NFTでレーシングマシンをカスタマイズ
株式会社NTTドコモは20日、ブロックチェーンゲーム「GT6551」を開発し、2025年春に提供開始すると発表した。カーレースをモチーフとしたゲームで、ユーザーはNFT(非代替性トークン)により独自のレーシングマシンを作成することができる。
NFTはイーサリアム(ETH)規格ERC6551を採用。この規格は、複数のNFTを組み合わせて一つにまとめる機能を持っている。
これにより、ユーザーはレーシングマシンのNFTに、車のパーツなどのNFTを自由に組み合わせ、それらを一つにまとめた独自のNFTアイテムを作成することが可能だ。作成したレーシングマシンはユーザーオリジナルのコレクション(資産)として所有できる。
ドコモによると、こうした複数NFTによるNFTカスタマイズ機能を持つゲームの提供は世界初となる。
具体的には、レーシングマシンの性能やデザインに影響する「部品NFT」「性能NFT」、レーシングマシンに搭乗するドライバーである「ドライバーNFT」を選べる格好だ。
「部品NFT」には、サスペンション、ボディ、タイヤその他があり、「性能NFT」には燃費、加速、ハンドリング、最高速度その他がある。手に入れたパーツは売買することも可能である。
「GT6551」では、3D視点のレーシングコースを最大4人で対戦。ドリフト走行や加速アイテムなどを使ってスピードを競う。
NFTとは
「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ブロックチェーンゲームの「デジタルアイテム」交換などに用いられるのみならず、高額アート作品の所有権証明や、中古販売では実現の難しかった「二次流通市場」における権利者(クリエイター)への画期的な還元手段としても注目を集める。
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独自メタバース「MetaMe」で提供
このゲーム「GT6551」は、ドコモのメタバースサービス「MetaMe」上で2025年春に提供開始する予定だ。ドコモは、これによって「MetaMe」の利用拡大を進め、新たな技術開発やサービス展開をしていくことで、Web3の普及と社会実装の加速をめざしていくとしている。
レースゲーム画面は、「MetaMe」内の配信空間「MetaMe生放送」などのプラットフォームで配信を行うことが可能。
また、「MetaMe生放送」の配信画面に、レース全体を俯瞰できる「観戦者モード」の映像を表示させることで、観客がアバターとなってレースを観戦、応援することもできる。配信にはOBS(Open Broadcaster Software)」などのソフトウェアが必要だ。
なお、NTTドコモは2025年1月29日よりベータ版も提供開始予定。ベータ版では、用意されたレーシングマシンを使ってレースを楽しむことができるが、NFTによるカスタマイズはできない。カスタム機能は春からの完全版で利用可能になる。
Web3への取り組み
ドコモはこれまでもWeb3に取り組んできた。22年12月には、ブロックチェーン技術などに取り組むNTT Digitalを設立。今年3月にはマルチチェーン対応の暗号資産(仮想通貨)ウォレット「scramberry WALLET」をリリースしている。
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また、4月にはブロックチェーンゲーム「Gas Hero」とのコラボNFTをリリース。MetaMeでの先行リリース分は即完売していた。
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