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送金決済サービスに関する規制見直し
加藤勝信財務大臣は7日の所信表明演説で、金融のデジタル化に対応した送金・決済サービスの規制見直しを表明。12日の財務金融委員会では、その具体的な内容が明らかになった。
金融庁企画市場局長の油布志行氏は、先月とりまとめられた金融審議会作業部会の議論に基づき、暗号資産やステーブルコインに関する包括的な制度改革案を提示した。
注目すべきは、暗号資産交換業者に対する「資産の国内保有命令」の導入だ。2022年の大手取引所FTX(グローバル版)の破綻を教訓に、利用者資産の保護を強化する狙いがある。
また、新たな制度改革として、暗号資産の売買仲介業が独立した業態として創設される。現行制度では、仲介業務のみを行う場合でも暗号資産交換業の登録が必要だったが、これを見直し、より効率的な規制の下で事業展開を可能にする方針だ。
ゲーム会社や通信会社など、幅広い顧客基盤を持つ事業者の参入が期待されている。例えば、ゲームアプリ内でのNFT取引や、暗号資産を活用した決済サービスの提供といった新たなビジネス展開が可能になる。
昨年11月の金融審議会 資金決済制度等に関するワーキング・グループの資料によると「所属制を採用し、仲介業者は特定の暗号資産交換業者の監督下で業務を行うことになる」見込み。利用者に損害が生じた場合は、所属先の交換業者が賠償責任を負う仕組みとなっている。この制度設計により、イノベーションの促進と利用者保護の両立を図る考えだ。
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暗号資産売買媒介を行う仲介業
ステーブルコインについても、信託型の裏付け資産の柔軟化を図る。具体的には、安全性の高い短期国債や一定の定期預金での運用を認める方向で検討が進められている。
加藤財務大臣は「制度見直しにより、ユーザーが安心して利便性の高い送金決済サービスを利用できる環境を実現したい」と述べ、利用者保護とイノベーション促進の両立を目指す姿勢を示した。
金融庁は今後、「信託業法の一部を改正する法律案」及び「資金決済に関する法律の一部を改正する法律案」として、これらの改革案を具体化していく方針だ。
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