CoinPostで今最も読まれています

中銀デジタル通貨の基盤技術「ブロックチェーン採用は多くの検証が必要」=MITビットコインEXPO

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「ブロックチェーンは中央銀行発行のデジタル通貨(CBDC)に最適とは限らない」

3月7日から8日にかけて、マサチューセッツ工科大学(MIT)でMITビットコインEXPOが開催。中央銀行出身者3名が登壇し、中央銀行発行のデジタル通貨(CBDC)の発行について見解を述べた。

CBDC発行について賛成することで3名の見解が一致するも、基盤システムとして、ブロックチェーンをはじめとする分散台帳技術を採用することについては、未だプライバシーや技術面などから検証が必要はあると指摘した。パネリスト3名の見解を紹介する。

パネリストらは一致してCBDC発行に同意

国際通貨基金(IMF) Sonja Davidovic氏

CBDCが発展途上国の送金環境を改善する余地があると説明。カリブ海地域の諸島では、家族が異なる島々に離れて暮らしているが、島をまたいだ送金の手数料が非常に高いことで、現金の流通性が大幅に向上する事例を挙げた。

ボストン連邦準備銀行 Bob Bench氏

「すでに数多くのデジタル決済サービスや仮想通貨が存在するが、世界多くの人々はこれらの決済手段を利用できていない」と指摘。デジタル決済サービスの提供は、CBDCの発行が鍵になると主張した。

元イングランド銀行 Robleh Ali氏

CBDCは先進国の経済にとってもメリットがあると主張。すでに企業が展開している便利な決済サービスについて、「各企業に潜在的なリスクが存在する。リスクを加味すると、決済や通貨の管理は国家が主導することが望ましい」と主張した。

コスト面でも、CBDCの発行によって紙幣の印刷コストや偽造防止コストなどが大幅に削減できることが挙げられた。

分散台帳にはプライバシーやセキュリティに関する課題も

パネリストらによると、仮想通貨は金融の効率性を高める重要なツールである一方で、プライバシーや技術的な問題などの弱点も存在する。

国際通貨基金(IMF) Sonja Davidovic氏

分散台帳には利点があるが、「ブロックチェーンという言葉が先行しているせいで、中央銀行は十分な検証をせずにこれらの技術を活用しようとしている」と指摘。分散台帳の導入時には、慎重な技術的検証が欠かせないと警鐘を鳴らした。

ボストン連邦準備銀行 Bob Bench氏

ビットコイン(BTC)を例に挙げ、CBDCにはBTCより強固なセキュリティ、高速なトランザクションが求められる、と主張した。

元イングランド銀行 Robleh Ali氏

CBDCのシステムは分散台帳と従来の中央集権管理システムとを混合させたものになると指摘。各中央銀行がそれぞれの事情に合わせてシステムを選択するべきである、と述べた。

CoinPost App DL
記事提供:THE BLOCK
THE BLOCKとは

Cryptoにおける”最初で最後の言葉”であること。
The BlockはCryptoにおける最高クオリティで最重要のシグナルをお届けします。日々、Website、Newsletter、Podcast、イベントを通じて、業界で最も影響力のある人々にリーチしています。

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。
10:00
ソラナ初事例、パラオ共和国がデジタルID発行
主権国家が仮想通貨・ブロックチェーンであるソラナ上で、法的アイデンティティを発行する初めての事例となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア