相場で0.5ポイントの利下げが織り込まれていた可能性がある。
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個別のデータ
銘柄別に見ると、ソラナの金融商品から過去最大の流出があった模様。流出額は3,900万ドル(約57億円)で、CoinSharesは「ソラナ上でミームコインの取引高が急激に減少していることが影響している」との見方を示した。
また、今回最も流入額が大きかったのはビットコインの金融商品で、合計4,200万ドル(約61億円)。その前の週で最も流入額が大きかったイーサリアムの金融商品は、先週は420万ドルの流入だった。
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なお、国別の純流出入のデータは以下の通り。米国が最も流入額が多く、6,200万ドル(約90億円)だった。
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