NFT、AI、仮想通貨関連スポンサー禁止
人気ゲーム「Overwatch(オーバーウォッチ)」のeスポーツリーグは1月31日、公式ルールブックを発表。その中で、暗号資産(仮想通貨)企業のスポンサーシップを禁止を打ち出した。
eスポーツトーナメント運営会社ESL FACEITグループが監督する、「オーバーウォッチ・チャンピオンズシリーズ」のルールブックに掲載された格好だ。
No fantasy gambling/gambling/liquor/crypto sponsors for @OW_Esports teams. pic.twitter.com/dZ4SMs73EN
— James B Fudge (@jfudge) February 1, 2024
アルコール飲料企業、タバコ、ギャンブル、政治活動、宗教などに関連する組織と並び、仮想通貨取引所などに関連する団体や企業が、ゲームプレイヤーやチームのスポンサーに付くことを禁止する。
NFT(非代替性トークン)や人工知能(AI)、機械学習の企業がスポンサーについているプレイヤーも出場してはならないとしている。理由については特に言及していない。
オーバーウォッチは、米大手ゲーム企業Activision Blizzard(アクティビジョン・ブリザード)が提供するチーム対戦型のアクションシューティングゲームのシリーズである。
eスポーツとは
Electronic Sportsの略で、ビデオゲームをスポーツとして捉えた名称である。マルチプレイヤーゲームの大会として開催されることが多い。オンラインストリーミングプラットフォームの普及に後押しされて人気が高まり、2017年時点で世界の観客は数億人に及ぶと見積もられている。シューティング、格闘、パズル、カードゲームなど様々な競技が存在する。
▶️仮想通貨用語集
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Web3企業とeスポーツの提携事例
Web3企業とeスポーツチームが提携する例はこれまで数多い。最近では、ブロックチェーンゲームIlluvium(イルビウム)が昨年11月、世界最大級のeスポーツチームの1つ「Team Liquid(チーム・リキッド)」との提携を発表した。
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2021年には、その後破綻した大手仮想通貨取引所FTXが、米プロeスポーツ組織「TSM」の命名権を約230億円で獲得した事例もある。
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ゲーム内アイテムを所有権の証明されるNFTの形で提供できること、NFTにより様々なブロックチェーン上のゲーム間でアイテムを持ち運べること、プレイヤーやeスポーツファンがトークン報酬を得られる可能性など、ゲームとWeb3には相性の良い点も指摘される。
しかし、2022年11月にFTXが破綻して以降、仮想通貨企業とeスポーツ業界の提携事例は目に見えて減少しており、eスポーツ団体の一部が以前よりも仮想通貨企業との関係を躊躇している可能性を指摘する意見もある。
Web3模索するゲーム企業
CoinGeckoは2023年9月に発表したレポートで、時価総額上位40のゲーム会社の中で、29社がWeb3事業を模索していると分析している。
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日本の代表的なゲーム企業であるスクウェア・エニックス・ホールディングスの桐生隆司社長は、今年の年頭所感でブロックチェーン、Web3、AIに取り組んでいくと語った。
スクウェア・エニックスは昨年12月、初のNFTコレクティブルアートプロジェクト「SYMBIOGENESIS(シンビオジェネシス)」も正式に立ち上げている。
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