CoinPostで今最も読まれています

チャーリー・リー氏:LTCの分散化を推進する理由と、他プラットフォームとの提携方法

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ライトコインの現状
ライトコイン開発者のチャーリー・リー氏がライトコイン普及のために行っている事、ライトニングネットワークやアトミックスワップのメリットについて、CoinPostインタビューを行いました。
『いずれライトコインを離れる』
分散化を進めるため、最終的にはライトコインを離れるとの発言をいただきました。保持するライトコインを全て売却するなど、分散化へ込められた思いとは。
ライトコインとは
2011年に登場した仮想通貨で、ビットコインが「金」ならライトコインは「銀」とされている。ビットコインの欠点を補うことを目指して開発された送金重視の通貨であり、ビットコインのブロック承認時間約10分に対し、約2.5分まで短縮している。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

今回、快くインタビューの承諾をしてくださったBobby Lee氏とCharlie Lee氏にお礼申し上げます。

Bobby Leeが語る『お金の自由』:法定通貨とビットコインの違い
中国最大級の仮想通貨取引所であるBTCCの元CEOがブロックショーで登壇し、法定通貨のウィークポイントとビットコインの優れている点について話しました。 またCoinPost編集部でインタビューした質問も掲載されています。

Charlie Lee(チャーリー・リー)氏

出典:CoinPost撮影

プロフィール

主要仮想通貨の1つであるライトコインの開発者。

MIT卒業後、Googleでエンジニアとして働きながらライトコインを開発。

その後Coinbaseで働き、現在はライトコイン財団のディレクターとしてライトコインの普及に携わっている。

 

またリー氏は、昨年12月に自身の保持していたLTCを全て売却した事をreddit上で発表。

そして、そのスクリーンショットをツイッターに投稿しました。

リー氏は、利害対立を避けるため、このような動きに至ったと説明しました。

ライトコイン創業者が利害対立を避けるために保有LTCを全て手放す
ライトコイン創業者のCharlie Lee氏は自身が所有する全てのライトコインを手放しました。SNSを使い価格操作を行っているという疑いをかけられていたため、こういった利害対立を避ける目的で全てのLTCを売ったとのことです。

インタビュー内容一覧

―セグウィット発動してから1年以上経過して、近況は

セグウィットのおかげで、ライトニングネットワークが運営できるようになりました。

ビットコインとライトコインにとって、スケーラビティ問題などを解消するための”セカンドレイヤーソリューション”になる事でしょう。

決済がより早く、安く出来るようになるのが楽しみです。

―2018も半年近く経過したが、どのような成果があったか

加盟店とユーザーの採択を主に進めています。

もっと多くの商店に加盟店になってもらい、ライトコインを決済の手段として採用してもらう動きを広めています。

CoinpaymentsやCoinbase Commerce、Veemがオンライン決済やPOS(ポイントオブセール)でライトコインを受け入れています。

―仮想通貨は数多くのタイプがあるが、他の通貨と異なる点は

ライトコインの長所は、流動性です。

ほとんどの取引所で交換ができるので、売買も簡単に出来ます。

流動性はとても重要で、決済を行う際プロセスを速やかに決行する為に必要です。

決済が速ければ、加盟店にとってライトコインは使いやすくなりますし、現金に交換するのも簡単で、価格の変動が安定すれば採用もしやすくなります。

―昨年12月にライトコインを全売却されたが、ネットワークの分散化についてどう考えるか

ビットコインの問題点として挙げられるのが、サトシ・ナカモトが100万BTC(約1兆円)ほど保有しているとされることです。

もし仮に、その100万BTC(約1兆円)を一斉売却した場合、市場価格に大きな影響を与える事になってしまいます。

私の場合は、すでに所有するライトコインを全て売却しており、市場への大きな影響はありませんでした。

同時に、今後ライトコインの市場に影響を与える事ができなくなり、これは非中央集権化を促進するために良い事です。

(補足)redditで、所有ライトコインの売却を公式に発表した際、『Gdaxの1日の取引量の数パーセントにも及ばなかった』としています。

―なぜ分散化を推しているのか

分散化(非中央集権化)は、目的を達成する為の手段に過ぎません。

一番大事なのは、検閲への耐性です。

つまり、いかなる政府や企業などの第三者でも、ライトコインの送金と受け取りを止める事はできないという事です。

健全なコインを作るためには、これは欠かせません。

―ご自身のライトコインを売ったことで、他に変化は

ライトコインを売却したもう1つの理由は、開発の焦点を短期的な価格の動きにではなく中長期的な成長とライトコインの採択に置きたかったからです。

つまり、以前は”利害の衝突”が生じていたのです。

ライトコインを所有しない事により、価格の動きを気にすることなくライトコインの普及に専念できるようになりました。

―いずれLiteCoinを離れると聞いたが、本当か

本当の意味でライトコインを分散化させる為には、いずれ私が離れる必要性があると思います。

ですが、それはまだ先の話で、あと数年はLiteCoin財団と共に働くつもりです。

―本当の意味で分散化するには、どれほどの時間が必要か

あと10年程度はかかりそうですね。

―他のプラットフォームとはどのように提携するのか

ライトニングネットワークは、ビットコインとライトコインをアトミックスワップのように2つを即座に接続します。

この2つを接続する事で、遍在を可能にします。

これは、今後とも重要になってくる要素です。

仮想通貨は価値を交換出来ればどのネットワークを使うかは重要ではない、というのが我々の考えです。

―アトミックスワップについて詳細を

アトミックスワップは、異なる仮想通貨を交換する際に生じる、持ち逃げのリスクを回避する為のシステムです。

例えば、ビットコインとライトコインを交換したい場合、まずどちらかがビットコインを送ります。

しかし、相手側が責任を果たさずライトコインを送らない場合、持ち逃げされて終わってしまいます。

アトミックスワップでは送るコインに暗号で『鍵』をかけ、どちらも責任を果たすまでロックが開けられないようにします。

アトミックスワップを使えば、持ち逃げのリスクがなくなります。

また仲介人、相手側への信頼や相手との面識もそれぞれ必要なくなります。

分散化するには非常に重要なステップです。

―アトミックスワップはどのような変化をもたらすか

まず、オフチェーンのアトミックスワップがあります。

これはスピード重視で決済が瞬時にできます。

ライトニングネットワークでビットコインとライトコインが使える事で、アトミックスワップを可能にしています。

ライトニングノードで変換価格を宣伝できます(1BTC-100 LTC)。

―ビットコインはバブルで「いつかはドミナンスを失う」という声もあるが

私は、ビットコインは今後も優勢を保つと思います。

ビットコインは仮想通貨の『ゴールドスタンダード』ですし、ビットコインが消えることはないでしょう。

―その根拠とは

一番分散されていて、信頼性と安全性も高く、匿名性も十分だからです。

―今後ライトコインはどのように使われると思うか

決済手段として主に使われると思います。

特に加盟店からのご利用を期待しています。

―最後に一言

先月、アメリカの仮想通貨取引所「Gemini」から、ライトコインの取引を開始するという発表がありました。

これで王道の取引所は全て、ライトコインを扱う様になりました。

ライトコインはこれからますます使いやすい通貨になっていくでしょう。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。
10:00
ソラナ初事例、パラオ共和国がデジタルID発行
主権国家が仮想通貨・ブロックチェーンであるソラナ上で、法的アイデンティティを発行する初めての事例となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア