はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

グレースケール、SECの主張受け論点再確認  GBTCめぐる訴訟で

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

SECが最初の書面を提出

米暗号資産(仮想通貨)運用会社グレースケールは11日、ビットコイン(BTC)投資信託GBTCのETF転換却下をめぐる訴訟で、米国証券取引委員会(SEC)が最初の法的準備書面を提出したことを報告。同社の論点を改めて提示した。

グレースケールは、SECがビットコインETFを承認して規制対象に入れることを拒否していることは、投資家保護の義務に反すると述べている。

この裁判はグレースケールがSECを相手取って起こしたもの。同社は10月に提出した最初の陳述書で、SECが2021年から複数のビットコイン先物ETFは承認する一方、ビットコイン現物を直接保有するETFは却下し続けていることについて恣意的であり、投資家に損害を与えるとして批判していた。

ビットコインETFとは

ビットコインを投資対象に含んだ上場投資信託(Exchange Traded Fund)のこと。投資信託とは、投資家から集めたお金を1つの資金としてまとめ、株式や債券などに投資して運用される金融商品。運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みになっている。投資信託の中でもETFは証券取引所に上場しているため、株式と同様に売買ができる。

▶️仮想通貨用語集

関連ビットコイン現物ETFの承認巡る裁判、業界団体が支持を表明

SECの主張

SECは、今回の書面で、グレースケールの現物ETFを非承認としたことは「合理的であり、実質的な証拠によって裏付けられる」と主張。すでに承認したようなCMEのビットコイン先物ファンドと、現物ビットコインファンドは「根本的に異なる商品」だとしている。SECは、次のように論じた。

SECは以前、米商品先物取引委員会(CFTC)に登録されているCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)で取引される先物契約のみを保有するETPを承認した。これらのETPの原資産は、厳格な監視の対象となっている。

一方で、ビットコインのスポット(現物)市場は規制されていない。グレースケールはETF申請にあたって、CMEによる先物取引の監視のみで、ビットコイン現物市場における詐欺や市場操作を十分に抑制できるという根拠を示さなかった。

グレースケールの論点

グレースケールは、これからSECの書面の内容を精査するとしているが、その前に今回、当初の論点を再確認した。主な論点として、以下の3つを挙げている。

  • ビットコイン先物ETFを承認する一方で、ビットコイン現物ETFを非承認とし続けることで、投資家にとって競争の場を不公平にしている。
  • 現物ビットコインETFのみを非承認とすることで、SECは行政手続法および証券取引法を遵守していないことになる。
  • SECは、ビットコイン現物ETFとビットコイン先物ETFの扱いが異なる根拠を明確にしていない。

グレースケールは、GBTCが使用しており、ETFでも使用するインデックスは、CME上のビットコイン先物が使用しているインデックスと実質的に同じ方法で価格設定されていると指摘。詐欺や市場操作のリスクについて、大きな違いはないと申し立てている。

また、法律では「同種類の」状況の場合、「同様に」扱うことが要求されているが、SECは、同じ現物市場を参照するビットコイン商品(現物ETFと先物ETF)をそれぞれ違った取り扱いで処遇していると論じた。

グレースケールは、「SECの使命は、投資家を保護し、公正で秩序ある効率的な市場を維持すること」だが、GBTCのETF転換申請を拒否したことで、投資家保護という目標に背いていると続けている。

グレースケールは、訴訟において次の書面を1月13日、最終書面を2月3日に提出する予定だ。

マイナス乖離めぐる訴訟に直面

なお、現在グレースケールのGBTCはマイナスの価格乖離を起こしており、関連して訴訟にも直面している。米ヘッジファンドFir Tree Capitalが、グレースケールに、マイナス乖離を解消するためのビットコイン償還プログラムを提供させるべく行動している。

運用規模が約65万BTCにのぼるGBTCはこれまで、現物価格(NAV)に対するプレミアムが注目されていた。しかし21年2月末にこのプレミアムがマイナスに転じて以来、ディスカウント状態が続いている。同社の提供しているイーサリアム(ETH)の投資信託ETHEでも同様のディスカウント状態が続く。

関連ビットコイン投資信託GBTCで訴訟問題、マイナス乖離解消案巡り

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/02 水曜日
18:40
BITPOINT、カルダノ(ADA)保有者向けNIGHTエアドロップを検討開始 
ビットポイントジャパンがMidnight財団と国内初連携。カルダノ(ADA)保有者やステーキング参加者に「NIGHT」トークンのエアドロップ参加機会を提供。2025年7月開始予定の「Glacier Drop」メカニズムの詳細と参加条件を解説。
13:45
トランプ大統領、イーロン・マスクに対する批判を再び展開、 『大きく美しい法案』巡る対立が再燃
「大きく美しい法案」をめぐり、トランプ大統領とイーロン・マスク氏の対立が再燃している。マスク氏の痛烈な法案批判に対し、トランプ氏は、マスク氏が率いる企業の政府補助金受給について政府効率化局(DOGE)で調査すべきと発言し、かつて盟友だった両氏の関係は緊迫感を増している。
13:20
アリゾナ州知事、押収仮想通貨の準備基金法案『HB2324』を拒否権行使
アリゾナのホブズ知事が犯罪捜査で押収した仮想通貨管理法案を拒否。地方自治体の協力阻害を懸念と声明。
11:45
パクソス、ステーブルコインUSDGを欧州全域でローンチ サークルとの競争激化
パクソスが米ドル建てステーブルコインUSDGをEU全域で発行開始した。MiCA規制に準拠している。合計30か国に展開しており、ステーブルコイン時価総額ランキングでは15位だ。
11:10
ナスダック上場DeFi Development Corp、1億ドル転換社債発行 ソラナ蓄積戦略を拡大
米初のソラナ準備金戦略企業DeFi Development Corpが1億ドル転換社債の私募発行を発表。調達資金でSOL購入継続、バリデータ運営による複利成長を目指す。
10:50
上場企業のビットコイン購入量24万BTC超えも、価格には反映されず その理由は?
2025年上半期に世界の上場企業が仮想通貨ビットコインを24万5510BTC購入しETF保有数の2倍超。前年同期比約5倍増でマイクロストラテジー戦略が拡散、企業準備金としての位置づけが確立された。
10:30
米SEC、仮想通貨ETFの上場基準を策定か 審査迅速化に期待
米証券取引委員会が、ビットコインなど仮想通貨ETF向けの汎用上場基準策定を検討していると伝えられる。19b-4様式省略により審査迅速化が期待される。
10:20
ETH1万ドル到達は『義務』と表明、イーサリアムに新組織誕生
仮想通貨イーサリアムに、イーサリアムコミュニティ財団という新たな組織が誕生。公式サイトで、イーサリアムの価格に特化した組織であると説明している。
07:55
NYSE上場DDCが760億円調達完了、ビットコイン準備金戦略を本格始動
アジア食品ブランド運営のDDC EnterpriseがNYSE上場企業として最大規模の仮想通貨専用資金調達を実施。Anson Fundsらから総額5億2800万ドルでビットコイン準備金構築へ。
07:25
XRP戦略推進へ、ナスダック上場のWebusが1億ドル調達合意
ナスダック上場のWebusがリップル・ストラテジー・ホールディングスと1億ドルの資金調達契約を締結。仮想通貨XRPを活用した事業戦略推進により株価が日中130%上昇も最終的には8%反落。
07:15
「ビットコインが25年に20万ドルへ到達するとの予測は維持」Bitwise
仮想通貨運用企業Bitwiseは、2025年の10の予測に対する中間評価を公開。ビットコインが20万ドルに到達するとの予測は維持することなどを記載した。
06:50
ストラテジーのビットコイン循環戦略、NAV超プレミアムを正当化か=TD Cowen分析
ストラテジーの株価は純資産価値(NAV)を大きく上回って推移。継続的な株式発行が1株あたりのBTC保有を押し上げる構造が、投資家の注目を集めている。アナリストはその持続性とリスクに着目している。
06:12
ビットコイン利確が加速 第3四半期は過去最弱の季節性=アナリスト分析
仮想通貨ビットコインの利確が進む一方、市場は方向感に欠ける展開。第3四半期は過去最弱の季節性もあり、アナリストは地政学リスクや米金融政策の不透明感に警戒を示している。
05:50
トランプ大統領の「大きく美しい法案」上院可決も、仮想通貨少額免税案は見送り
トランプ政権が推進する大型予算法案に、仮想通貨の少額免税や報酬課税見直しの修正案は含まれず。ルミス上院議員は今後の再提出を示唆し、業界団体もロビー活動を継続する構え。
05:37
米SEC、ビットコインやXRPに投資するグレースケールの仮想通貨ファンドETF化を承認
米証券取引委員会(SEC)は、グレースケールのバスケット型ファンドのETF転換を加速承認。構成資産の約8割をビットコインが占めており、今後の仮想通貨ETF全体に追い風となる可能性も。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧