国際メガバンクと共同で実施
韓国の大手銀行である新韓銀行は11月30日、へデラ・ネットワーク上に構築されたステーブルコインを活用し、グローバルメガバンクとの間で国際送金に特化した概念実証(PoC)を完了したと発表。
"@ShinhanBankENG plans to mint South Korean Won (#KRW)- backed #stablecoins and the partnering bank will mint a #stablecoin backed by their local currency." https://t.co/QFBfksDYhV
— Hedera (@hedera) November 29, 2021
今回の概念実証では、ヘデラ・トークンサービス(HTS)とヘデラ・コンセンサスサービス(HCS)を利用し、ステーブルコインの発行および流通の実現可能性が検証された。
今後、新韓銀行は韓国ウォンを裏付けとしたステーブルコインを発行する予定で、提携銀行はそれぞれの国の通貨を裏付けとしたステーブルコインで対応することとなる。これによって、一般的に高額とされる国際送金の手数料や受け取りまでの長い待ち時間、追跡機能のないサービスといった現状の問題を解決するという。
日本でも、3メガバンクやNTTグループ、自治体などを含む74の主体で構成される「デジタル通貨フォーラム」において、日本円のデジタル通貨「DCJPY」の概念実証が本年度中に開始されることが11月25日に発表されていたばかりだ。
国際送金の問題点を解消
現在の金融システムでは、個人や組織が国境を越えて送金する場合、顧客は高い仲介銀行コストを負担することになる。また、取引が完了するまでに通常3日〜7日かかる上、顧客は取引中に自らの送金を追跡することもできないという問題点がある。
だが、銀行が発行したステーブルコインを使えば、個人や組織は低い手数料で、現地通貨建てのステーブルコインで通貨を送受金することができる。
ユーザーは、新韓銀行が発行する韓国ウォン建てのステーブルコインを購入し、提携銀行の口座に送付することができるようになる。また受取人は、現地で発行されたステーブルコインで資金を受け取り、現地通貨と交換することが可能となる。
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関係者コメント
へデラ・ハッシュグラフのCEO兼共同創業者であるMance Harmon(マンス・ハーモン)氏は今回の発表について、次のようにコメントしている。
国際送金は、2020年には7,020億ドルの巨大市場となり、そのうち5,390億ドルが低・中所得国に送られます。
中間業者を排除すれば、このプロセスを劇的に効率化し、費用対効果を高めて、緊急にお金を必要としている人々にできるだけ多くのお金を届けることのできる大きなチャンスがあります。
また新韓銀行は、今回の発表に際して下記のコメントを発表した。
今春、へデラ運営審議会に参加したことで、他のグローバルな業界リーダーとの連携を大幅に加速させ、へデラの高速・公正かつグリーンな公開分散型台帳のパワーを活用することができました。
スピードと低コストを提供するへデラ・ネットワーク上にサービスを構築することで、コストパフォーマンスに優れた効率的な国際送金が実現します。
私たちは、次世代の金融と金融包摂を推進するソリューションをいち早く提供するために、大手グローバル銀行のパートナーたちと協力して参ります。
新韓銀行はブロックチェーン技術の活用を進めた韓国初の銀行であり、今年4月にへデラ・ハッシュグラフの運営審議会への参加も発表していた。その際には、ヘデラのネットワークをインフラとして活用することによる業務プロセスの効率化や、「次世代の金融を支えるソリューション」の開発を表明していた。
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