海外業者向けの法整備
金融庁は、外国に本社を置く仮想通貨交換業者の破綻時に国内資産が海外へ流出するリスクを抑制するため、資金決済法の改正を検討中。日本経済新聞が6日に報じた。
この法改正により、顧客から預かった国内資産の海外持ち出しを禁止する「保有命令」の規定が新設される見込み。これまで保有命令は金融商品取引法に基づく登録業者のみが対象だったが、この改正により、資金決済法の下で登録している全ての仮想通貨交換業者に適用されることになる。
この法整備の背景には、2022年に発生した米国の大手仮想通貨取引所FTXの破綻がある。当時、FTXの日本法人は金融商品取引業の登録をしていたため保有命令を発出できたが、そうでない場合、国内資産が海外に流出するリスクがあった。金融庁はこの事例を教訓に、資金決済法にも同様の規定を設ける必要性を認識したという。
現在、日本国内で仮想通貨交換業の登録を受けている業者は29社存在する。国内業者に関しては、既存の法律で資産の海外流出を防ぐ措置が講じられているが、この法改正が実現すれば、業者の本社所在地に関わらず、破綻時に顧客の資産を保護する体制が整うことになる。
金融庁はこれまで、LBankやBybit、MEXCなどの海外仮想通貨取引所に対し無登録で仮想通貨取引を提供しているとして警告してきた。
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