はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米インフラ法案採決の前哨戦:アラバマ州に広告看板「仮想通貨を葬るな」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

9月27日に迫るインフラ法案採決

暗号資産(仮想通貨)セクターへの3兆円規模の課税強化を含むインフラ関連法案が、修正案を検討することなく採決へ進むことになった。8月24日、米下院議会は220対212という僅差で、9月27日までに同法案を採決することを決定した。

関連:米下院インフラ法案の修正は行わず 問題視された仮想通貨セクター報告要件の行方は

インフラ法案の仮想通貨条項について、業界からは広範囲にわたる「ブローカー」の定義を問題視する声が上がり、上院の審議では複数の修正案が提案され議論は白熱した。しかし、修正案が導入されるためには全会一致の決議が必要とされている中で、Richard Shelby議員(共和党)が反対したため、修正案が追加されることなくインフラ法案は、8月10日に上院を通過した。

下院に送られた同法案に対し、再度、ブローカーの定義に関する仮想通貨条項の変更がAnna Eshoo議員より求められたが、前述の通り、最終的には修正が加えられない結果となった。

関連:米下院議員、インフラ法案の修正求める 過度な仮想通貨規制に反対

このような経緯を辿ってきたインフラ法案だが、来月下旬に迫った下院での採択を前に、連邦議員と草の根運動の両レベルで、状況を改善するための努力が行われていることが分かった。

インフラ法案とは

米上院から提出され、今後8年間で1.2兆ドル(約130兆円)を道路・橋、鉄道、港湾・空港、水道、高速通信網、電力網などの国内インフラへの投資を提案する法案。バイデン政権の経済分野の主要政策の1つである。

▶️仮想通貨用語集

巨大な看板広告を設置

その一つが、アラバマ州バーミンガムに出現した大きな看板広告だ。上院で修正案の追加を阻止したRichard Shelby議員はアラバマ州選出の議員の一人。

「Richard Shelbyは我々の基本的自由の保護に反対した」という文言の広告は、デジタル権利擁護団体「Fight for the Future」が、仮想通貨で寄付を募って設置したもので、「♯DontKillCrypto」(仮想通貨を葬るな)のハッシュタグが添えられている。

Richard Shelby議員は、インフラ法案の審議で、仮想通貨条項とは関係のない、500億ドルの防衛予算の追加を求める独自の修正案を提唱していたが、民主党のBernie Sanders議員が却下した。結果的にShelby議員のみが仮想通貨条項の修正案に反対し、この修正案は導入されなかった経緯がある。

Fight for the FutureのEvan Greer氏は、この広告は選出された議員らに対し、「議員として、分散型技術や仮想通貨問題に無知であることは許されないということを示す意図がある」と述べた。

先に上院での修正案に対する議論が高まった背景には、仮想通貨支持派議員や業界からの呼びかけに応じた有権者が、議員事務所に頻繁に電話するなど直接的な行動を起こし、仮想通貨に関する社会の関心度の高さを議員らに見せつけた背景がある。

また、Fight for the FutureがSNSで開始した「♯DontKillCrypto」活動はトレンド入りし、大手メディアもインフラ法案関連で仮想通貨規制の議論を取り上げるなど、その圧倒的な反響は、議会も無視できない水準に達した。

関連:米インフラ法案の投票が再び延期、仮想通貨条項で議論難航

Toomey議員が仮想通貨法案の提出を呼びかけ

一方、上院でインフラ法案の修正に尽力したPat Toomey議員は、仮想通貨とブロックチェーン技術に好意的な法律を明確化するための活動を開始した。

8月26日、Toomey議員が幹部メンバーを務める上院銀行委員会は、同日から9月27日まで、「仮想通貨投資家の保護を継続しつつ、新興の仮想通貨およびオープンブロックチェーンネットワーク技術の開発をサポートする連邦法のアイデアや法案」を募集している。

提案可能なトピックは多岐にわたるが、ステーブルコイン、仮想通貨と証券問題、決済・送金の監督、分散型金融、仮想通貨取引所や適切な規制目標などが一部の例として挙げられた。

Toomey議員は、米国が仮想通貨とフィンテックをリードする存在であるためには、連邦議会が、そのシステムを正しく理解することが重要だと主張。議員に法案の提案を呼びかけることで、仮想通貨分野への理解を深める狙いがあると思われる。

仮想通貨やブロックチェーン技術は、インターネットと同様の革新的技術であるだけではなく、費用のかかる中間業者を介することなく、個人同士が直接、金融取引を行うことによって、富と経済的自立を築く可能性を秘めている。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/05 金曜日
14:30
チェーンリンク現物ETF、初日に64億円の流入で好調 ソラナETFからは最大流出
仮想通貨チェーンリンク現物ETFの取引初日に64億円が流入し好調な滑り出しとなった。一方ソラナ現物ETFからは過去最大の資金流出があった。
14:00
国際通貨基金(IMF)、ステーブルコインの規制断片化に警鐘 
国際通貨基金が今週、ステーブルコイン市場の評価報告書を公開し、各国の規制枠組みの断片化が金融安定性を脅かし監視を弱体化させ、国境を越えた決済の発展を遅らせていると警告した。
13:30
CZとピーター・シフが激論交わす、ビットコインvs金「どちらが真の価値保存手段か」
バイナンス創設者CZ氏と金支持派エコノミストのシフ氏が4日、ドバイでビットコイン対トークン化金の討論を実施。金塊の真贋確認場面が話題となり、検証可能性や価値保存機能をめぐり対照的な見解を示した。
12:00
アジア最大級のWeb3カンファレンス「WebX2026」、チケット販売開始
アジア最大級のWeb3カンファレンス「WebX2026」が2026年7月13日・14日にザ・プリンスパークタワー東京で開催。本日よりVIP Pass、Business Pass、Booth Passのチケット販売を開始。開幕セール価格は2月28日まで。
11:52
ビットコイン、政府系ファンドは8万ドル台で買い増し 日銀政策と円キャリートレードにも注目
ブラックロックのフィンクCEOは、複数の政府系ファンドがビットコインの大幅下落局面で買い増していたことを明らかにした。一方、CryptoQuant CEOは2022年のような大暴落は起きにくいと分析。市場は12月の日銀政策決定に注目、円キャリートレードの動向がビットコイン含むリスク資産に影響を与える可能性を考察する。
11:20
「ストラテジー社は株価指数から除外されてもBTCを売却しないだろう」Bitwise
Bitwiseのマット・ホーガン最高投資責任者は、ストラテジー社は株価指数から除外されてもビットコインは売却しないだろうとの見方を示した。その根拠を説明している。
10:15
XRPレジャーの流通速度が年間最高値を記録 オンチェーン活動が急増=CryptoQuant分析
XRPレジャーの流通速度流通速度が12月2日に年間最高値0.0324を記録。大口保有者による2100億円規模の買い増しや取引所準備金の減少など、オンチェーン活動の活発化が確認された。CryptoQuant分析。
10:05
年末にかけての下落リスクを軽減する価格帯は? ビットコイン最新市場分析=Glassnode
Glassnodeが仮想通貨ビットコイン市場の最新週間レポートを発表。需要低迷と含み損拡大の中、年末の下落リスクを抑える価格帯などを分析している。
08:55
JPモルガンがストラテジーのビットコイン売却回避能力を評価、「マイナーの動きより重要」
JPモルガンのアナリストが、ストラテジーのビットコイン売却回避能力がBTC価格の短期見通しにおいてマイナー活動より重要だと分析した。
08:20
21シェアーズ、米国初のスイ(SUI)連動2倍レバレッジETFを上場
21シェアーズが米国証券取引委員会の承認を得て、スイ(SUI)の価格に連動する初のレバレッジETFをナスダックに上場した。日次リターンの2倍を提供する商品で、スイエコシステムに関連する初のETFとなる。
08:10
「政府系ファンドは相場下落時にBTCを買い増し」ブラックロックのCEO
ブラックロックのラリー・フィンクCEOは、複数の政府系ファンドが仮想通貨ビットコインを購入していると明かした。相場下落時に買い増ししている様子も伝えている。
07:25
ソラナとベース間ブリッジが稼働開始、チェーンリンクとコインベースが安全性確保
レイヤー2ベースチェーンがソラナとのブリッジをメインネットで正式稼働。チェーンリンクCCIPを採用し、両チェーン間でのトークン移動と取引が可能になった。
07:02
メタがメタバース予算を最大30%削減検討、VR・ホライゾン・ワールズが対象=報道
ザッカーバーグのメタ社がメタバース関連事業の予算を来年最大30%削減する検討を進めている。投資家から歓迎され株価が上昇した。
06:25
ロシアが仮想通貨マイニング収益の公式統計反映を検討、隠れた輸出として年間数千億円規模か
ロシア大統領府のオレシュキン副長官が仮想通貨マイニング収益を貿易収支に計上すべきだと提案した。マイニング収益は1日約10億ルーブルに達し、隠れた輸出として外国為替市場に影響を与えているという。
06:02
ソフトバンクなど出資のビットコイン企業「21キャピタル」、12月9日から「XXI」で取引開始
ビットコイン特化企業の21キャピタルとカンター・エクイティ・パートナーズの事業統合が株主承認を得た。ティッカーシンボル「XXI」として株式の取引を開始。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧