CoinPostで今最も読まれています

イーサリアム大型アップグレード「Dencun」、2024年に持ち越しか

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「Dencun」実施は来年となる可能性

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のコア開発者らが2日に開催したミーティング内容にて、イーサリアムの次回大型アップグレード「Dencun」が2024年の第1四半期(1~3月)以降まで持ち越される可能性が生じている。

Dencunは、以前は2023年後半を目処に導入予定とされていたが、遅延する可能性が高くなった。Dencunでは、レイヤー2(L2)のトランザクション手数料削減やネットワーク全体の効率性向上などの改善が行われる。

関連イーサリアムの次期アップグレード「Dencun」、重要性とメリットとは?

まず、開発チームはバイナリ・ラージ・オブジェクト(BLOB)の実装に関する複雑さを軽減するため「Dencun」の仕様を大幅に変更すると話し合った。なおBLOBは、新たなトランザクション形式であり、一定時間あたりの取引データの処理能力を飛躍的に向上するものだ。

ミーティングの議長を務めたイーサリアム財団のダニー・ライアン氏は、クライアントにおける仕様変更の実装は、新たなコードの追加ではなく、主に不要なコードの削除から行うべきだと述べた。アップグレードの遅延は最小限に抑えるべきだとも続けている。

さらに、ライアン氏は、開発チームはPR #3034の実装におおよそ3週間かかると見積もっていると述べた。

PR #3034は、すべてのバリデーターが円滑にブロックをネットワークに送り出すことができるようにするものである。この実装後には、新たなコードをテストするために、追加のDevnet(開発者ネット)であるDevnet 12を起動することが必要となる可能性がある。

こうした一連のテストプロセスを考慮すると、以前はテストネットのアップグレードは11月下旬に予想されていたものの、これがスケジュール通りに進む可能性は低くなった格好だ。

レイヤー2(L2)とは

「2層目」のブロックチェーンのこと。全ての取引履歴をメインチェーンに書き込むと負荷が大きくなり、処理速度の低下やネットワーク手数料の高騰につながる。そこで、取引履歴の一部をオフチェーンやサイドチェーンに記載するようにすることでメインチェーンへの負荷軽減や処理速度向上を期待することができる。

▶️仮想通貨用語集

関連ブロックチェーンのレイヤー2とは|種類や注目点、代表的なネットワークを解説

これまでの進捗状況

イーサリアムは2022年のアップグレード「The Merge」でコンセンサスの仕組みをプルーフ・オブ・ワーク(PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)へと変更した。

関連仮想通貨のPoS(プルーフ・オブ・ステーク)とは|PoWとの違いとメリットを解説

その後、今年4月に上海アップグレードが完了し、バリデーターはステーキングでロックアップしている資産を引き出しできるようになった。

ステーキング利率

今年6月にはイーサリアムのステーキング利率は5%超あったが、その後低下傾向にある。「Validator Queues」のデータによると、4日時点では約3.7%だ。10月半ばに約3.5%と最低に達し、その後ふたたび上昇してきているものの、落ち着いた傾向にあるといえる。

米大手仮想通貨取引所コインベースは10月13日にレポートを発表し、バリデータの増加が落ち着いているため「ネットワーク活動や取引手数料が一定に保たれれば、ステーキングの利率も維持される」と予想していた。

関連イーサリアムのステーキング需要が鈍化傾向 報酬の利率は3%台に

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
12/05 火曜日
19:46
「事業者向けのNFT活用法とは?」web3メディア経営者2名が動画解説|WebX STUDIO
動画コンテンツ紹介 新たにリブランディングした「WebX STUDIO(旧:CONNECTV)」。 「WebX STUDIO」第三弾では、CoinPost代表の各務貴仁と、あた…
18:25
ブラックロックらビットコインETF申請書の修正版提出
ブラックロックとビットワイズが暗号資産(仮想通貨)ビットコインの現物ETFの修正申請をSECに提出。SECの一斉承認に向けた準備と憶測が広がる。新しい監視・マネーロンダリング防止措置など、類似点の指摘も。
16:27
イーサリアムベースのDigiFT、RWA市場展開に向けシンガポールでライセンス取得
イーサリアムブロックチェーン上で展開するDigiFTがシンガポールでCMSライセンスを取得。デジタル証券とRWAトークン化により、革新的かつ安全な金融サービスの提供を目指す。ブロックチェーンと金融の融合が深化する。
13:58
「証拠不十分で仮想通貨企業を提訴した疑い」米連邦判事、SECに理由開示命令を下す
米連邦地方裁判所のロバート・シェルビー判事は、米証券取引委員会に対し仮想通貨企業DEBT Boxの資産凍結について、誤解を招きかねない不十分な証拠提示で提訴に踏み切ったと指摘。理由を説明するよう命じた。
12:15
ブラジル最大手銀行イタウ、ビットコインなど仮想通貨取引サービス開始
ブラジル最大手銀行イタウ・ウニバンコは仮想通貨の取引サービスを開始した。まずビットコインとイーサリアムを取り扱うとしている。
11:59
仏ソシエテ銀、イーサリアム上でデジタル証券を発行 ESG戦略の透明性を強化
ソシエテ・ジェネラルがイーサリアムブロックチェーンでセキュリティトークンを発行。ESGへの取り組みと透明性の向上を目指し、カーボンフットプリント情報を含むデジタルグリーンボンドを活用する。
10:45
「ビットコインは米国の利益を守る最善の手段」コインベースCEO
米仮想通貨取引所コインベースのCEOは、ビットコインなど仮想通貨が、インフレを背景に米ドルの代替手段として注目される可能性があると発言した。
10:20
Bybit、仮想通貨投資に関するレポート公開
Bybitは、投資に関するレポートを公開。このレポートでは、各種類の投資家が仮想通貨ビットコインやイーサリアムなどに、どのように資金を配分しているかを調べている。
08:30
仮想通貨ビットコインマイニング株大幅高、NYダウ反落
主要仮想通貨関連株はビットコインが42,000ドルに復帰したことを受け、5日に続伸した。一方、本日のNYダウは小幅反落しエヌビディアなど大型IT株も売られた。
07:30
「2024年まで20もの仮想通貨ETPを提供へ」カナダValour
カナダの仮想通貨ETP発行会社Valourは新たに2024年まで欧州で20もの仮想通貨ETP(上場取引型金融商品)を提供する目標を掲げた。機関投資家の資金流入が追い風になっている。
07:02
エルサルバドル、ビットコイン投資の含み益がプラスに
エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領は、同国の仮想通貨ビットコイン投資の利益がプラスに転じたと公表。公表時点で約5.3億円の利益が出ている。
06:30
コインベース、仮想通貨ポリゴンなどの先物も提供
米仮想通貨取引所大手コインベースは先週末、ポリゴン(MATIC)とビットコインキャッシュ(BCH)のパーペチュアル先物取引を新たに提供する予定を発表した。COIN株価は5.5%高。
06:00
国際版バイナンス、銘柄新規上場
仮想通貨取引所大手バイナンスは新たなステーブルコイン「Anchored Coins EUR (AEUR)」新規上場を実施した。先月バイナンスに上場した「ORDI」は一ヶ月で約9倍も上昇した。
05:30
米Franklin TempletonのCEO、ビットコインやアルトコイン保有を明かす
米Franklin TempletonのCEOはFortune誌のインタビューで自身が仮想通貨ビットコイン(BTC)や一部のアルトコインを保有していると明かした。
12/04 月曜日
15:11
グレースケール、「GBTC」のビットコインETF転換についてブログで説明
米グレースケール・インベストメンツは公式ブログで、米国における現物ビットコインETFの承認は時間の問題であるとして、GBTCをビットコインETFとして、ニューヨーク証券取引所Arcaへ上場させることに注力していると強調した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア