ビットコイン戦略も奏功か
ブロックチェーン分析企業Arkhamは15日、マイクロストラテジー(MSTR)の株価の2020年8月以降のパフォーマンスが、米株価指数「S&P500」に採用されているどの企業よりも高いとする分析結果を公開した。
マイクロストラテジーは上場企業の中で、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)を最も多く保有する企業。現在も継続的にビットコインを買い増ししており、その購入戦略は株の投資家からも注目を集めている。
𝗠𝗶𝗰𝗿𝗼𝘀𝘁𝗿𝗮𝘁𝗲𝗴𝘆 𝗵𝗮𝘀 𝗼𝘂𝘁𝗽𝗲𝗿𝗳𝗼𝗿𝗺𝗲𝗱 𝗘𝗩𝗘𝗥𝗬 𝗖𝗢𝗠𝗣𝗔𝗡𝗬 𝗶𝗻 𝘁𝗵𝗲 𝗦&𝗣 𝟱𝟬𝟬 𝘀𝗶𝗻𝗰𝗲 𝗔𝘂𝗴𝘂𝘀𝘁 𝟮𝟬𝟮𝟬. pic.twitter.com/ejbGUXU0pZ
— Arkham (@ArkhamIntel) October 14, 2024
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同社の株価は本記事執筆時点で193ドル台(時間外取引)。前日比では下落しているが、年初来では180%超、5年前比では1,250%超上昇している。一方、S&P500は年初来では23%超、5年前比では95%超の上昇率である。
マイクロストラテジーは、2020年8月から大規模なビットコイン購入を開始。その後、社債などを発行して資金調達をしつつ、大規模なビットコイン買い増し戦略を続けてきた。最近は、インフレ・為替ヘッジをきっかけにして企業がビットコインを保有する動きが広がってきている。
一方で投資家は、企業がビットコインを保有する戦略を、株式市場における新たな評価軸として認識し始めてきた。それは、伝統的な金融市場の枠組みの中で、新興の仮想通貨市場への間接的なエクスポージャーを得ることができるからである。
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なお、S&P500にマイクロストラテジーが採用されることを期待する声もあるが、「Cointelegraph」によれば業績がまだ不十分との指摘があり、株価のパフォーマンスが高くても即座に採用される可能性は低そうだ。今後採用されることがあれば評価が高まり、株価の上昇を後押しする可能性がある。
関連ETFが急成長
マイクロストラテジーを巡っては先月、同社の株価を追跡するETF(上場投資信託)が好調な成績をおさめていることが関心を集めていた。具体的には、マイクロストラテジーの株価の日々の動きの1.75倍に基準価額が連動するように運用される「MSTX」と、株式の2倍を追跡することを目指す「MSTU」がある。
ブルームバーグでETFのシニアアナリストを務めるエリック・バルチュナス氏は先月27日、類似のETFが2つ発売され、両方とも好調であることは思いがけなかったと驚きを示した。
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マイクロストラテジーのマイケル・セイラー会長は今月、今後について「ビットコイン銀行のリーダーになり、時価総額が1兆ドル(約149兆円)規模の企業に成長することを目指す」と語った。
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