CoinPostで今最も読まれています

ビットコインに資金集中、『アルトドレイン』にバイナンス・ショックが影響 専門家の意見は?

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

バイナンス・ショックでビットコイン8600ドル超え
アルトコインが急落し、ビットコインに資金が集まっている。その要因となるバイナンスの米国制限を解説。今後アルトがどうなるか、米国で取り扱われるアルトコインは?専門家の意見も。

バイナンス・ショック、ビットコイン高騰

ビットコインは日本時間15日、2日連続の続伸で約12日ぶりに米ドル建て8600ドル(約93万円)を超えた。

一方で、2ヶ月間右肩上がりの相場が続いていた時価総額7位に位置するBNBは、昨日仮想通貨取引所バイナンスより発表された米国のアクセス制限、いわゆる「バイナンス・ショック」を受け、一時10%以上の反落を記録。USDT建て32ドルまで価格を落とした。

出典:Binance.com

BTCとBNB、騰落率の差が鮮明になった要因として、昨日バイナンスが米国ユーザーへのサービス提供を9月12日より停止する発表を行なった事実にあると、業界から指摘が相次いだ。

米国ユーザーを多く抱えるバイナンスで、アメリカからのアクセス制限が行われた場合、アルトコインへの流動性に大きな影響が出るとの懸念が生じた。BNBのみならず、多くのアルトコインの売却による資金がビットコインやイーサリアムに流入してきているとの見方が広がった。

Binanceのアルトコイン出来高半減する可能性も

業界最大手のバイナンスは14日、「ユーザー利用規約」を更新し、新たに「米国ユーザーへのサービスを停止する」との制限を加えた。

この制限は9月12日より実施されるもので、利用規約を遵守しないユーザーに対して、本家Binance.comにて取引および入金が利用できなくなる。

この発表は、バイナンスが同日に「米国への進出」を発表した続報に該当するもので、米規制に遵守した「Binance US」を設立するために、まずはBinance.comの米法準拠を行うものとみられている。

BinanceUSは、BAMというサンフランシスコ本拠地の登録送金業者と提携することで運営を行なっていくとされるが、実際の日程は未定であり、アクセスの制限が市場には先行して悪材料と捉えられている。

出来高の影響は

出来高の影響として、493銘柄を取り扱うバイナンスの取引高の2〜3割を米国ユーザーが占めているとされるが、米大手仮想通貨メディアThe Blockのリサーチでは過去6ヵ月のバイナンスのアクセスにおいて、3000万ユーザーが米国から流入したものであり、実際の取引高比率はバイナンスの5割も占めているのではないかと分析も行われている。

このようなデータからも、バイナンスの米国を一時的に制限する動きは全体アルトコイン取引高に直接的な影響を与え得ると考えられる。

Alex Kruger氏の分析

著名経済・仮想通貨アナリストAlex Krugerは、バイナンスのニュースを受け、「アルトコインの厳冬が来たる。BTCと主要アルトコインにとっては吉報だ」とコメントした。

そして、上述のBNB反落を元に、Kruger氏はバイナンスを利用する既存の米国トレーダーや投資家が9月の米国サービス停止を案じて、時価総額が比較的に少ないアルトコインを売る流れ(逆FOMO)に遅れないようにすでに売却を行なっていると指摘し、実際のアルト急落チャートを提示した。

チャートが示すように、10%〜25%以上の下落を記録している通貨は時価総額が少ないもの、あるいはIEO銘柄に該当する。

しかし、このような反落現象は一時的だともKruger氏は述べている。

BNBの長期的展望は強気だろう。

バイナンス米国版の取引所は、本家Binance.comがいずれ直面しなくてはならない「規制リスク」を大幅に抑えるのだ。

昨日も言ったように、BNBの下落は買い戻しを促すものだ。

しかし、BNBを米国版で取り扱わない場合、BNBに対する需要は減少する可能性がある。ただし、これが導く結果として、相場の継続的クラッシュでなく、BNBのこれまでの優位性が抑えられ全体アルトコインのパフォーマンスのバランスが維持されることと捉えられるだろう。

米仮想通貨投資家にアルトコインの選択肢は激減か

上述したように、これまで米ユーザーはバイナンスを通じて、様々なアルトコインへのアクセス・取引を行なっている。

相対的に、米市場ではCoinbaseやGeminiといったNYビットライセンス持ちの取引所では、バラエティ豊富がアルトコインのラインナップを未だ取り扱っていない。理由は仮想通貨における連邦法律の不完備とSECによる有価証券問題の摘発の可能性にある。

PoloniexやBittrexのような多くのアルトコイン取引を提供する米国ベースの取引所も存在するが、両社とも先日不明確な規制や有価証券問題を元に、複数のアルトコインへのアクセスを米ユーザーからブロックする方針に出た。

このような環境で、アルトコインの法的ステータスは今後、米国で取引所を運営するバイナンスにとっても一つの大きな壁となると考えられる。

仮想通貨リサーチャーGoomba氏は今後、米ユーザーがアクセスできるアルトコインのリストを作成した。

このリストは、米国の規制を遵守し、取引サービスを提供する取引所が扱うアルトコインを踏まえた上で、今後バイナンス米国版が取り扱う・取り扱わない可能性のあるアルトコインの予想だ。

出典:Goomba

PoloniexやKrakenも取り扱うADAや、ETC、LSK、BAT(Coinbaseも対応)などの主要アルトコインは引き続きバイナンス米国版でも取り扱う可能性はあるとしている。

一方、【X】がつかない、白い枠にあるアルトコインは既存の米国仮想通貨取引所が取り扱っていないため、バイナンス米国版もそれらを取り扱う可能性が低いとしている。例えば、バイナンスのIEO通貨MATICやONEなども圏外になると予想されている。

なお、Goombaは、バイナンスがこれまでの法定通貨建て取引所バイナンスジャージー、バイナンスウガンダ、バイナンスシンガポールがサービス開設以来、BTC・ETH・BNBしか取り扱っていないため、バイナンス米国も最初は同じ道を歩み、すぐには多くのアルトコインを上場しないと見ている。

有価証券問題で揺れる米仮想通貨市場へ進出するバイナンスは、今回の動きで業界の多くに不安を与えているかもしれないが、昨日バイナンスのCEOを務めるCZ氏は、米国ユーザーに対するブロックについてこのように前向きなコメントした。

長期利益を得るためには、短期的な痛みも必要だろう。我々はすべての短期痛みを長期利益に変えることに努めている。

CZ氏のコメントを見る限り、アルトコイン取引高の減少などに関しては、さほど心配していないと読み取れるだろう。

Binanceなどの重要な情報記事

仮想通貨取引所バイナンス、9月より米国ユーザーへのサービスを停止|米国進出のため
Binance USの開設を発表した世界最大手の仮想通貨取引所バイナンスは、米規制を遵守するため、米国ユーザーへのサービス提供を9月12日より停止する。USへの引き継ぎタイミングが注目される。
『週間・仮想通貨市況』ビットコインと主要アルトコイン重要ニュースまとめ|6/8〜6/14
ビットコインや主要アルトコイン価格など仮想通貨市況に影響のあったものを中心に、直近1週間のニュースを選別。ビットコインの価格推移のほか、バイナンスの発表やBakktの先物テスト日確定など、注目ニュースが続いている。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
09/20 金曜日
07:15
キヨサキ氏「米利下げで金・銀・BTCの価格は上昇へ」
『金持ち父さん 貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキ氏は、米FOMCの会合に合わせ、ゴールド、シルバー、仮想通貨ビットコインの価格が上昇しようとしているとXで予想。改めて購入を呼びかけている。
06:45
ドイツ政府、47の仮想通貨取引所を閉鎖 マネロン違反で
ドイツ警察当局は、マネーロンダリングを含む犯罪行為に関連しているとされる47もの仮想通貨取引所を閉鎖したことを19日に発表した。
06:15
ソラナの猫系ミームコイン「MEW」、韓国アップビットへ上場 価格高騰
韓国仮想通貨取引所大手アップビット(Upbit)は19日、仮想通貨ミームコイン「MEW」を新規上場した。
09/19 木曜日
17:48
「SECの仮想通貨規制は市場混乱を招く」米下院公聴会で厳しい批判
米国下院金融サービス委員会の公聴会で、証券取引委員会は「仮想通貨市場に更なる混乱と不確実性をもたらした」として、厳しく批判された。元SEC委員の証言では、議会主導の包括的な規制枠組みの必要性が強調された。
17:39
ゼロ知識証明の利点と課題:汎用性の高さと多彩なユースケース|WebX2024
WebX2024で業界トップの専門家が、ゼロ知識証明の可能性について語った。スケーラビリティ、プライバシー、セキュリティの向上から、AIや金融分野での革新的応用までの幅広いトピックで意見を交換した。
14:30
テザー社、これまでに不正ウォレット凍結で160億円を回収 市場シェアは75%に到達
テザー社が不正資金対策の成果を報告。世界180の当局と協力し、1,850以上のウォレットを凍結。USDTの市場シェアは75%に拡大。
14:08
FOMC後に上昇加速したビットコイン相場をプロが解説|寄稿:仮想NISHI
米連邦公開市場委員会(FOMC)後に上昇した暗号資産(仮想通貨)相場の今後の展望は? ビットコイン相場とデリバティブの最新データについて、SBI VCトレードのアナリスト「仮想NISHI」が解説した。
13:20
ソラナスマホ「チャプター2」、「Solana Seeker」へと改名 Helium無料サービスなど搭載
ソラナラボ傘下のスマホ子会社「Solana Mobile」は19日、二代目のスマートフォン「チャプター2」を「Solana Seeker(ソラナシーカー)」へとリブランディングしたことを発表した。
12:55
Bitgetら2社、TONへの42億円の投資を発表
TONエコシステムの発展を支援することを目的に、BitgetとForesight Venturesが42億円の投資を発表。仮想通貨TONを大口保有者から入手することで投資を行うという。
11:20
三菱商事のDREAMが推進する不動産投資、トークン化されたSTファンドの新たな展開
ダイヤモンド・リアルティ・マネジメント株式会社、みずほリース株式会社、およびエムエル・エステート株式会社は18日に、適格機関投資家向け不動産STOファンドを組成した。
09:45
米SEC、仮想通貨DeFiプラットフォームRari Capitalと和解
SECがRari Capitalの利回りサービスの問題点を告発・和解。未登録ブローカー活動や誤解を招く宣伝などで和解に至った経緯を解説。
08:25
米FRB、0.5ポイントの大幅利下げを決定
米FRBはFOMCの会合で0.5ポイントの大幅利下げを決定。金融政策の転換がビットコインなどの仮想通貨相場の追い風となるか注目が集まっている。
08:05
米国初、ルイジアナ州政府 ビットコインライトニングに対応 
ビットコインの支払いの仕組みについては、政府間取引のための仮想通貨変換サービス「Bead Pay」によって米ドルに変換される。政府としては、ビットコインを直接保有したりしない。
06:55
トランプ氏、ニューヨークのバーで初めてのビットコイン決済
米国のドナルド・トランプ前大統領は18日、大統領選に向けたキャンペーンで、ニューヨーク市のバー「PubKey Bar」を訪問し仮想通貨ビットコインを使ってチーズバーガーを購入した。
06:20
仮想通貨ALEOとZETA、コインベースへ新規上場 価格高騰
仮想通貨取引所大手のコインベースは19日、2銘柄の新規上場を発表した。ZETAは価格が高騰している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
重要指標
一覧
新着指標
一覧