CoinPostで今最も読まれています

ウィンクルボス兄弟の米仮想通貨取引所「ジェミニ」がイギリス進出を検討

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨取引所「ジェミニ」が欧州進出へ
米ニューヨークの仮想通貨取引所Geminiが、国際金融市場の中心地であるイギリス進出を検討していることが判明した。英国で登録されている取引所数は、香港やアメリカを抜いて世界1位となっている。

仮想通貨取引所「ジェミニ」が欧州進出へ

9月24日のファイナンシャル・タイムズ紙の報道によると、米ニューヨークに拠点を置くウィンクルボス兄弟運営の仮想通貨取引所、Geminiが、イギリスへの進出を検討していることが新たにわかりました。  

Gemini側からの正式な発表はありませんが、関係者によると、Geminiは、イギリスでの仮想通貨取引とカストディサービスの提供に詳しい相談役を雇用したとのことで、近いうちに、イギリス規制当局へ取引所開設認可申請を行うのではないか、と言われています。 

 

モルガン・スタンレーの調査によりますと、イギリスの仮想通貨取引高は、世界の取引高の1%に過ぎない一方、イギリスで登録されている取引所の数に注目すると、香港やアメリカを抜いて、世界1位となっています。 

出典:number of exchanges M.S.

 

ニューヨークのウォール街とともに、国際金融市場の中心地であるシティ・オブ・ロンドンを抱えるイギリスは、ヨーロッパ進出の拠点として、今でも重要な地位を占めていることの証明とも言えるかもしれません。 

 

世界の主要金融機関が結集しているだけではなく、世界中から集まる金融やにテクノロジーに精通した人材が豊富であることも、企業としては魅力的な点だと言えるでしょう。 

イギリスの仮想通貨環境

しかし、ヨーロッパにおいて、仮想通貨関連の規制整備を進め、積極的に関連企業の誘致を進めていることで知られるマルタやジブラルタルなどに比べると、イギリスの仮想通貨投資環境は、多くの課題が残されているようです。  

一般的にイギリスは、規制の面に関しては、大変慎重なアプローチをとっており、未だに明確な規制のガイドラインは示されていません。 

 

イギリス金融行動監督機構(FCA)の最高責任者Andrew Bailey氏は、今月、規制当局は、「仮想通貨が持つリスクを軽減し、投資家保護に努めることが必要だが、同時に革新技術が発展するための余地を残すような、バランスのとれた政策が欠かせない」と述べています。  

 

一方で、政治家グループは、マネーロンダリングや価格操作、投資家リスクに対する懸念を、「ワイルド・ウェスト」(アメリカ西部開拓時代になぞらえた未開拓地)状態であると表現し、仮想通貨産業をFCAの下で規制すべきであると主張しています。 

 

このように規制面では、不透明な部分も多いイギリスですが、同じく規制環境の整備が遅れているアメリカで、積極的に規制の先を見越した行動をとってきたGeminiにとっては、問題とはならないのかもしれません。 

ウィンクルボス兄弟の動き

Geminiを運営するウィンクルボス兄弟は、Forbes社の「世界の仮想通貨長者ランキング」第4位となった初期からのビットコイン支持者であり、度重なるビットコインETFの不承認にも臆することなく、アメリカ政府に「仮想コモディティ協会」の設立を提案したり、米ドルに裏付けられたステーブルコイン、「Gemni Dollar(GUSD)」を発行するなど、仮想通貨業界を積極的にリードする存在として知られています。  

Geminiは、ビットライセンスを取得する代わりに、ニューヨーク州金融サービス局から規制を受ける信託会社として運営されている特異な立場にある取引所で、ニューヨーク州金融サービス局が規定する規制とニューヨーク銀行法に準拠する義務があります。 

   

仮想通貨取引所ランキングでは、執筆時点で52位と、仮想通貨の取引高では、すでにイギリスに進出している大手取引所のコインベースから、大きく引き離されているものの、世界で初めて、Zcashの取引承認をニューヨーク州金融サービス局から許可されるなど、差別化を図った運営を行ってきているようです。  

 

また、違法な取引活動を監視、発見するため、Nasdaqと提携し、株式市場で用いられているリアルタイムの市場監視技術を取り入れ、セキュリティの強化に力を入れています。 

 

Geminiは、ファイナンシャル・タイムズ紙に当てた声明の中で、次のように説明しています。 

 

Geminiは、デジタル資産コミュニティ全体の成長とインフラ整備のため、最高のデジタル資産取引と保管サービスを提供するように、世界各地の潜在的な法治区域を調査している。 即座の計画はないものの、弊社では、常に世界経済の中で規制され、安全で法に準拠した方法で、デジタル資産の売買と保管ができるような機会を見極められるよう評価を続けている。 

 

今年に入ってからの仮想通貨価格の低迷とは対照的に、仮想通貨取引所のグローバルな進出計画は着実に進められているようです。 

CoinPostの関連記事

ビットコインETF不承認のウィンクルボス兄弟、米政府に「仮想コモディティ協会」の設立を提案
ビットコインETF不許可となったウィンクルボス兄弟は、次の布石としてNY証券取引所の最高情報責任者を引き抜き一般向け事業を拡大、米国政府の後ろ盾をもって規制を行う「仮想コモディティ協会」の設立を提案している。
ウィンクルボス兄弟:BTC・XRP・ETH等を含むETPの扱いに関する特許取得
ビットコイン・仮想通貨億万長者のウィンクルボス兄弟が経営する、Winklevoss IP社が、仮想通貨を含むETPの扱いに関する特許請求を受理されました。ビットコインやリップル、イーサリアムなどを含むETP取引のシステム特許とのことです。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10/27 日曜日
13:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、アバランチのVisaカード発行やAI系ミームコインGOATの高騰など
仮想通貨市場の1週間の動きをまとめ、ビットコイン、イーサリアム、XRP、アバランチなど時価総額上位の仮想通貨の最新の材料を紹介。米国著名投資家の発言やマイクロソフトのビットコイン投資検討など、重要なトピックスも取り上げた。
11:30
心理的節目の上抜けに成功すれば、ショートカバー伴い最高値を試しにいく展開も視野|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリストが1000万円台前半で底堅い推移となるビットコイン(BTC)相場を分析。今週の相場失速で失望するのは時期尚早だと言及し、今後の展望を解説した。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|DOGE時価総額3兆円突破に高い関心
今週は、ドージコインの時価総額3兆円突破、米政府のウォレットから30億円相当の仮想通貨が不正流出した可能性、マイクロソフトのビットコインへの投資評価に関するニュースが最も関心を集めた。
10/26 土曜日
14:00
「ビットコイン現物ETF、個人投資家が需要の8割を占める」バイナンスが報告
バイナンスがビットコインの流通量4.5%を現物ETFが保有していると指摘。個人投資家主導の需要拡大と機関投資家の緩やかな参入を分析している。
11:55
リップル社、仮想通貨XRPめぐる対SEC控訴裁判で4つの論点を提出
リップル社がSECとの裁判で控訴審に向けた陳述書を提出。ハウィーテストの適用など4つの重要論点を提示している。
07:20
マイクロストラテジー、24年ぶりの高値 ビットコイン強制売却の可能性は「極めて低い」 BitMEXが分析
BitMEX Researchのアナリストは、マイクロストラテジーが現在の債務構造に基づいて保有しているビットコインを強制的に売却する可能性は「極めて低い」と主張した。
06:35
ハッカー、米政府の仮想通貨ウォレットに大部分の流出資金を返還
米政府の仮想通貨ウォレットから流出した約30億円相当の資金のほとんどが、24時間以内に返還されたことが観測された。
06:15
テザーCEO、米政府捜査の報道を否定
ステーブルコイン発行企業テザーのパオロ・アルドイーノCEOは26日、米国の連邦検察当局が同社を調査しているとのWSJ報道内容を否定した。
10/25 金曜日
18:05
AIエージェントと仮想通貨の融合 コインベースが描く未来像
米コインベース・ベンチャーズは、人工知能(AI)とブロックチェーン技術の新たな融合がデジタル経済を変革すると主張。Web3上で、自律型AIエージェントが人間と自由にやりとりする世界「エージェントWeb」が誕生する未来のビジョンを描いた。
13:28
国内における「暗号資産ETF」実現に向け、 ビットバンクが勉強会の総意として提言公表
暗号資産(仮想通貨)bitbankを運営するビットバンクは、証券会社や資産運用業者、信託銀行等と共同で行う「国内暗号資産ETF」勉強会への参加とともに、参加メンバー一同として日本における暗号資産ETFの実現に向けた提言を発表した。
11:40
個人マイナーが再びビットコインブロック採掘に成功、3200万円相当の報酬獲得
仮想通貨ビットコインのソロ個人マイナーが再び大きな報酬を獲得したことが判明した。9月に続く事例である。
10:45
1995年公開「攻殻機動隊」のNFT、アニモカブランズジャパンから発売へ
今回は第一弾で、1995年に公開された押井守監督作品『攻殻機動隊』をフィーチャーしている。このNFTコレクションでは、作中に登場するキャラクターのパーツを、Mocaverse、CoolCats、San FranTokyoのPFP専用Traitsとしてそれぞれ描き下ろした世界に1つだけの作品となっている。
09:35
米国ビットコイン現物ETF、約100万BTCの保有でサトシ・ナカモトに迫る
米国ビットコイン現物ETFの保有BTCが98.5万枚を突破。サトシ・ナカモトの推定110万枚に接近している。
07:50
マイクロソフト、12月株主総会で「ビットコインへの投資評価」を議決権行使項目に設定
米IT大手マイクロソフトは12月上旬に予定されている2024年の年次株主総会に向けて、「仮想通貨ビットコインへの投資の評価」を議決項目の1つとして設定した。マイクロストラテジーのようにビットコイン保有企業になるか。
07:20
取引所らの企業、日本の仮想通貨ETF誕生に向け提言作成
日本で仮想通貨ETFが承認されることを目指し、取引所や法律事務所らが税制改正などを含め提言を作成した。対象銘柄をビットコインとイーサリアムに絞ることも提案している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧