- JPモルガン、イーサリアムブロックチェーンQuorumを利用し決済処理ネットワークを開始
- JPモルガンCEOダイモン氏が「ビットコインは詐欺だ」と発言している一方で、ブロックチェーンは積極的に同社で利用をしています。
- JPモルガン、Zcashプライバシー技術をQuorumブロックチェーンに統合
- ブロックチェーン技術革新の足かせとなっていたプライバシー問題が解決されました。
9月12日にビットコイン価格を30万円まで下げた、米大手銀行JPモルガンCEO ダイモン氏の発言「ビットコインは詐欺」は記憶に新しいかもしれません。
今回はそんなJPモルガンがイーサリアムブロックチェーンQuorumを利用した決済処理ネットワークプラットフォームのローンチ、そしてZcashを利用したプライバシー技術がQuorumブロックチェーンに統合のニュースです。
ブロックチェーン技術を使用した新しい決済処理ネットワークを開始
J.P. Morgan Chase&Coは、ロッキード・バンク・オブ・カナダとオーストラリアとニュージーランド・バンキング・グループとの提携により、ブロックチェーン技術を使用した新しい決済処理ネットワークを開始したと発表しました。
インターネット上のコンピュータネットワークによって維持されるトランザクションの共有元帳であるブロックチェーンは、ビットコインを支える技術です。
JPモルガンCEO ダイモン氏によると、インターネットバンク情報ネットワークはより少ないステップ、より迅速で安全なセキュリティをサービス利用者に届けることを可能にすると述べました。
9月に「ビットコインは詐欺だ」と発言し、大きく仮想通貨市場に影響を与えたダイモン氏はビットコインなどの仮想通貨は反対していますが、ダイモン氏を含めた他の銀行役員はこの技術を賞賛しています。
JPモルガンと競合他社の多くは、証券決済、ローン取引、国際貨幣移動などのプロセスのコストを簡素化し、削減するために、技術に何百万ドルも投資してきました。
その結果、JPモルガン Treasury Servicesのグローバル決済や外貨の責任者であるEmma Loftusは以下のように述べています。
「ブロックチェーンの機能により、グローバルな銀行間で重要な情報をどのように調達し、交換できるかを再考することができました」
このネットワークには、JPモルガンによって開発されたブロックチェーン技術であるQuorum(EthereumのスタートアップEthLabと提携して開発)が搭載されており、他の銀行も今後数ヶ月以内に参加する見通しです。
JPモルガン、Zcashプライバシー技術をQuorumブロックチェーンに統合される
プライバシーに焦点を当てたパブリックブロックチェーンzcashの開発会社は、ゼロ知識セキュリティレイヤー(ZSL)をQuorumブロックチェーンに統合したことを発表しました。
Zcashについて詳しくはこちら↓
JPモルガンは2017年5月にZcash Company(zcashのオープンソース開発を管理する会社)と提携し、Microsoftからの支援を得るなど過去数年間を通して企業のブロックチェーンの研究と概念の証明に多額の投資をしてきました。
そして今回ブロックチェ-ンのより大きな発展を妨げていたプライバシーの問題を初めて解決できる形になります。
Zcashのプライバシー技術により、トランザクションに関するすべての識別可能な情報(ユーザーの公開鍵と取引金額を含む)が保護されさらにプライバシー強化がされます。
J.P. Morgan Is Launching a Payments Network Using Blockchain
Oct 16,2017 by Fortune
参考記事はこちらから
JPMorgan Integrates Zcash Privacy Tech Into Quorum Blockchain
Oct 17, 2017 by Michael del Castilloh
参考記事はこちらから
CoinPostの考察
JPモルガンCEOダイモン氏の「ビットコインは詐欺だ」発言からもわかるようにJPモルガン氏は仮想通貨は一時のバブルだと考えています。
しかし一方でJPモルガンはブロックチェーンに対しては積極的に投資をし、さらなる技術革新をもたらしています。
JPモルガンCEOを始め、ビットコインに対して将来性がないという意見をもつ要人は多数存在していますが、ブロックチェーン技術に関する否定はほとんどされていません。
そのように考えると、ブロックチェーンに関しては今後さらに多くの企業が注目することは間違いなのではないでしょうか。