米ワーナー・ミュージック、Web3を優先か
米大手音楽エンターテインメント企業のワーナー・ミュージック・グループ(WMG)は29日、全世界のスタッフの約4%を削減すると発表した。一方、Web3などに取り組む従業員については維持する可能性が高いとされる。
Varietyの報道によると、WMGのロバート・キンセルCEOは、従業員に宛てた書簡で「WMGはクリエイティビティとテクノロジーの交差点に位置する新たな成長段階」に向かおうとしているところだと述べた。この方向性に沿って、同社幹部は従業員を約270人(約4%)削減することを決めたとしている。
同時に、アーティストやソングライター育成のために必要な新しいスキルや、新しいテクノロジーによる試みに資金を再配分していく計画だ。
現在、「経済とエコシステムの急速な変化」が起きており、イノベーションや事業成長のためのチャンスになっているとも続けた。事業再編成の計画は、次回の全社会議でさらに詳しく話すことになるという。
WMGの関係筋は、今後優先される事業の中には、Web3への取り組みや、AIを使った実験が含まれると話した。同社の担当者も、こうした分野に携わる従業員を解雇しない「可能性が高い」とコメントしている。
Web3とは
現状の中央集権体制のウェブをWeb2と定義し、ブロックチェーン等を用いて非中央集権型のネットワークを実現する試みを指す。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。
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これまでの取り組み
ワーナー・ミュージック・グループ(WMG)は、すでにWeb3分野で様々な取り組みを行っているところだ。
2022年12月にはデジタルファッション企業DressXに出資し、提携することを発表。デジタルファッションは、アーティストのファンがInstagramなどのSNSプラットフォームでコレクションして楽しむことができるもので、3DおよびAR(拡張現実)の形式でリリースされる予定だ。
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その他、ポリゴン(MATIC)およびNFT(非代替性トークン)音楽プラットフォームを開発する「LGND.io」と、複数年のパートナーシップを締結。大手NFTマーケットプレイスOpenSeaとも提携している。
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ディズニーやグーグルの状況
金利上昇や経済状況が悪化する中、従業員の削減を行うハイテク企業やエンタメ・メディア企業が相次いでいるところだ。Web3事業に関しては、維持するか見直すかでそれぞれの方針を示している。
例えば、米ウォルト・ディズニーは、広範な事業再編の一環として、約50人で構成されていたメタバース部門を解体した。メタバース関連の特許も取得していたが、現在までに、まだ具体的なメタバースの計画はまとまっていなかったとされる。
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一方、グーグルは1月に12,000人の従業員を解雇したが、Web3チームの人員は維持している。
グーグルのクラウドコンピューティング部門グーグルクラウドは、Web3ノードの完全運用保守管理代行型ホスティングサービス「ブロックチェーン・ノード・エンジン(BNE)」を提供しており、米大手仮想通貨取引所コインベースとの、長期戦略的パートナーシップも結んでいるところだ。
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