「権力をゲーム会社からユーザーへ」
2018年設立のゲーム開発会社Gala Gamesは、ビデオゲームの広告として毎年使われている約4000億ドルの一部をプレイヤーへ帰属させることを目指すだけでなく、ブロックチェーン技術を活用したゲームアイテムの資産化に取り組む企業だ。
Gala Gamesのブロックチェーン部門責任者であるJason Brink氏は、「権力を大企業の手からゲーマーの元へと返すことにより、ゲームを根本的に変容させることができる」と述べる。彼らのチームにはゲーム業界の大手からベテランが集結しているのも特徴だ。
「世界最大かつ最も成功したゲームエコシステムの1つになる」という大きな野望を抱くGala Gamesの現状、そして今後のビジョンなどを紹介する。
Gala Gamesエコシステム
Gala Gamesは、Web3技術をベースに構築されており、プレイヤーが自分のゲーム体験を「所有」できるゲームプラットフォームを目指している。ブロックチェーン取引とプレイヤーが所有するNFTは、Gala Gamesエコシステムのゲーマーが、かつて体験したことのない自由度とコントロールをもたらすとのことだ。
Gala Gamesでは既に複数のゲームが運営されており、ゲーム中で得たアイテム等はブロックチェーン上で取引できるようになっている。それらのアイテムはERC-1155トークンとして発行され、仮想通貨を対価に売買することも可能となっている。
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先月6月に、Gala Gamesはゲーム部門の社長として、過去にエレクトロニック・アーツ社(EA)のモバイル部門の製品責任者を務め、Zynga社でも活躍しているオズバルド氏を招き入れ、また有名ゲーム製作スタジオとも人材面で提携し、メンバー強化に取り組んでいる。
主要メンバー
エリック・シャーマイヤー(Eric Schiermeyer)
Gala Games CEOのシャーマイヤー氏は、大規模なユーザー数を抱えるソーシャルゲーム会社、Zyngaの共同設立者。ゲームの所有権、そしてブロックチェーン技術によってプレイヤーに力を与えるというビジョンと共にGala Gamesを設立。
ジョン・オスバルド(John Osvald)
2021年6月10日、ゲーム部門の社長としてGala Games入社。2000年代初頭にはZyngaでゲームデザインに携わった後、Zyngaを離れてShiver EntertainmentとCarnivore Studiosを共同設立し、その後エレクトロニック・アーツ社(EA)のモバイル部門の製品責任者を務めた経歴を持つ。
マイケル・マッカーシー(Michael McCarthy)
Gala Gamesクリエイティブ・マスター。Zynga社の人気ゲームの1つであり、最盛期には月間約5,000万人のプレイヤーがいた「Farmville 2」の元クリエイティブ・ディレクター。
T・エリオット・キャノン(T. Elliot Cannon)
Gala Gamesのシミュレーションゲーム、「Town Star」ディレクター。キャノン氏は、Epic Games社(エピックゲームズ)のオリジナルデザイナーの一人として、90年代半ばから「Unreal」「Crysis」「Killing Floor」「Doom」など複数の有名タイトルに携わった経歴を持つ。ライター、ディレクター、デザイナーとして活躍。
ジェイン・ペレッシーニ(Jayne Peressini)
エレクトロニック・アーツ社(EA)のモバイルマーケティング・成長戦略部門のシニアディレクターを経て、Gala Games成長戦略部門のVPに就任。
ウォレン・マーシャル(Warren Marshall)
Gala Gamesの3Dアーティストおよびアートディレクター。Epic Games社(エピックゲームズ)の有名タイトル「フォートナイト」やLegend Entertainment社の「The Wheel of Time」など、20年間に及ぶゲーム開発の経歴を持つ。
クレッグ・マチェット(Craig Matchett)
シニア・キャラクター・アーティストとしてエレクトロニック・アーツ社(EA)に8年間勤務。「Dead Space」「Battlefield Hardline」「Star Wars: Ragtag」「The Outer Worlds」「Tropico」「Medal of Honor: European Assault」などの人気ゲーム製作に従事。
ルーカス・フェルド(Lucas Feld)
エコシステム・エンジニア(Environmental Engineer)として2021年3月Gala Gamesに入社。「Star Wars: Knights of the Old Republic」「F3AR」「The Outer Worlds」「Camelot Unchained」「Fracture」などの有名タイトルに長年携わってきた。フェルド氏の専門分野は3Dモデリング、ライティング、テクスチャリング技術など。
また、Gala Gamesは今年4月にゲーム製作スタジオConcept Art Houseと提携を発表。NFTマーケットプレイス「Crypto Art House」の設立、そして両社による人材面などプロジェクトベースでの協業を発表している。
上場先と今後の展開
Web3の普及を念頭に入れたゲーム開発を進めるGala Gamesは、イーサリアム・ブロックチェーン上で、ERC-20規格に沿ったトークン「GALA」も発行している。Bitrue、Hotbit、MXC、Uniswapといった海外仮想通貨取引所に上場済みだ。
GALAトークンは、Gala Gamesプラットフォーム内におけるユーティリティ・トークン(デジタルグッズまたはゲーム内アイテムの購入)として機能している。
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21年7月13日にはバイナンス・スマートチェーン(BSC)との提携を発表。
ここではdApps(分散型アプリ)開発におけるバイナンス・スマートチェーンの利用、そして新規プロジェクトに対する合計1億ドルのファンド、「$100M Accelerator Fund」の投資対象として選ばれたことも発表された。
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今後の大まかなロードマップとしては、コミュニティー内でガバナンス投票を行えるようにしたり、世界のNFT供給の情報を提供するオラクルを導入したり、ネットワークへの読み取り専用のアクセス権を持つ、分散型APIエンドポイントを追加したりと、様々なノード環境の構築に取り組んでいる模様だ。