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米SEC、職員が企業に法的調査を行う際のハードル引き上げか=報道

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

調査に幹部の承認求める可能性

米証券取引委員会(SEC)に所属する法律家は、企業などに対して自主的な調査を行う前に、幹部から承認を取らなければいけないと伝えられた模様だ。関係筋の情報として、ロイター通信が報じた。

これまで、執行スタッフは独自の裁量で調査を進める場合もあったが、これからは、企業に調査のための召喚状を発行するにあたって、委員会に承認を得て正式な調査命令を発行する必要が生じる格好だ。

これは、ドナルド・トランプ新政権における、SECの新体制の下で行われた動きだとされる。

職員の自主性が奪われるという意見がある一方、SECの意思決定プロセスが、ビジネスやイノベーションにより優しいものになるという見方もされているところだ。

関連: トランプ米大統領が政府系ファンドの設立を指示 ビットコイン投資への期待も

SEC(証券取引委員会)とは

株や債券などの証券の取引を監督する米国の政府機関のこと。1934年設立。公正な取引の確保と投資家保護を目的としており、インサイダー取引や企業の不正会計、相場操縦などを防止する。仮想通貨が有価証券に該当するかという判断も行う。

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「法執行リソースの適切な配分」へ

SECではゲンスラー前委員長の退任後、仮想通貨を擁護するマーク・ウエダ氏が委員長代行に就任している。ヘスター・パース委員と共に、SECによる過度な仮想通貨企業の取り締まりを内部から批判してきた人物だ。

SECは1月、パース委員をリーダーとする仮想通貨業界向けの特別タスクフォースを設立した。ウエダ氏は、SECがこれまでしばしば新規で未検証の法的解釈を採用してきたと指摘。また、登録が必要な事業者など規制の明確化を図っていく。

さらに、タスクフォースは「法執行リソースの適切な配分」にも焦点を当てるとしていた。このため、仮想通貨企業に対する調査や訴訟を行う上で、SEC内部での審査がより厳密になる可能性もある。

仮想通貨に関しては、バイデン政権下でSECはバイナンス、コインベース、リップル社を始めとする企業に、未登録証券とみなされるトークンを提供しているとして訴訟を起こしてきた。

こうした活発な訴訟活動について、今後はその内容や数などが見直される可能性も浮上している格好だ。

仮想通貨カストディのハードルであったSAB121を撤回

また注目される動きとして、新体制のSECは、銀行などが仮想通貨カストディ事業に参加する上でのハードルになると懸念されていた職員会計公報121号(SAB121)も撤回している。

このSAB121に関しては昨年、米国の上院下院の両方共に、不承認とする決議案を可決していたが、これにバイデン大統領が拒否権を発動して有効とされていたところだ。

関連: 米SEC、仮想通貨カストディ事業の壁となる「SAB121」ルールを撤回

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