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ナスダックの仮想通貨模擬取引の正体は? 新情報から見えた可能性と今後のシナリオ

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ナスダックの仮想通貨模擬取引の正体は?
本日情報が公開されたEris Xが仮想通貨の現物取引を一部機関を対象に試験的に提供しているとの内容から、ナスダックの模擬取引と多くの類似点があることが見えてきた。公開情報を基に、ナスダックを通したビットコイン取引の可能性と今後起こりうるシナリオを考察した。

ナスダックの仮想通貨模擬取引の正体は?

機関投資家向けの仮想通貨取引所Eris Xが新たに現物取引を一部機関を対象に提供していることが明らかになった。仮想通貨メディアThe Blockが関係筋の情報として報じた。

この発表に見えてきた動きとして、この現物取引の提供が先日明らかになったNasdaqのペーパー取引の正体なのではないか?ということだ。というのも、Eris Xのビットコイン取引がTD Ameritradeを通じて取引ができるなど類似点が多く確認されている。

本記事ではナスダックのビットコイン模擬取引として確認されたビットコインとライトコインの取引ペアが、「Eris Xの発表内容」と同一かどうかという点で、考察を行う。仮に同一である場合は、Nasdaqを通じて現物取引を提供する可能性が高まることになる。

ナスダックで取引が確認されている仮想通貨のペーパートレードペアとEris Xの取引テストの類似点は以下の通り。

  • 対応通貨の一致
  • 同一企業の関与
  • ティッカーシンボル
  • 「限られた参加者と公開ローンチに向けた準備」

これを受けCoinPost編集部ではすでに公開されているEris Xの取引に関する情報を分析。調査の結果、先日発表されたナスダック上で確認された仮想通貨のペーパートレード取引ペアがEris Xのものである可能性が濃厚だと見ている。

対応通貨

今週TD Ameritrade口座を通じてナスダックで確認された仮想通貨のペーパートレードにはビットコインとライトコインの2銘柄が現在見られている。

これはライトコインの創設者であるチャーリー・リー氏も情報を確かなものだと述べていた。

なお、この2銘柄はEris Xの対象銘柄として含まれている。現段階でEris X上で取り扱われることが確認されている仮想通貨は以下の通り。

  • ビットコイン
  • イーサリアム
  • ライトコイン
  • ビットコインキャッシュ

関連企業名

またもう一つペーパートレードがEris Xのものだと考えられる理由は同取引所への出資企業にある。

機関投資家向けの仮想通貨取引所として昨年10月に発表されたEris Xはマネックスグループやフィデリティなど大手21社が出資しており、その中には「Nasdaq」と「TD Ameritrade」の企業名も含まれていた

Eris Xの主な出資元には以下のような大手企業も参画している。

  • Fidelity
  • Cboe
  • Consensys
  • Nasdaq
  • Monex
  • Pantera Capital
  • TD Ameritrade
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公開ローンチに向けた準備

公開ローンチに向けた準備でも類似点が見られている。Eris Xの取引対象者で「限られた参加者と公開ローンチに向けて準備を重ねている」ことがわかっているいるほか、ナスダックもペーパートレードとして一部のユーザー向けに試験的な模擬取引の提供が行われている。共に実際に資金や現物の売買が行われておらず、類似点は多い。

Eris Xの仮想通貨取引を試している企業の中にはオンライン証券大手TD Ameritradeが含まれていることがThe Blockの報道でわかっている。取提供先の取引所も同一である点が二つの報道から見えてきた。

ティッカーシンボルの謎

また先日発表された際はナスダック上の仮想通貨取引ペアのティッカーシンボル「CXERX」が正体不明だったが、仮にEris Xの試験段階にある仮想通貨取引だった場合はある程度の説明ができる。

独自に5文字のティッカーシンボルを考察した際、以下の略称である可能性がある。

CXERX = Crypto eXchange ERis X

CXERXの5文字の中には「Eris X」の名称の中で最も特徴的な5文字「ERX」が含まれている。これらの類似点を踏まえると、ナスダックやTD Ameritrade上で確認されているペーパートレードが実は業界参入が期待されていたEris Xの現物取引に向けた動きだと考えられるだろう。

想定できるシナリオ

本日表明されたEris Xの仮想通貨取引ペアが実際にナスダックでペーパー取引されているのか、主に想定できるシナリオを以下のようにまとめた。

  • ナスダックがErisXの仮想通貨現物取引を提供する
  • ナスダックとErisXがそれぞれ別々の仮想通貨取引商品提供に向けて動いている

上記で一番現実的など考えられるのは「ナスダックがErisXの仮想通貨現物取引を提供する」ことだ。ナスダックは仮想通貨に対して前向きな姿勢を示しているが、実際に仮想通貨投資の本格参入をした場面はあまりない。

もう一点はNASASとEris Xがそれぞれ別々の仮想通貨商品提供を目指して行くとの見方だが、こちらも十分考えられる。

NasdaqやTD AmeritradeでEris Xの仮想通貨現物取引が実際に提供されることとなった場合、世界的な証券取引所や大手オンライン証券がビットコイン取引を提供することが大きな話題を呼ぶことが考えられるため引き続きNasdaq、TD AmeritradeとEris Xの動向には注目していくべきだろう。

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