仮想通貨市場とビットコイン
週明け18日の暗号資産(仮想通貨)市場。 ビットコイン(BTC)価格は、前日比-1.16%の374万円(36,100ドル)と揉み合いに。
4万ドルまで大幅反騰するも節目で再反落。その後陰線が続くなど、上値の重さ(売り圧力)をみせている。下優勢の局面に移行しつつあるが、日足の保ち合いを形成しており、しばらくは直近安値3万ドル・直近高値4万ドル内での大きめのレンジが続く可能性もありそうだ。
大口の購入価格
大口投資家を示す「クジラ」の購買行動を可視化したWhalemapによれば、約28,700ドル〜29,300ドル、31,400ドル〜32,800ドルで、ウォレットへの巨額のインフローが記録されている。
緑のバブルは、大口ウォレットがビットコインを購入した価格帯を示しており、下値支持帯として意識される可能性がある。一方でクジラが一斉に撤退行動に出てサポートを割れた場合、大きく崩れるおそれもあるので注意したい。
ビットコイン価格が16,000ドル台まで上昇した20年11月中旬には、一部の機関投資家が12,000ドル〜15,000ドルの範囲でビットコインを大量に買い集めていた痕跡が確認されていた。
関連:ビットコインの「くじら」、過去最多に──価格下落時に買い増しか
Pantera Capitalの強気予想
仮想通貨の大手投資ファンドPantera Capitalは、仮想通貨BTC(ビットコイン)価格が、今年8月までに115,212ドル(1,200万円)に向かう可能性があるとの認定投資家向けレポートを公開した。
同予測は、ビットコインの供給/フローの減少を「半減期」時点でのBTC発行数と比較し、その後の価格への影響を比較・検証したデータに基づいている。
最大発行数2100万枚が定められ、4年ごとの半減期の度に「ブロック報酬」が半分になるビットコイン・プロトコルのマネーサプライ機能は、米国政府などが行う新型コロナ対策の大規模量的緩和(QE)とは真逆に位置する。
過去の半減期を分析すると、供給量が絞られて約6か月後に訪れる強気相場のピークまで、平均446日を要していた。このサイクルで歴史が繰り返されるとすれば、ビットコインは21年夏頃にピークに達することが想定されるという。
香港のアナリストAndy Yee(@ahkyee)氏は、Pantera Capitalのレポート内容について、仮想通貨市場全体における各通貨のシェアが3年前の仮想通貨バブルとは明確に異なると指摘した。
This rally is different.
— Andy Yee (@ahkyee) January 16, 2021
Massive shift from high-speculative, non-functioning tokens in 2017 to #Bitcoin and #Ethereum today, according to @PanteraCapital. pic.twitter.com/hhNU7Lhv6V
データを確認すると、2017年末かけて流行した資金調達手段「ICO(イニシャル・コイン・オファリング)」の特需で高騰した、ほとんど機能していないトークン(投機需要で着目されたアルトコイン)の大半が、その後3年間で軒並み規模を縮小し、ビットコイン及びイーサリアムに資金が集中。「現在はBTC、ETHの2銘柄だけで全体シェアの86%を占めており、他の約5,000に上るトークンは全て合わせても14%に過ぎない」と主張した。
ビットコインに資金を投じる機関投資家の大幅増加に加え、主にイーサリアムネットワーク上に構築され、急成長をみせる分散型金融(DeFi)経済圏の成長が含まれる。
2020年にビットコインファンドの資産運用で+299%のリターンを収めたPantera Capitalは、2021年もビットコイン価格を押し上げてきた以下のトレンドが継続することを予想している。
- 前例のない米ドル増刷(インフレーション)
- マイナス金利などの金融緩和政策
- 分散型金融(DeFi)の持続的成長
- 継続的な制度的関心
一方、ビットコインファンドを運用するPantera Capital予想はポジトークが含まれる可能性が高く、過去の半減期相場同様の上昇トレンドが継続した場合の理論値であるため、BTC相場が下落トレンドへと転換した場合はこの限りではない。