はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

反政府デモが激化する香港と通貨急落のアルゼンチンで「BTCプレミアム」が発生

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

情勢不安の香港とアルゼンチンでBTCプレミアム発生
政情が不安定な状態が続いている香港とアルゼンチンで共にビットコイン価格にプレミアムが発生しているとの見方が浮上。背景が異なる地域におけるビットコインの市場状況を考察。

情勢不安が続く香港とアルゼンチンでビットコインプレミアムが発生

米8月14日、ニューヨーク株式相場が大幅に反落する中、金先物は反発した。米中貿易摩擦をはじめとする世界情勢の悪化が懸念される中、金現物相場も急伸を続けており、安全資産としての金の価値が再確認される形となった。

一方、ビットコインをはじめとする仮想通貨相場は、急激な下落に見舞われ、資産の逃避先=デジタルゴールド=資産の逃避先としてビットコインの地位が確立する日が、先延ばしになった印象は否めない。

なお本日、コインポストが報じたように、一部の有識者はビットコインが規模の大きいグローバル経済においては、いわゆる安全資産性を発揮することが難しいとも指摘している。

関連ビットコイン 1万ドル割り、安全資産性に陰りか

一方、香港やアルゼンチンといった、政情不安がより顕著な地域では、事情は異なるようだ。

香港の状況

まず、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例 」改正案を巡る抗議活動が、ますますエスカレートし混乱の続く香港では、ビットコインが約4%のプレミアムで取引されていると、14日米メディアのBloombergが報じた。

また、ビットコインのP2P取引サイトLocalBitcoinsのデータによると、香港における15日執筆時の希望売値には、176米ドルから596米ドル(1.7%から5.8%)のプレミアムをつけてリストされている。

このような『香港プレミアム』は、デモが地元警察によって強制排除される始めた6月から観測されている。6月のロイターの報道によると、法案が可決された場合(現在:法案が廃止された)、中国本土の裁判所が、本土で行われた犯罪に関連する資産を凍結し押収するよう、香港の裁判所に要請することができるため、一部の香港の富裕層は、資本をシンガポールなど海外へ逃避させ始めているという。その手段の一つとして、ビットコインが利用される可能性もあったという。

そして10週間にわたり反政府デモの続く香港では連日の空港占拠および抗議活動による欠航・機能不全の状態は14日より、改善が見られている。しかし、抗議の行方や中国政府の今後の対応における不透明な点が未だ多い。

関連13日の市況、香港やアルゼンチン

アルゼンチンの状況

アルゼンチンでは、11日に実施された大統領予備選挙において、野党左派のアルベルト・フェルナンデス元首相が、現職のマウリシオ・マクリ大統領に大差をつけ首位となったことで、金融政策の先行きに不安が広がり、同国資産が急落する中、通貨アルゼンチンペソは、中央銀行の為替介入にも関わらず、一時36%急落、過去最安値を更新した。

米ロサンゼルスを拠点とする仮想通貨ヘッジファンドArca 最高経営責任者のRayne Steinberg氏は、極端な通貨安と政情が不透明な状況において、ビットコインが、最後の砦となりつつあるとして、次のように述べている。

先週だけ見ても、ビットコインはアルゼンチンペソ建てで約50%上昇しており、現地取引所では、かなりのプレミアムで取引されている。同様のショックを経験したベネズエラや香港、トルコに、アルゼンチンも加わった。

アルゼンチンペソ建てで見ると、ビットコイン価格は高止まりしている。

出典:coingecko.com

LocalBitcoinsのデータを元に10%のプレミアムがついているとの報道もあるが、一方では、アルゼンチンにおけるビットコインの普及は、それほど進んでいないとする意見も見られる。

アルゼンチン出身の経済アナリストAlex Kruger氏 は、技術分野関係者を除くと、アルゼンチンにおけるビットコインの知名度は非常に低いため、その市場は小さく、流動性に欠けるものだと述べた。ごく一部の投資家の買いが価格を釣り上げた可能性が高いと見ている。

さらに、過去にも通貨危機を経験しているアルゼンチンでは、米ドルが準通貨として流通しており、ブラックマーケットも確立されているため、通貨安へのリスクヘッジは米ドルで行うことが主流だとしている。ビットコインに対する認識の低さに加え、アルゼンチンペソでビットコインを購入する手段も限られていることが、ビットコインが普及しない一因だと説明した。

参考:localbitcoins

CoinPostの関連記事

重要サポート割れでビットコイン(BTC)大幅続落、閑散続くアルト相場の関心指数は?|仮想通貨市況
ドル円、米国株急騰の影響で下げ足を強めた仮想通貨ビットコインチャート。軟調な展開続くリップルやイーサリアムのアルトコイン情勢では、検索ボリューム推移考察から一般投資家の関心指数が露わに。
韓国と他国の仮想通貨価格差が減少、「キムチプレミアム」は影を潜める
他国の市場と比較し、韓国内で仮想通貨価格が高騰する現象が最近見られなくなった。最大で54.48%あったという価格差が減少している背景には、法定通貨ウォンの下落などの要因があるとみられる。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/20 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、投資会社創設者によるETH1万ドル到達予測やXRPの最高値更新など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン1800万円目前で揉み合い、米規制緩和進展が下値支え|bitbankアナリスト寄稿
ビットコイン(BTC)対円相場が1800万円を窺う展開。史上最高値更新後の高値揉み合いが続く中、米下院でのジーニアス法案可決など規制緩和の進展が相場を支援。トランプ政権の仮想通貨政策レポート公表を22日に控え、戦略的ビットコイン備蓄の具体策にも注目。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|トランプ大統領による米初の仮想通貨包括規制法署名に高い関心
今週は、ビットコインの価格予想、古参ビットコイン大口保有者の動向、トランプ大統領による米初の仮想通貨包括規制法への署名に関する記事が最も関心を集めた。
07/19 土曜日
13:50
トランプ一族関連のWLFI、4.5億円分のイーサリアムを追加購入 総額370億円超に
ワールド・リバティ・フィナンシャルが861ETHを新規購入し、総保有量は70,143ETHに到達。仮想通貨法案可決が追い風に。
13:20
ジャック・ドーシーのブロック社、S&P500指数に追加へ
ジャック・ドーシー率いるブロック社がS&P 500指数に追加される。株価は時間外取引で10%以上上昇した。同社は米国製の新ビットコインマイニングチップを年内発売予定だ。
11:30
ピーター・ティール支援の仮想通貨取引所ブリッシュがIPO申請=CNBC
元NYSE社長トム・ファーレイ率いるブリッシュが証券取引委員会にIPOを申請。コインデスク買収実績を持つ同社の上場計画と業界動向を報告。
11:02
著名アナリストが分析、「ビットコインからイーサリアムへ資金移動、アルトシーズンの兆し」
ウィリー・ウー氏らがアルトシーズン開始を予測。仮想通貨ビットコインからイーサリアムへの資金ローテーションが本格化し、アルトコイン市場の上昇環境が形成。
10:05
JBA、暗号資産アンケート 分離課税20%導入の場合84%が投資増額意向
日本ブロックチェーン協会が暗号資産税制アンケート結果を公表した。保有者の84%が分離課税20%で投資増額すると回答した。また、10人に1人以上が暗号資産を保有などの結果も出た。
08:50
仮想通貨全面高の一週間、米下院クリプトウィーク振り返りと今後の見通し|仮想NISHI
今週の仮想通貨市場は、米下院で開催された「仮想通貨週間」において、ビットコインが史上最高値となる12万ドルを超える展開となった。アルトコイン市場においても大幅な上昇が見られた。
08:30
リップル発行のRLUSD、ブルーチップから最高評価獲得
独立の格付け機関ブルーチップがリップルのRLUSDステーブルコインにA評価を付与。BNYメロンでの準備金管理と堅牢なコンプライアンス体制などが評価された。
07:30
「米SECはトークン化の規制例外措置を検討中」アトキンス委員長
米SECのアトキンス委員長が、SECは証券のトークン化における規制の例外措置を検討していると明かした。RWAのトークン化は仮想通貨・ブロックチェーン領域で大きなトレンドになっている。
07:00
「保有していれば国家債務削減できたか」ブルガリア政府が2018年に手放した21万ビットコインの現在価値
ブルガリア政府が2018年に売却した21万3500BTCの仮想通貨ビットコインの現在価値は250億ドル超。同国債務の約8割に相当する巨額損失として話題に。
06:20
米上場ビットデジタル、イーサリアム保有量12万ETHに拡大
米ナスダック上場のビットデジタル社が18日、6730万ドルの資金調達で19683ETHの仮想通貨イーサリアムを追加購入。総保有量は120,306ETHで、時価4.24億ドルに拡大。
05:40
トランプ大統領がステーブルコイン法案に署名、米初の仮想通貨包括規制法が成立
トランプ大統領が19日、ステーブルコイン規制枠組みを定めるGENIUS法案に署名し米初の仮想通貨包括規制法が成立。2500億ドル規模のステーブルコイン市場に明確な規制導入。
07/18 金曜日
17:36
JBA、仮想通貨の税制改正「5項目」提言 申告分離課税20%など
日本ブロックチェーン協会が7月18日、暗号資産の税制改正要望書を政府に提出。最大55%の総合課税から20%分離課税への移行、損失繰越控除、暗号資産同士の交換非課税など5項目を要望。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧