仮想通貨の個人取引規制を検討へ
G7(先進7カ国)は、暗号資産(仮想通貨)の個人間取引の規制整備を検討するよう、金融活動作業部会(FATF)に要請する意向であることがわかった。日経新聞が11日に報じた。
マネーロンダリング対策(AML)やテロ資金供与対策(CFT)などの目的で、取引所間の取引だけでなく、個人間取引にも規制を広げることが目的。11日から開催される財務相・中央銀行総裁会議で、課題や対策の検証をFATFに要請するという。
仮想通貨の個人間取引については以前から、規制の実効性をどれだけ高められるかが課題とされる。今回の要請を行った後は、具体的な規制をFATFが検討していく。
ブロックチェーンは匿名性だけでなく、透明性も高く、これまで様々な分析ツールが開発されてきた。今回の動きを受け、こういったツールの導入がいずれ必須になるだろうとの見方が上がっている。
FATFとは
「Financial Action Task Force」の略で、AMLやCFTなどを監督する国際組織のこと。提示するルールや勧告自体に法的拘束力はないが、加盟国に対して審査を実施し、AMLやCFTにおける非協力国リストを公開するため、大きな影響力を持っている。
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G7の取り組み
次回のG7サミットは19日から広島で開催され、議長国は日本。今回報じられた財務相・中央銀行総裁会議は、G7サミットに先駆けて行われる。
G7が財務相・中央銀行総裁会議に向けて、仮想通貨の規制強化について議論を進める見込みであることは、3月に報じられていた。共同通信の関係筋によるとG7は、仮想通貨が世界の金融システムにもたらす潜在的なリスクが懸念される中、対応について共同宣言を発表する予定。特に、仮想通貨事業の透明性と消費者保護を高めることが狙いだという。
今回の報道では新たに、個人間取引の規制について議論されていることが明らかになった。